BMWのディーゼルエンジンから発火するという事象が韓国で報道され、走行を自粛する騒ぎにもなっているようだが、今度は欧州にも飛び火した。BMWが発表したところによると、原因はEGR(排気再循環)装置が過熱したことによる発火だという。
対象となるのは、3 シリーズ、 4 シリーズ、5 シリーズ、 6シリーズ、7 シリーズ、X3、 X4、 X5、 X6と幅広い。4気筒エンジンは2015年4月から2016年9月の期間に生産されたユニットが対象。6気筒エンジンは2012年7月から2015年6月までの生産分が対象となると発表されている。現時点では日本国内でのリコールは発表されていないが、グローバルには広範囲にわたる問題となることだろう。
原因とされているのはエンジン内に取り込む排気を冷却するためのEGRクーラー。EGRクーラーから漏れたグリコール系クーラントがEGR内に堆積した炭素系の堆積物と合わさることで燃えやすくなり、排気によって温度が上昇することで点火、火災につながるというストーリーが発表されている。具体的な対策については未発表だが、欧州では早急にリコールを実施するという。
EGRといえば、効率の改善や排ガス浄化など現代のエンジンにおいて重要な項目をクリアするのに欠かせない技術。それが原因で発火するというのは非常に残念なことだが、素早い対応を期待したい。
内燃機関がアクシデントにおいて発火・炎上してしまうというのは、長い歴史において発生しないように対策されてきた。液体燃料をそれなりに多量に積んでいる自動車の安全性について、改めて考えさせられる事象だ。
(文:山本晋也 写真:ロイター/アフロ)
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