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業界ニュース 2018.8.10

新型をテストして村上春樹を思った──スバル・フォレスターの魅力って?

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どひゃ~、こんなに違うのか……。6月下旬、伊豆・修善寺のサイクルスポンサーで開かれたスバル新型フォレスターの試乗会でのこと。筆者はシメのつもりで、比較用に用意してあった先代のX-BREAKというモデルのステアリングを握って走り出した。

本来は自転車用に設けられた「4kmコース」のストレートの途中がスタート地点になっていて、コースインで加速していく、その加速からして旧型ははっきりトロかった。ストレートの、下りつつある後半部分にパイロンがいくつか並べてあって、大きく左、右、左、とハンドリングが試せるようになっていた。

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パイロンの列が描くカーブに合わせてステアリングを左に切ると、白い先代フォレスターはドワーッとボディが右に傾き、前輪が思わずスキール音を悲鳴のごとくに発した。スキール音が出ない程度の速度にとどめよ、と事前にいわれていたのでステアリングを修正しつつ減速した。

旧型ぜんぜんダメじゃん。それから、下りながら右に曲がる第1コーナーに入り(中略)、登りに至ると、エンジン音がガーッとうるさく轟いた。下りきって左に曲がる手前でブレーキをかけると、新型に慣れた感覚からすると、ぜんぜん効かない。とはいえ、コースの中盤に至る頃には旧型の動きがわかってきた。そうすると不思議なもので、これはこれで……と思えてきた。

試乗を終えて、新旧の違いについて筆者なりに考えてみた。なるほど新型の進化はすばらしい。6年ぶりに全面改良を受けたフォレスターはプラットフォームからして新しいのだ。

「スバルグローバルプラットフォーム(SGP)」と呼ばれるこれは、2016年に登場したインプレッサで初お目見えした。そのインプレッサは専門家から高い評価を受け、2016-2017の日本カー・オブ・ザ・イヤーを獲得している。

SGPを送りだすまで、スバルは2003年に発売した4代目レガシィに採用されたプラットフォームを改良しながら使い続けてきた。といって、それでなにか困ったことがあったか? といえば、特に浮かばない。先般、筆者は現行WRX STIで東京~愛知を往復したけれど、第一級の高性能セダンであることに変わりはなかった。

では、SGPでどこがどう変わったのか?

たとえば、前ストラット、後ろダブルウィッシュボーンのサスペンション形式は、後ろがマルチリンクになった。でも、そういうのは細かい話だ。スバルのエンジニアによると、これまでは弱いところにツギを当てて補強するような仕事だった。足し算だから、おのずと重くなる。SGPでは乗る人の姿勢から見直した。より高い剛性をより軽量の設計でつくり直した。より軽くてより高いボディ剛性が得られれば、よりよい乗り心地と操縦安定性が得られる。話し相手になってくれたエンジニア氏は満面の笑みを浮かべてそういう内容のことを言った。

それにしても13年ぶりのプラットフォーム一新。その投資額は何10億、それとも何100億ですか? と筆者は問うた。エンジニア氏は笑みを消してキッパリと言った。「それは言えません」。なんとなれば、コストがばれるからだ、と続けた。だから聞きたいわけだけれど、質問を変えた。それでは、その新しいプラットフォームを得た新型フォレスターはどこがどう変わったのか? 後席に乗ってもらえれば、彼我の差は明らかである。居住空間が広くなり、静かで乗り心地がよくなっている、と彼は胸をはった。

「私は後席には乗らないのです」と筆者は答えた。なるほど、新型フォレスターの見所は、ファミリーカーとしての完成度を高めたことにあるとはいえる。たとえば、ボディの拡大は最小限に留められているのに、乗員個々の居住空間は広がった。

数字を記せば、先代比、15mm長く、20mm幅広く、15mm高く、ホイールベースの延長は30mmに過ぎない。なのに、前席と後席の間隔は33mm、運転席と助手席の間隔は20mm拡大している。そういえば、試乗する前にそんな説明を受けていた。しかし、ドライバーたる者、ドライバーズ・カーを求めずして、なんとする。

