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業界ニュース 2018.8.12

昔と今、欧州各自動車メーカーの大衆車はどう変わった?

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いつの時代も庶民の味方は大衆車です。小さくてキビキビと走り、パッケージングの工夫によって居住スペースやラゲッジ空間もしっかりと確保。整備性に優れ、燃費もよく、ランニングコストも控えめで、実用性も走行性能にも優れています。そんな名車と呼ばれる大衆車が、ヨーロッパには数多く存在しており、これからも生み出され続けていくでしょう。今回は欧州自動車メーカーが手がけた、大衆車の今昔物語をお届けします。文・西山昭智

フィアットの昔と今

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ボディサイズ:全長2,970mm×全幅1,320mm×全高1,320mm
ホイールベース:1.840mm
車両重量:470kg
エンジン:空冷直列2気筒OHV
排気量:479cc
乗車定員:4名
チンクエチェントでおなじみのフィアット500。初代モデル(トポリーノ)は戦前に誕生していますが、イタリアで広く知られるようになったのは1957年に登場した2代目(ヌオーヴァチンクエチェント)から。可愛らしい丸みを帯びたスタイリングに、大人4名が乗れる居住空間を確保。エンジンを後方に搭載するRRレイアウトを採用しています。
最高出力はわずか15psほどで、最高速度も90km/hと決して速くはありませんでしたが、当時スクーターが、おもな移動の手段だった庶民にとって、チンクエチェントはまさに画期的な存在でした。
価格も抑えめだったこともあり、イタリア国内で大ヒットを記録、その人気はヨーロッパ全体へと飛び火します。1975年の生産終了までに約368万台も生産されました。


ボディサイズ:全長3,655mm×全幅1,645mm×全高1,550mm
ホイールベース:2.300mm
車両重量:1,070kg
エンジン:水冷直列2気筒SOHC
排気量:875cc
乗車定員:5名
ヌォーバ500が生産終了されたのち、1980年にデビューしたのがパンダです。製作にはジウジアーロ率いるイタルデザインが関わっており、パッケージングや室内レイアウトの高さから傑作モデルと呼ばれています。
そんな名車の血を受け継ぎ、2011年に3代目パンダが誕生します。小さなボディと0.9L直2エンジンを組み合わせ、かつてのフィアット500と同様に大衆車としてヨーロッパでは広く知られる1台となりました。
フィアット500は現在もリクリエイションカーとして販売されていますが、あちらはどちらかというとパーソナルカー。家族や荷物をのせて、あちこちへ出かけるという実用性ではパンダに軍配が上がります。

フォルクスワーゲンの昔と今

ボディサイズ:全長4,070mm×全幅1,540mm×全高1,500mm
ホイールベース:2.400mm
車両重量:730kg
エンジン:空冷水平対向4気筒OHV
排気量:1,131cc
乗車定員:5名
フォルクスワーゲンの大衆車といえば、タイプ1です。ビートルという愛称でおなじみのタイプ1は1938年から2003年まで生産され続け、その生産台数は累計2,100万台を突破しているほど。ドイツだけでなく世界の大衆車として君臨し続けた偉大なモデルです。
設計に携わったのはフェルディナント・ポルシェ博士、生産を主導したのはアドルフ・ヒトラーといういわくつきのモデルですが、大人2名と子供3名の家族が乗れる居住空間を備え、旅行のためのラゲッジスペースも確保、頑丈でメンテナンス費用がかからず、燃費性能にも優れているという要件をクリアしたタイプ1は、大衆車の礎を築いた名作といえるでしょう。


ボディサイズ:全長4,060mm×全幅1,750mm×全高1,450mm
ホイールベース:2.550mm
車両重量:1,160kg
エンジン:水冷直列3気筒DOHC
排気量:999cc
乗車定員:5名
フォルクスワーゲンのタイプ1の次なる大衆車といえば、もちろんゴルフ。ジウジアーロの手がけた初代ゴルフは世界的にも大ヒットし、現在まで7代にわたりゴルフが生産され続けています。
しかし代替わりするごとに車体は大きくなり、それにともなって車両価格も高騰、現在のゴルフは大衆車と呼ぶにはあまりにも立派になりすぎました。その代わりに新しく大衆車の地位へと繰り上げられたのが、ゴルフの弟分ともいえるポロです。
1974年に初代ゴルフが発売され、その翌年に続けてデビューしたポロ。当初は3ドアハッチバックでしたが6代目となる現行ポロは5ドアになって使い勝手も向上。2018年のフルモデルチェンジによって全幅が1,800mmとなってしまったものの、ボディの肥大化は抑えられており、家族みんなで出かけられる大衆車として活躍してくれます。

