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業界ニュース 2018.8.9

アダルトなハチロク、それがGRの魅力だ!──86GR試乗記

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今、振り返ってみても“奇跡のコラボレーション”と表現するのが相応しく思える、トヨタとスバル(開発当時は富士重工業)の共同作業によるスポーツカーの開発。それによって完成したトヨタ版モデルが86(スバル版はBRZ)だ。この86をベースに、一部専用のボディ補強を施し、エアロキットや専用サスペンション、そしてブレーキや排気系にもチューニングを施したアイテムを採用するのが86GR。それだけに、価格も496万8000円と高価だ。ちなみに、”GR”とはトヨタのモータースポーツを担うGAZOO Racing(ガズーレーシング)の頭文字。

昨年秋にローンチしたGRは、トヨタのスポーツモデルに付与するサブブランド名。パワーユニットに手をくわえた台数限定のコンプリートモデル「GRMN」を頂点に、チューニングレベルの異なる4層から成る。「GRMN」が本格的なサーキット走行を意識したチューンに対し、「GR」は公道走行を意識したチューンを施す。

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実は、86GRには”出典”が存在する。それは、2016年にわずか100台限定で発売した86GRMN。前述の通り、エンジンにも手をくわえた結果、ベースユニットを12ps上回る219psの最高出力を発揮。フロントフードやトランクリッド、ルーフパネルをCFRP製とし、リアやクオーターウインドウをガラスから樹脂製に変更、大幅な軽量化を図るなど、量産車の常識を超えた”究極の86”とも言うべき1台だった。

86GRは、エアロパーツのデザインやサスペンションのセッティングに、この86GRMNで培ったノウハウ活かしつつもより身近な存在を狙った、ややソフトターゲットなチューニングモデルだ。

前述の86GRMNは、ホワイトボディに対し、フロントフードやトランクリッド、ルーフに、カーボンに織り目の目立つCFRP(炭素繊維強化)を用い、結果、2トーンカラーとなったことにくわえ、長いステーで高く持ち上がった巨大なリアウイングを採用し、傍目にも”バリバリのチューニングカー”であることが一目瞭然だった。

一方86GRは、CFRPを用いないこともあり、ボディカラーはホワイトで統一。リアスポイラーもボディとの一体感が強いデザインを採用し、86GRMNと比べグンと大人しい印象を受ける。

ちょっと大きな丸型バックランプと、センター出しの太めテールパイプが目を引くリアビューは、やや”地味派手”な仕上がり。が、「これなら、大人も乗れるナ」と感じる人は、GRMNより多いだろう。

インテリアも86GRMNに対し控えめだ。フロントシートはノーマル仕様と異なり、薄いながらも立体感の強いバケットデザインが特徴だ。軽量化とともに、ストイックなピュアスポーツカーを演じるべく設計したGRMNのシートと比べると、日常域での使用をより考慮したことがうかがえる。また、ノーマル同様リアシートも用意(GRMNは省略)。4人での移動も可能なパッケージングは、“2シーター”のGRMNより敷居が低いと感じる人も少なくないだろう。

ノーマルと変わらないエンジンにくわえ、駆動ギア比も変更のなかった86GRではあるけれど、エンジンに火を入れ1速ギアをセレクトし、クラッチミートすると、蹴り出しの強さがノーマルモデルよりも明らかに上だった。駆動系全体の剛性感が上がり、アクセルのわずかな操作がよりダイレクトかつリニアに挙動にあらわれる印象を受ける。

どうやらこれは、ステアリングラックやリアサスペンションメンバーの周辺にブレースがくわえられたことによって、ボディのごくわずかな変形にかかる力が減ったかこともありそう。まさにこのあたり、チューニングの醍醐味だ。カタログデータには決してあらわれない、”官能性能”の向上だろう。

そんな86GRのチューニンのグ妙味は、ワインディングロードへ差し掛かるといよいよ冴えわたる。約10mmのローダウンを施したサスペンションと、専用チューニングのトルセンLSD、そして前後異サイズのミシュラン・パイロットスポーツ4タイヤのコンビネーションは、ノーマルモデルに比しはるかに強いトラクション能力を発揮する一方、決してアンダーステア傾向を強めるわけでなく、すこぶる高いハンドリングの自在感をたっぷりと味わえる。

そんな走りの自在感をさらに高めたのは、こちらもノーマルとはまったく異なるブレーキシステム。フロントにモノブロック式対向6ポット、リアには4ポット式キャリパーを奢ったこのシステムは、微妙な踏力変化へのリニアな応答性と剛性感に富んだペダルのタッチ、そして強力な効きを提供する逸品だ。

かくして、86に隠されていたともいうべき”うま味成分”を、より分かりやすく、見事に引き出したのが、86GRのフットワークという印象だった。

パワートレーンに一切手を付けず、パワーもノーマルから変更ナシというモデルに、「500万円近い値付けはとんでもなく高い!」と、受け取る人はいるだろう。

一方で、スタートの瞬間から走りのクオリティ向上は明らかだ。日常シーンであっても、ドライビング・プレジャーの違いを明白に感じる人にとっては、ノーマル86との価格差は十分リーズナブルと受け取って貰える可能性は高い。

「分かる人にだけ乗って貰えればOK!」というクルマ創りの姿勢があるからこそ、細かなチューニングを施すことができ、また500万円近い販売価格になったのだろう。結局、スポーツカーが”趣味の乗り物”だとすれば、その「趣味」にどれほど投資をおこなうか、まさにユーザーの価値観次第というわけだ。

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(GQ JAPAN 河村康彦)

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