現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 実は今年40周年! 三菱 ミラージュの昔と今

ここから本文です

実は今年40周年! 三菱 ミラージュの昔と今

掲載 更新
実は今年40周年! 三菱 ミラージュの昔と今

実は今年、三菱ミラージュが40周年を迎えた。

1978年に彗星のごとくデビューした初代は衝撃的だった。鋭角的でクリーンなデザインは日本車離れしていて、極めて斬新だったのだ。

15代目の責任──新型クラウンの未来は明るいか?【公道試乗記】

当時はまだマニュアルト・ランスミッション全盛で、当然ミラージュもマニュアルのみの設定だったが、三菱初のFFであるミラージュはパワートレーンのレイアウトの関係からエンジンのアウトプットを逆回転にする必要があり、それを利用して副変速機を設けていた。つまり4速の主変速機に4速の副変速機を持っていたので8速マニュアルだったのだ。メインシフトレバーの脇にサブシフトレバーが生えているという奇妙な構造だった。

このスーパーシフトで思い出すのは、ヨコハマタイヤがプロモ―トするラリーの名門、「ADVAN RALLY TEAM」の使用機材のミラージュだ。1.6リッター直4SOHCのサターンエンジンは軽快によく回った。

シングルキャブのままで、パワーのアドバンテージこそなかったが、軽量ボディと腕っこきのドライバーのおかげで華々しい戦績を残している。

同車をテストしたことがあるのだが、超クロースレシオになる8速はありがたいものの、素早いシフトをしていると、ご推察のように途中でこんがらがる。シフトアップはまだしも、頻繁にシフトダウンを繰り返すとどこに入って、何をしているのかわからなくなったものだ。

このスーパーシフトは後日、将来の4WDラリー車の実験台として実戦テストをした三菱 コルディアでも悩まされたが、ミラージュのテストをしているときは、まさかそんなことになろうとは思ってもいなかった。

この4×2のスーパーシフトは1983年にデビューした2代目ミラージュの早いタイミングで普通の5速MTになった。2代目ミラージュでは、同車を用いたワンメイクレースが開始されたことが強く印象に残る。「ミラージュカップ」と呼ばれたこのレースはそのあと、5代目ミラージュで終焉した1998年まで続き、シビックと並び日本におけるワンメイクレースの代表的存在であった。

ミラージュカップには多様なドライバーが参戦しており、筆者もハンドルを握ったことがある。ターボカーのドライビングは自然吸気エンジンとは多少異なって、ブーストをいかに効果的に使うことができるかでラップタイムが違う。そのコツを掴むまでちょっと悩んでしまったのも懐かしい。

当時、三菱自動車のレースサポート体制は素晴らしく、ブーストコントローラーの管理などで厳しく性能の均一化を図り、エンジンパワーによる差が出ないようにしていた。それでもチームは工夫する。丁々発止のあの手この手を使って涙ぐましくタイムを削っていった。

CMでは2代目ミラージュはエリマキトカゲで一世を風靡したが読者は覚えているだろうか?

3代目ミラージュはバブル真っ盛りの1987年、兄貴分のギャランを彷彿とさせるサイドデザインで登場した。スポーツグレードはサイボーグと呼ばれ、1.6リッター直4ターボモデルになった。

サイボーグでは何戦かラリーに参戦したのだが、実はあまり記憶にない。全日本選手権に参戦していた最後の頃で、KYBのスポンサーカラーで走っていたはずだが、どうも相性が悪かったらしく、大きな白いメーターパネルとナビゲーターの読み上げるタイムが記憶に残っているぐらいで、不思議なほど覚えていない。成績も残っていなかったはずなので、嫌なことは忘れる性格が遺憾なく発揮されたのだろう。

当時の三菱は新しいこと、面白いプロモーションを仕掛けており、この3代目ミラージュも世間は好感を持って受け入れていた。松任谷由実のさまざまな楽曲を起用したCMも懐かしい。もしかするとミラージュのピークはこの3代目だったかもしれない。

次の4代目ミラージュは我が家にあった。我が家のアシとして使っていたのだ。エンジンはDOHCの1.5リッター直4を選択した。ミラージュを選んだ理由は、丸っこいデザインと何よりもCMに出演していた深津絵里のファンだったから、というのはまんざら嘘でもない。

ボディカラーはカタログだけ見て選んでとんでもないことになった。納車日に家内から悲鳴のような電話があった。綺麗なグリーンのつもりだったが、実際は陸上自衛隊の連絡車のようで、イメージとはまったく異なっていた。

だが、そのカラー通り、我が家のミラージュは過酷な使用条件にもめげず頑張って働いてくれた。でももう少し可愛いカラーだったら家族の愛情はもっと深く、大事にされていたかもしれない……。

振り返ってみると、三菱は技術志向の強い会社で、新しいメカニズムに果敢にチャレンジしている時代が長かった。否、今でも独創的なPHEV(プラグ・イン・ハイブリッド・システム)につながる技術を持つ会社なのだが、当時はその技術をアピールするプロモーションにも目を見張るものがあった。

しかしバブル崩壊、リーマンショック、相次いだ不正事件で三菱ブランドは失墜し、それに伴い技術が停滞、そしてプロモーションも限られ、かっての勢いは低下してしまった。当時の隆盛を知る者としては寂しい限りだが、最近、復活の狼煙があげられていることに少し希望を感じている。

で、唐突だが歴代ミラージュで一押しはと言えば、やはり初代のミラージュだ。コンパクトハッチバックの市場に打って出るという気構えと、自ら変わっていこうとする意志を強く感じ、インパクトが強かった。