ルノーの昔と今

ボディサイズ:全長3,665mm×全幅1,485mm×全高1,470mm
ホイールベース:2.395mm
車両重量:600kg
エンジン:水冷直列4気筒OHV
排気量:750cc
乗車定員:4名
ルノーの大衆車として大ヒットを記録したのが4(キャトル)です。1961年の登場から1992年まで生産が続けられたロングセラーモデルで、その生産台数は累計800万台を超えています。フォルクスワーゲンタイプ1、T型フォードに続き、単一車種の量産車として世界第3位の販売記録を樹立しています。
4枚のドアに跳ね上げ式のテールゲートを組み合わせたいわゆる5ドアハッチバックで、実用性の高さも人気の秘訣になっていました。


ボディサイズ:全長4,280mm×全幅1,830mm×全高1,810mm
ホイールベース:2.700mm
車両重量:1,450kg
エンジン:水冷直列3気筒DOHC
排気量:1197cc
乗車定員:5名
ルノー4にも存在していたフルゴネットと呼ばれるボディスタイルを、現代風にリファインしたのが、ルノーカングーです。小型車の後ろに貨物車を組み合わせたような小型のボンネットバンで、ユニークな見た目と想像以上の使いやすさが特長です。
1997年に初代カングーがデビューすると、乗用車とトラックのメリットを組み合わせた使い勝手と乗り味で大ブレイク。ヨーロッパだけでなくアジアでも人気となり、マレーシアでノックダウン生産が行われたほど。シートアレンジが自在で日本でも高い人気を誇りました。
2007年には2代目カングーがデビューしており、欧州の積載規格に合わせて横幅を広げ、用途に応じた多彩なボディのラインナップがさらに人気を集めました。
カングーよりも小さなモデルはルノーにもありますが、実用性を兼ね備えた大衆車であり、キャトルの系譜を受け継ぐという点においてはカングーが現代版の大衆車といえるでしょう。


シトロエンの昔と今

ボディサイズ:全長3,830mm×全幅1,480mm×全高1,600mm
ホイールベース:2.400mm
車両重量:560kg
エンジン:空冷対向2気筒OHV
排気量:375cc
乗車定員:4名
20世紀を代表する1台として、カー・オブ・ザ・センチュリーにも選出された大衆車の傑作。シトロエンが1948年に発売したFF方式の小型乗用車です。
フランスの農村部で乗ることを前提につくられたのが開発のきっかけで、農作物を運ぶための積載能力と運転のしやすさ、燃費などに重点を置かれており、スタイリングは二の次とされていました。そのため発売当時からそのスタイリングには、賛否両論さまざまな意見が飛び交いました。
しかし結果的に、2CVは商業的に大成功をおさめ、あらゆるフランスの家庭に受け入れられることになりました。


ボディサイズ:全長3,995mm×全幅1,750mm×全高1,495mm
ホイールベース:2,535mm
車両重量:1,160kg
エンジン:水冷直列3気筒DOHC
排気量:1,199cc
乗車定員:5名
2002年の初代C3登場以来、全世界で200万台を超える売り上げを記録するC3。3代目となる現行C3は、C4カクタスで話題を集めたエアバンプとピカソのようなフロントマスクが特長です。
ボディサイズや車両価格などあらゆる面でバランスがよく、フランスだけでなくヨーロッパでも大衆車として人気があり、日本ではデザイン性の高さで同じく人気を集めています。


ただコンパクトなだけでなく、実用性と経済性も兼ね備えているのが大衆車の条件。それらを意識して多くのエンジニアがこの難しい課題に挑戦し、歴史に残る傑作車を数多く輩出してきました。それらの遺伝子を受け継ぎながら、21世紀版の大衆車が同じように作られ続けているのです。

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