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業界ニュース 2018.7.29

ミニカーを改造して販売すると訴えられる!? ミニカー改造はどこまで許されるのか

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ミニカーの楽しみかたは人によってさまざまです。新製品をもれなくチェックしたり、レア物や絶版品探しなど、それぞれテーマを持って趣味活動を行っていることでしょう。なかには、塗装の剥げたミニカーの色を塗り直してレストアをしたり、あるいはパテでエアロパーツをつくるなど、改造を楽しんでいるファンもいます。プラモデル製作などが好きなクルマ好きにとって、ミニカーをベースにしたプチ改造は気軽に取り組めるのが最大のメリット。そして完成したミニカーは世界でひとつの作品になり、量産品ミニカーとは違う愛着が生まれます。

ミニカーの改造は違法なのか?

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しかし、そんなミニカー改造について、すべてのメーカーが快く思っているわけではありません。むしろ改造を認めているメーカーは少数派で、多くのメーカーは改造したミニカーを善しとしていません。特に元の製品に独自の彩色や装飾を施した二次加工品の販売については、厳しい姿勢で望んでいる場合があります。

改造を認めているのは、アメリカのマテル社が製造する「ホットウィール」です。オフィシャルイベントとしてホットウィールのカスタムコンテストが世界中で開催されるなど、自由な雰囲気に溢れたブランドといえるでしょう。世界中のクリエーターが創造性に富んだ作品を製作していて、熱狂的なファンを生み出しています。

一方、高品質なミニカーで知られるドイツの「ミニチャンプス」は、第三者が許可なく改造したモデルの提供を認めていません。そのため、同社のホームページ上では不正改造されたモデルを写真入りで紹介しているほど。例えば、ホイールを履き替えてローダウンさせたドレスアップカー、タバコロゴを貼付したレースカー、さらに別々の製品を組み合わせたセット品など、さまざまな形態があります。

これらの二次加工品は、メーカーが多くの時間と費用をかけて開発した製品を改変したものであり、元の製品と同じ品質に達していないものがほとんど。逆にクオリティの高い二次加工品の場合は、ユーザーが正規の特注品と勘違いして買ってしまうおそれがあります。メーカーがこのようなモデルを許していると、いずれは精巧につくられたコピー品が蔓延することにつながり、結果的に自身のブランドを傷つけることになります。そのため、メーカーは二次加工品に目を光らせているのです。

この問題点は、実車の世界に置き換えると理解しやすくなります。例えばポルシェやフェラーリなどをドレスアップしたり、より高性能化しているチューナーの車両には、必ずそのチューナー独自のエンブレムが装着されています。なぜなら、それらの車両はポルシェやフェラーリが正式に認可したものではなく、エンブレムをそのまま付けて販売すると訴えられるため。それはミニカーの世界も同じで、不正改造した製品を元のブランド名のまま販売するのは法律的に問題があるのです。

トミカの改造は子どもを危険にさらすリスクも

トミカを発売するタカラトミーの場合は、ホームページ上で「トミカ 二次加工品に関するご注意とお願い」というページを設け、二次加工品の製造・販売行為に対する違法性について触れるとともに、必要な法的措置を講じていくと主張しています。トミカの二次加工品には高度な加工を施したものがあるため、パッケージに「トミカ」のロゴがないことを除けば、特注トミカと勘違いしそうなものも数多く存在します。

さらにトミカの場合は、ミニチャンプスなどのコレクター向け製品とは異なる問題も発生します。それは、改造により子どもへの被害につながるという一面です。コレクター向けミニカーの多くは対象年齢14才以上であるのに対し、トミカの対象年齢は3才以上。実際にはそれ以下の子どもたちが触れる機会も多いため、子どもが安心して遊べるよう突起物がないボディ形状にしたり、剥げにくい塗装などが施されています。そのため、トミカの塗装を剥離して再塗装を行うと、ちょっとした不注意で簡単に剥げてしまうことがあります。また、再塗装のためボディとシャシーを止めるカシメを外すと必要な強度が得られなくなり、けがをする危険性もあります。

もちろん、決して安価はない二次加工品トミカを子どもに与えることはほぼないでしょう。しかし、小さい子どもがいる家庭の場合、大人が隠しておいたトミカを子どもがうっかり手にとって遊んでしまうことが考えられます。筆者も以前、自分の部屋に保管していた黒箱トミカの「ニッサン セドリック ワゴン 日本道路公団」のパッケージを息子に破られ、卒倒しそうになりました。このような事例もあるため、二次加工品トミカが原因で子どもの安全が損なわれるリスクは皆無とはいえないのです。

子どもの自由な発想は誰にも止められない

では、筆者は昔からミニカーの改造などをしない純粋なコレクターだったのかといえば、決してそうではありません。子どもの頃はトミカやマジョレット、大人になってからは1/43ミニカー用のトランスキットなどを利用して、いろいろな改造を繰り返してきました。

このボロボロのミニカーは、筆者が小学生時代にトミカの「ニッサン セドリック ワゴン」をベースに改造したもの。左側は当時、C31型の日産ローレルに設定されていたマルーンとシルバーのツートーンカラーが大好きで思わず塗ってしまった塗り替え品。右側はトミカの「ニッサン セドリック ワゴン パトロールカー」の屋根を無理やりカットして、セダンボディに改造したものです。小学生当時はパテやプラバンを使うという発想がなかったため、紙でトランクリッドを自作したり、カットしたワゴンのDピラーをCピラーとして接着するなど、荒削りすぎる内容です。

こちらは、やはりトミカをベースにした自作のパトロールカー。当時放送されていたテレビ番組「西部警察」に強い影響を受け、手持ちのトミカを手当たり次第パトロールカーに改造していたのです。ちなみに屋根の回転灯は、プラモデルのクリアパーツのランナーをカットして作ったものです。

こちらは色を塗り替えたものから屋根を無理やりカットした自作オープンカーまで何でもありの作品です。どぎついボディカラーは、当時発売された油性ペンの「三菱鉛筆 ペイントマーカー」を愛用していたため。それにしても、なぜトヨタ・センチュリーをゴールド一色に塗ってしまったのでしょうか。今となっては苦笑するしかありません。

ミニカーの改造を自由に楽しむには

これらの改造作品はいわば子どものお遊びですが、トミカのライトやグリル部分に色差しをした経験のある人は少なくないでしょう。その根底にあるのはリアリティの追求やオリジナル品をつくりたいという強い欲求です。それさえもグレーゾーンというのであれば、筆者は小学生時代から違法行為を繰り返していたことになりますし、もしそんな不自由な状況であったなら、きっとトミカもクルマも嫌いになっていたことでしょう。現在、筆者が父親としてわが子にトミカを自然に与えているのは、かつて自分がトミカで自由に遊んでいた楽しい思い出が根底にあるからです。

メーカー側からすれば厄介な存在といえるミニカーの改造。しかし、ファンからすれば手軽に楽しめるものづくりのひとつであることに変わりありません。メーカーが主に問題視しているのは、自社製品を不正改造して販売する行為であり、製造・販売を目的としない趣味の改造においては、基本的に制限を受ける理由はないと考えます。もちろん前述のトミカのように、子どもが誤って遊んでしまうことでけがや事故につながるリスクは考慮しなければなりません。そのため、自己責任のもとで改造を行ったミニカーについては、たとえ何らかの問題が生じたとしても、メーカーに対して一切の補償を求めないという姿勢で望む必要があります。

ミニカーの改造は、二次加工品を販売目的で製造するのでない限り、個人が自由に楽しめるものであって欲しいと思います。

[ライター・画像/北沢剛司]

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(CL 北沢 剛司)

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