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大人とヤンチャがほどよく混ざった新型MINIのホットハッチ──ジョン・クーパー・ワークスを味わう

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大人とヤンチャがほどよく混ざった新型MINIのホットハッチ──ジョン・クーパー・ワークスを味わう

2018年5月、2014年にデビューした現行型3代目ミニがマイナーチェンジした。それに伴い高性能バージョンのジョン・クーパー・ワークスも改良を受けた。

そもそもジョン・クーパーとは、1950年代のF1マシンなどを手がけたイギリスのレーシングカー・コンストラクターの創業者の名だ。1960年代には、当時のミニをベースとした高性能版のミニクーパーを生み出し、モンテカルロラリーで3度の総合優勝を飾るなど、クーパーの名前は伝説となった。

MINI 5ドアは、やっぱり大人のクルマだ!

それがいまも「クーパー」「クーパーS」そして「ジョン・クーパー・ワークス(JCW)」とミニのモデル名として受け継がれている。ちなみにJCWの開発にはジョン・クーパー氏の息子であるマイク・クーパー氏がコンサルタントとして携わってきたというから、まさに直系モデルといえるものだ。現在、最上位グレードであるJCWは、3ドアをはじめ、コンバーチブル、クラブマン、クロスオーバーの4モデルに設定されている。

今回のマイナーチェンジで、エクステリアでは丸型のヘッドライト内部にLEDのデイライトランニングライトが標準装備となった。見た目としてもいいアクセントになっており、昼間でも丸い目がより強調される。テールライトには、ユニオンジャックのモチーフを取り入れ個性的なデザインになった。

インテリアのデザインは基本的に従来モデルを踏襲するが、ドライバーの真正面にあるスピードメーター右脇のガソリン残量計が液晶タイプになった。また後述するがトランスミッションの変更に伴ってシフトレバーのデザインが変更された。ドライビングモードは、シフトの根元にあるリングを左右に回してスポーツ/ミッド/グリーンを選択する方式だったが、インパネ右端にあるトグルスイッチで操作するようになった。従来のものよりも使い勝手が良くなったと感じた。さらに今どきのコネクテッド機能も強化されており、オプションながらドライバーズサポートデスクやアップルのCarPlayなども備えていた。

最大の改良点はトランスミッションだ。これまでの6速ATが8速ATになった。2リッター・ターボエンジンの出力は、231ps/320Nmと従来モデルからの数値の変更はない。剛性感、ホールド感ともに優れた専用のスポーツシートに腰掛け、ミッドモードで走り出す。8速になったATは、小気味良くシフトアップしていく。18インチ40扁平のピレリP7タイヤは、いささかノイジーだが、しかし、乗り心地は従来モデルよりも角がとれたようにしなやかになった。

スポーツモードに入れ、マニュアルモードに切り替えてアクセルペダルを踏み込むと、エグゾーストとともに気持ちも高鳴る。ステアリングに備わるシフトパドルを駆使するのもいいが、個人的には加減速時の体の動きに合った、ダウンシフトでは奥に、アップでは手前に引くタイプのシフトパターンが好みなこともあって、街中ではリズムを取るようにシフトレバーを操作していた。8速AT用の新しいシフトレバーのデザインは、見慣れないせいもあってスポーティさに欠けるような気もするが、操作感は良好だった。

ワインディングでコーナーに差し掛かりアクセルを戻すとツインエグゾーストパイプからゴロゴロとバックファイアの音が聞こえてくる。今どき風ではないのかもしれないけれど、クルマ好きの心をくすぐるこういうちょっとした演出がうまい。専用のアロイホイールから覗く真っ赤なブレンボ製ブレーキの効きも絶大だ。

ミニはいまや派生モデルも増え、サイズも大型化した。JCWももはや性能的にも価格的にもホットハッチというよりは、もう少し高級なクルマになった。それでもあらためて3ドアモデルにはミニらしさが色濃く残っていると感じた。そして最新のJCWでは、かつてのクーパー氏が生み出したちょっとヤンチャな“ゴーカートフィーリング”と現代的な快適性とがうまくバランスされていると思うのだ。

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