現行ミラージュは新興国市場のエントリーモデルの役割が主で、日本は従だ。作りやすそうなデザインだが、もう少し活気のあるデザインにしてほしかった。初代ミラージュの心意気が懐かしい。自衛隊の連絡車カラーの当時とは違って、今の三菱は綺麗な色が揃っているのだから。

こんな記事も読まれています

ビッグモーターで「50台以上」が盗難被害に!? 「自作自演?」の声あるが…真相は? 元関係者語る実態とは
ビッグモーターで「50台以上」が盗難被害に!? 「自作自演?」の声あるが…真相は? 元関係者語る実態とは
くるまのニュース
春だね! 桜が描かれた原付ご当地ナンバー
春だね! 桜が描かれた原付ご当地ナンバー
バイクのニュース
アウディの新型電動SUV『Q6 e-tron』にロング版「L」…北京モーターショー2024で発表へ
アウディの新型電動SUV『Q6 e-tron』にロング版「L」…北京モーターショー2024で発表へ
レスポンス
[新型ランドクルーザー250モデリスタ]今回はオフロード感マシマシで「オプカン」ホワイトレターも!! お馴染みのLEDも付いちゃうゾ
[新型ランドクルーザー250モデリスタ]今回はオフロード感マシマシで「オプカン」ホワイトレターも!! お馴染みのLEDも付いちゃうゾ
ベストカーWeb
街で見かけるダイハツ車たちがサーキットを攻める!「D-SPORT & DAIHATSU Challenge Cup 2024」に密着してみた
街で見かけるダイハツ車たちがサーキットを攻める!「D-SPORT & DAIHATSU Challenge Cup 2024」に密着してみた
くるまのニュース
[新型ランドクルーザー250内装解説]12.3インチの巨大モニターもいいけど8インチで十分じゃね??  スイッチとかめっちゃ使いやすいやん絶対
[新型ランドクルーザー250内装解説]12.3インチの巨大モニターもいいけど8インチで十分じゃね??  スイッチとかめっちゃ使いやすいやん絶対
ベストカーWeb
「メーカー公認」で丸目換装!! ランクル250の激推しオプションを見逃すな なぜか不遇の「GX」も泣けるぞ
「メーカー公認」で丸目換装!! ランクル250の激推しオプションを見逃すな なぜか不遇の「GX」も泣けるぞ
ベストカーWeb
ホンダ新型「オシャレ軽商用バン」発売! エレガントな進化に早くも反響!? 130万円台で買える改良「N-VAN」が登場
ホンダ新型「オシャレ軽商用バン」発売! エレガントな進化に早くも反響!? 130万円台で買える改良「N-VAN」が登場
くるまのニュース
ヤマハの電アシ「PAS Brace」 日常使いしやすいスポーティコミューターの2024年モデルを発売
ヤマハの電アシ「PAS Brace」 日常使いしやすいスポーティコミューターの2024年モデルを発売
バイクのニュース
JSR、産業革新投資機構によるTOBが成立 2024年夏にも上場廃止
JSR、産業革新投資機構によるTOBが成立 2024年夏にも上場廃止
日刊自動車新聞
ゲレヴァー好きですか?レストアされたレアなオフローダー「メルセデス 300 GD」で冒険の旅へ、150万キロ感動の物語
ゲレヴァー好きですか?レストアされたレアなオフローダー「メルセデス 300 GD」で冒険の旅へ、150万キロ感動の物語
AutoBild Japan
アルピーヌF1、中国GPで新"軽量版"シャシー投入&フロアアップデートも実施……最下位脱出に向け奮闘中
アルピーヌF1、中国GPで新"軽量版"シャシー投入&フロアアップデートも実施……最下位脱出に向け奮闘中
motorsport.com 日本版
【最新スーパースポーツ試乗】世界限定2500台、オフロードも走れるポルシェ911ダカールのオールラウンド性能
【最新スーパースポーツ試乗】世界限定2500台、オフロードも走れるポルシェ911ダカールのオールラウンド性能
カー・アンド・ドライバー
渋滞へトラックが「ノーブレーキ突入」衝撃の映像!? NEXCO緊急の注意喚起が話題に「運転の上手い人はこんなことしません!」
渋滞へトラックが「ノーブレーキ突入」衝撃の映像!? NEXCO緊急の注意喚起が話題に「運転の上手い人はこんなことしません!」
くるまのニュース
ついにランクル250正式発表520万円から!! 争奪戦必至もやっぱり欲しいーー今日ランクルに新たな歴史が始まる
ついにランクル250正式発表520万円から!! 争奪戦必至もやっぱり欲しいーー今日ランクルに新たな歴史が始まる
ベストカーWeb
MINIの小型電動クロスオーバー『エースマン』がデビューへ…北京モーターショー2024
MINIの小型電動クロスオーバー『エースマン』がデビューへ…北京モーターショー2024
レスポンス
バイク「満タン航続距離ランキングトップ10 2024】10位でも500kmは余裕、1位は600kmオーバー!125から大型車までの大混戦に
バイク「満タン航続距離ランキングトップ10 2024】10位でも500kmは余裕、1位は600kmオーバー!125から大型車までの大混戦に
モーサイ
レクサスが「1泊10万円」のキャンプを発表! レクサス新型「GX」の展示&試乗もある非日常体験!? 6月に開催へ
レクサスが「1泊10万円」のキャンプを発表! レクサス新型「GX」の展示&試乗もある非日常体験!? 6月に開催へ
VAGUE

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

149.1164.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

12.0259.0万円

中古車を検索
ミラージュの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

149.1164.5万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

12.0259.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村