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サーキット走行でタイヤの空気圧は「高めか?」「低めか?」

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サーキット走行でタイヤの空気圧は「高めか?」「低めか?」

周回毎にタイヤの空気圧をチェック!ドライビングにあった設定を探す

サーキットのスポーツドライビングで気になるのがタイヤの空気圧。いや、気にならない人もぜひ空気圧には敏感になってほしい。空気圧を計測するエアゲージを持っていない人は、いますぐ購入をオススメする。タイヤの空気圧をこまめにチェックするのが、上達の近道に他ならない。タイヤの空気圧は、ドライバーに貴重なメッセージをたくさん伝えてくれるからだ。

【知ってまっか】冬こそタイヤの空気圧を高めに

走行前には適正な空気が入っていることはもちろん、前後左右=4本ともどれだけのエア圧にセットしたか毎回メモることを心がけよう。あとは気温とか、路面温度とか。路面温度を正確に測るにはそれ相応の温度計がいるが、手で地面をさわれば、氷みたいに冷たい、まぁまぁ冷たい、人肌と変わらない、あったかい、熱い、触れないぐらい高温…、ぐらいの違いは分かる。それだけでも十分。

きっちりとメモをとっていれば、「今日は調子がいいぜ!」「乗りにくいなぁ」「乗りにくいけどタイムは悪くない」などの状況が、走り出す前の空気圧がどんなときにそう感じたのかが、データとして残すことができる。

おそらくだが「なんだか調子がいいぜ!」と感じるときの空気圧が、自分にとっての基準になるはず。次にまた走る機会があればその空気圧にセットして走ってみる。走った直後も4輪ともきっちりと空気圧をチェックすること。それを繰り返すことで、その基準がさらに明確な基準になってくる。

もっと言うと、あくまでも例として…。

走り出してすぐが調子がいい 少し走ってからが調子がいい 走れば走るほど調子があがる

という3パターンを想定すると、「1」は走り出す前の空気圧に近いところがベター、「3」は走行後の空気圧に近いほうがベター、「2」は「1」と「3」の中間の空気圧がベターと考えることも可能。

もう、お分かりのとおり、空気圧を上げるのか?下げるのか? という今回のテーマは、「基準」がないことには後にも先にも、話を進めることができない。もしくは、走り出す前は「毎回必ず2.0kg/平方センチメートルに合わせている」とか「ドアに貼ってある適正空気圧に合わせている」というのも基準としては明確だからOK。

というわけで「サーキットでは空気圧は上げるのか?下げるのか?」上述したとおり、ある程度基準データを持っているドライバーなら、そのときのドライバーの乗りやすさやタイムの出方で、上げたり、下げたりして調節する以外に答えはない。ライバルの空気圧は参考になるかもしれないが、それが自分にとってベストな空気圧かどうかは分からない。あくまでも基準は自分が作り出すもの。

サーキット走行時の空気圧は高めが基本だが・・・

さて、それらを踏まえた上で、一般論を説明する。一般論としてはサーキットではタイヤの空気圧は上げたほうがよいと言われている。言われてはいるが、一概にはそう言えない。なぜなら、空気圧のベストはドライバーやクルマの仕様、タイヤの種類によっても異なるから。

一般論として、空気圧を上げる理由のひとつが「足まわりを強化する」という一連のサスペンションセッティングと同じ意味合いにある。タイヤは常に、たわみやよじれを繰り返している。ダンパーやスプリングが縮んだり伸びたりしているのと一緒。サーキット走行では減衰力の高いダンパーやバネレートの高いスプリングに交換するのは当たり前のように行われている。タイヤだって、そのスピードレンジに合わせて、たわみやよじれを抑制したい。全開走行からの急ブレーキでガツンと前のタイヤに力が加わったときに、空気圧が低いとそれに耐えられなくなり、挙動が不安定になってしまう。コーナリング時も同じ。

それらを解消するための方法のひとつが、タイヤの空気圧を上げてやること。空気がたくさん入っているほうがタイヤは硬くなる。サーキット用のダンパーやハイレートスプリングに交換するのと理屈は同じだ。

ちなみにだが、スポーツタイヤと呼ばれているタイヤは、タイヤそのものが一般のタイヤよりも硬く作られている場合が多い。速いスピードレンジに対応するためだ。これも足まわりを強化するという考え方と同じこと。

最後に、では、走行前と走行後でタイヤの空気圧はなぜ変化するのか?その理由は簡単、タイヤが発熱するから。サーキットでのスポーツドライビングにおけるタイヤの空気圧とは、タイヤの発熱やグリップ力との関係のなかで、そのベターなセッティングを探すための貴重なヒントになるということ。最初から空気圧を高めにセッティングしていると、走行中、発熱によって高くなりすぎてグリップしないということもある。

路面温度が低いときはタイヤが温まらないとグリップしないが、路面温度が高温のときはタイヤがすぐに熱ダレしてしまう。

サーキットで速い人たちは、経験による直感、生まれ持ってのセンス、緻密なデータ管理などにより、タイヤの空気圧を知ることで、発熱とグリップのベターな関係を少なからず感じとって走っているのだ。ひとことで言えば、引き出しの数が多い、ということになるのだが……。

(レポート:岡田幸一)

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