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業界ニュース 2018.7.30

クルマになにより必要なのはセンスです──新型DS 7 クロスバック試乗記

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プジョー・シトロエングループが「DS」というブランドを作ったのは2009年。ぼくもシャンゼリゼで行われたお披露目会に出席した。そのときはシトロエンの仕上げを高級にしたという印象だったが、今回、「新世代に入った」というDSオートモビルズの言葉どおり、専用車種「DS 7クロスバック」がお目見えした。

過熱化するSUV市場へのニューカマーだ。感心するのは、いままで誰も試してみなかったスタイリング手法が採用されていることで、ぼくはSUVというより、ぜいたくなセダンととらえてもいいのではと思ったほどだ。

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全長4590mm、全高1635mmのボディに、1.6リッターガソリン、あるいは2.0リッターディーゼルを搭載し、トルコン式8段オートマチック変速機を組み合わせる。

室内は空間的余裕がたっぷりあり、前後席ともにヘッドルームもレッグルームも充分。後席の居心地もよく、マルチパーパスに使えそうだ。

もうひとつ、DS 7クロスバックの特徴は“個性”にある。スタイリング的に他に類のないクルマを作るという、この車両の企画をまとめたひとの思惑がしっかり反映されている。

6ライトを採用したサイドウィンドウのグラフィクスは伸びやかでエレガンスを感じさせるものだ。そこにフェンダーの張り出しを強調したボディパネルが組み合わされている。躍動感がうまく演出されている。

フロントグリルも印象が強い。網目の大型グリルの上下幅は薄めにしてフロントパネルの上のほうに配置しつつ、エアダムを大きく見せて、迫力を感じさせる。リアも同様にいちど見たら忘れられないほどの個性がある。それは、「ダイヤモンド」にも比せられる複雑な表面カットのリアコンビネーションのせいだ。

外観のみならず内装もかなりのものだ。

センターコンソールの高さを低めに抑えるなどして、空間的な余裕を強調した室内。そのいたるところに、きらきらと輝くユニークなディテールが発見できる。直線と十字と凹凸。それがモチーフのようだ。スイッチまわりは細かい凹凸状のローレット加工が表面に施されたような仕上げで、きらきらと光線を受けて輝く。

TFT液晶モニターの表示も菱形のモチーフが使われ、たとえば回転計も一直線。慣れないと回転数のイメージがつかみにくいけれど、スタイルのために多少のガマンを、というありかたはDSのオリジンであるシトロエンの“伝統”でもある。

感心するのはFocal Electra(フォーカルエレクトラ)ブランドのハイファイスピーカー(オプション)のカバーまでごていねいに面処理がされていること。

ぼくはこういうこだわりこそ高品質だと思う。英国の自動車専用サイトなどでは、しょせん合成樹脂の部品でしょ、という評もあるけれど、それのどこが悪いのか、と思う。

スタイルが統一されている点において、DS 7クロスバックの在り方を、ぼくは積極的に評価したい。そもそもDS(1955年)やCX(1974年)といったシトロエンのアイコン的な車種だって、合成樹脂を積極的に使っていたではないか。

ぼくが乗ったのは2リッターディーゼル車で、グレードは「Grand Chic」。2種類のうち装備のより充実した仕様である(ほかにエントリーグレードの「So Chic」を用意)。内装の仕上げは「BASTILLE(バスティーユ)」、「RIVOLI(リヴォリ)」、「OPERA(オペラ)」の3つあるうち中間の「RIVOLI(リヴォリ)」だ。

乗りだしたとき、白状するけれど、ぼくはガソリンエンジン車だと思った。室内はじつに静かで、エンジンのトルクの出方、それに回転マナーとすべてがガソリンエンジンのようなスムーズさなのだ。