偏屈な筆者の答に苦笑しながらエンジニア氏は、「運転してもらえば、ボディの一体感が違うことがわかってもらえるはず」と言った。そこで筆者はここぞとばかりに次のようなことを述べた。

新型は2.5リッターと、2リッター+電気モーターの2本立てのパワートレインなのに対して、旧型フォレスターX-BREAKは、2リッターのNAで、明らかに非力であった。しかも、異なる性格のタイヤを履いていた。旧型はヨコハマ・ジオランダーG91といういかにもSUV用で、255/60R17だった。2リッターフラット4は最高出力148ps、最大トルク196Nmだ。

いっぽう新型はブリヂストンの「背の高いスポーツカー」用とされるデューラーH/Pで225/55R18である。ハイブリッドは145psと188Nmのフラット4に、13.6psと65Nmの電気モーターが小なりといえども加勢するし、2.5リッターのほうは2.5リッターだからおのずと排気量差があって、最高出力は184ps、最大トルクは239Nmある。速いのは当然で、これではプラットフォーム一新の効果は正確にはわからない、と。

真面目なスバルのエンジニア氏は筆者を諭すようにこう言った。「よく観察していただければ、ボディとの一体感が違うはずです」

そういえば……と筆者は脳内の記憶を辿った。ドワーッとロールした時のあの感じと、その前に新型に乗った時の穏やかなロールの感じ。

新型フォレスターは、新たに「ドライバーモニタリングシステム」なるクルマによる“おもてなし”をスバルとして初採用した。運転支援システムのアイサイトにプラスされたこれは、あらかじめ設定しておく必要があるけれど、顔認識によってだれが運転席に乗り込んだのか判断し、シートポジションやドアミラー角度を自動的に調整してくれる。

走行中、一定時間以上、目を閉じていたり、顔の向きを前方から大きく外したりすると、警報音や警告表示をしてくれたりもするという。なんとすばらしい技術だろう。どんだけ世のため人のために役立つことか。技術の進歩は日進月歩である。

それに対して、ドライビング・フィールというのは個人的な楽しみであって、社会に与える影響は、もちろんある、と言い張ることもできるけれど、ないと否定することもできる。自動運転技術が進められていることからも、後者が優勢であることは疑いない。ことファン・トゥ・ドライブに関してはむしろ退行している感さえある。

だからこそ、このドライビング・フィールというヤツにクルマ好きは固執し、情熱をもって語る。技術の進歩を否定する救いようのない人種、といえるかもしれない。だけれど、スバル新型フォレスターは、そういう人種にも嬉々として語ることができるものを持っていそうな気配をこの試乗会では感じたのだった。

筆者の個人的な感想としては、村上春樹が『騎士団長殺し』で描いた「白いフォレスターの男」にふさわしい高性能モデルを復活させてほしい、ということだ。当代きっての小説家にインスピレーションを与えた「白いフォレスター」のイメージは、SUVなのにとんでもなく速かった2リッター・ターボのフォレスターから生まれていたに違いない。

自動車にとって速さとはいちばんエライものであり、それが困難な時代だからこそますます貴重品になっていく。だからこそ高級車メーカーはそこに注力する。

2050年までに日本車をすべて電動化する方針を政府は打ち出したけれど、その前に世界ラリー選手権への復帰をスバルには期待したい。

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(GQ JAPAN 今尾直樹)

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みんなのコメント

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  • har*****|2018/08/10 22:56

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    もう少し客観的にお願いします。
    読者に伝わりませんよ。
  • sor*****|2018/08/11 01:36

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    どうせ試乗スペシャルチューンだから
    旧型は悪者になるようにヘタったような
    ハンドリングに仕立てて、その一方で新型は
    エンジンもアライメントも門外不出な
    設定にしてあるだけでしょ。

    言っておくが新型の方が優れているのは
    当然であって、それを旧型はダメという表現は
    せっかく買ってくれた従来のユーザーを
    敵に回すだけだし、そういう宣伝しか
    できなくなったらもう終わってるよスバルは。
  • mot*****|2018/08/10 22:41

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    新型ホォレ良いクルマ
    エアコン、パワステ、集中ドアロック、電動ドアミラーなどもちろんフル装備ですよね。
    豪華装備の新ホォレスターに乗ってみたい。

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