400Nmもあるトルクゆえ出足はいいし、ターボチャージャーの介入はスムーズで、最大トルクに達する2000rpmあたりの力強さは痛快さをおぼえるほどだ。

サスペンションシステムには、カメラで前方5メートルから25メートルの路面状況をモニターし、ダンピングの減衰力を瞬時に調節する「DSアクティブスキャンサスペンション」が組み込まれている。その効果なのだろうか。乗り心地のよさにも感心する。以前のフランス車はサスペンションのゴム部品を上手に使い、段差や路面の凹凸をうまく吸収するのが特徴だった。DS7クロスバックを走らせていると、それを思い出す。

ステアリングは中立付近の微細領域はともかく、そこからさらに切り込むと正確性を増す。車体の反応も上々。カーブを曲がっていく楽しさも、しっかり味わえる。

すべてのモデルが前輪駆動だが、直進安定性もたいへんよい。高速走行時の静粛性も高く、新しい高速ツアラーである。

パリでのブランドの発表会のときは新しい車種がなかったのでピンとこなかったが、DS 7クロスバックに接して、ぼくもついに新しいブランドが登場したという思いを強くした。

長距離旅行を念頭にクルマを開発するフランスだけある。プジョーシトロエンは、いまやグローバルブランドだが、乗員を安全に遠くまで送り届けるクルマを作る、という思想性がDS 7クロスバックからはしっかり感じとれる。

それに、いたるところがキラキラしていて、なんとなく楽しいので、誰を乗せるにしても、もてなし感もしっかりある。

クルマのブランドに寄りかかるのでなく、あえてこのプロダクトを選んだというオーナーの主張もどこかで感じさせる。それこそ今の時代に必要なスタイルのある生活につながる気が、ぼくはするのだ。

価格は、「So Chic」(2リッターディーゼルのみ)が469万9000円。「Grand Chic」の1.6リッターガソリン車が542万円、2.0リッターディーゼル車が562万円だ。

エントリーグレードの「So Chic」の内装はゴールドの糸を使って美しく仕上げたファブリック張りのシートを持つ「BASTILLE(バスティーユ)」仕様のみ。ホイールは18インチで、アクティブスキャンサスペンションやコネクテッドパイロットなどwをd標準で装備する。

上級グレードの「Grand Chic」は「So Chic」の装備にくわえて20インチホイール、FocalのHiFiスピーカー、レザーシートにアナログ時計などを与えた「RIVOLI(リヴォリ)」仕様の内装が標準。さらに、セミアニリン加工のレザーシートなどを持つ「OPERA(オペラ)」仕様がオプションで選べる。

ライバルとして名前が挙がっているのは「メルセデス・ベンツGLA」(406万円)、「BMW X1」(420万円~)や「X2」(436万円~)。どれも前輪駆動と4WDがラインナップされている。「アウディQ3 」もリストに入っているそうだが、1.4ではややカテゴリーが異なるとしたら、「2.0TFSI quattro」(469万円)だろうか。

ドイツのライバルに対して、「DS 7クロスバック」はシートの細かい調節機能もあり、乗り心地がよく快適。かつ安全装備を含めて、ほぼフル装備。それで400万円台の車種もあるという点で評価したい。

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(GQ JAPAN 小川フミオ)

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みんなのコメント

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  • kan*****|2018/07/30 22:33

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    デザインがなんか妙に日本車っぽい。
    日本車のデザインが欧州車並みになってきたってこと…じゃないよね?
  • lov*****|2018/07/30 22:55

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    表題通りにセンスある車はいずこ...
    今や廃棄物の塊=環境破壊車しかない。
  • lar*****|2018/08/07 14:47

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    外観は〇〇みたいの詰め合わせで最近の中国車を見てるよう。
    コンパクトクラスでは善戦してるフランス車も大きく重くなると、らしさを出すのが難しいのかな。
    MINI Countrymanやディフェンダー,先代Gクラスなんかちょっと手加えてフランス車のエンブレム付けりゃ
    フランス車に見えなくもないデザインの車はあるんだから、レトロモダンとか無骨さとか粋なデザインと
    懐の深い足回りをフランス車の真骨頂と知って、中国やインドの手に落ちる前に取り戻してもらいたい。

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