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メルセデス・ベンツ Gクラスで駆け抜けろ!──信州・白馬で新旧2台を乗り比べ

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メルセデス・ベンツ Gクラスで駆け抜けろ!──信州・白馬で新旧2台を乗り比べ

メルセデス・ベンツの新旧Gクラスの比較試乗と、アウトドアのアクティヴィティを信州・白馬で体験できる1泊2日の「Private G Activity in HAKUBA」というイベントが、8月に3回、9月に1回実施される。いずれも土日を使ってのものだけれど、一般の募集が7月31日までなので、ご興味のあるかたは急ぎ、こんなの読んでる場合じゃないです、「Private G Activity in HAKUBA」までアクセスされたい。

Gクラスの新旧比較もさることながら、アクティヴィティに注目だ。SUP(スタンドアップパドル)とMTB(マウンテンバイク)の2種類があって、どちらか一方を選ぶ。どちらにもインストラクターがついてくれる。

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土曜日の夕方、現地の集合場所に到着したら白馬岩岳の山頂までGクラスで登ってキャンプ、参加者全員で人気のイタリアンレストラン「LIFE」のシェフが考案したディナーを楽しみ、大自然に囲まれたなか、テントで一泊。翌朝はGクラスで山を降り、アクティヴィティで体を動かし、温泉に入ってそれぞれの帰路につく。

参加費用はひとり4万円(現地までの移動費を除く)で、1組2名以上、最大4名で、1回2組の限定。中学生以下の参加は“不可”となっている。それだけアクティヴィティが本格派なのだ、ととらえることもできるし、主催のメルセデス・ベンツ・ジャパンとしては、なるべく自動車免許をもっているひとに来て欲しい、ということかもしれない。なんせこの企画、持ち出しだそうですから。

で、さる7月13日(金)、先行してプレス向けの試乗会が開かれ、新旧GクラスとMTBの初心者体験コースなるものに参加して来たので、ご参考にされたい。日帰りのショートカット版だったけれど、そのワクワク感はプライスレス。

午前中、新幹線で移動して、午後イチに「THE NORTH FACE GRAVITY HAKUBA」に到着。アウトドア・ブランドのショップ兼カフェでオリエンテーションを受ける。そこからゴンドラ乗り場まで移動するのに、筆者は新型Gに初遭遇した。いや、驚いた。なんせ39年ぶりのモデルチェンジである。

そもそもは1972年に軍用車両として開発に着手され、79年から生産が始まった。最初に採用したのがアルゼンチン軍で、81年のこと。NATOにも制式採用された。そんなコワモテがゲレンデヴァーゲンという愛称で民生用にも発売された。

Geländeとはドイツ語で「土地、山野」、Geländewagenはcross country vehicleを意味する、とウィキペディアにはある。当時のメルセデスはSクラスとミディアム、2種類しかない高級車専業メーカーで、農業とか林業、あるいは鉱業に携わる労働者用と考えられていたクロカン4WDなんてのは持っていなかった。

のちに日本で4WDブームを巻き起こす三菱パジェロの発売が1982年のことで、思い出すなぁ、そういえば、最初に筆者がこの手のクルマに乗ったのはトヨタのランドクルーザー70だった。40系の後継として登場したこれは84年デビューで、トヨタから広報車を借り出したのは85年前後だったと思う。おぼろげな記憶によると、それはディーゼルで、当時のディーゼルは予熱が必要だった。スタートする前に電気を表すジグザグの記号が入ったスイッチを押して、しばし待った、ような気がする。

ギアボックスは当然のようにマニュアルで、エンジンがかかると、長いシフトレバーもステアリングもぶるぶる震えた。走り出しはめちゃくちゃ遅くて、1速ギアが低かったから、すぐに2速に入れる必要があった。足まわりは前後リーフ/リジッドで、トラックなんだ、これは、と思った。でもって、街を走っていると、なんだか知らないけれど、対向車のドライバーが軽く右手をあげる。そんなことは初めての経験だった。ランクルの愛好家のあいだで、あいさつが交わされていたのだ。

SUVという単語が現れる以前、もっと少数派の日産パトロールでも同じことが行われていたのか不明ながら、ランクルのドライバーは仲間意識が強かった。そのことに気づくと、向こうからやってきたランクルに、あいさつしたものかどうか、自分のクルマじゃないし、でも、あいさつしないと感じ悪いし……。

と昔話にふけっていてもなんですので、新型Gクラスのファースト・インプレッションである。見た目は従来型とそっくりで、乗り込む際も岩山によじ登るが如しである。体力の弱っているかたは乗るだけで大騒動だろう。

インストゥルメント・パネルが全部液晶になっていることは、そう驚くまでもない。Gクラスの内装はこれまで何度もアップデートされてきた。だけど、エンジンをかけてアクセルを踏み込んだ一瞬ぶったまげた。軽く、本当にごく軽くアクセルペダルに右足をのせただけで、まるでアルミボディのSLみたいにスッと走り出したのだ。あら~。

それが最大の驚きだった。走り出すと、またまた驚いた。感心した。39年ぶりのモデルチェンジで、外側のドアハンドルとモール、ウォッシャーのノズル、それにリアのタイヤのカバー以外はすべて一新したというのに、従来型の味がちゃんとする。

21世紀のこの時代、地球上のほとんどがアスファルトで覆われているというに、まして1500万円もする高級車で誰が行く、というのに強固なラダーフレームを残していることに、それは明白に現れている。でもって、フロントはモダンな独立懸架にしたけれど、リアはリジッドのままだ。リア/リジッドということがやっぱり効いているのだろう。

リサーキュレーティング・ボール式から電動機械式ラック&ピニオンになったステアリングは軽く、乗り心地も全体にものすごくよくなっている。前述したように、とりわけゼロ発進時の動きときたら羽が生えたごとくで、まったく別物感がある。170kgも軽量化されているのに、ボディのねじり剛性が55%もアップした、というのもスゴイ。

だけれど、もっとスゴイのは、従来型に較べればかなり薄くなったとはいえ、トラック感をちゃんと残してあることだ、と筆者は思う。微妙にリアが同時に跳ねる感がある。車重がじつは2460kgもあることももちろん影響しているだろう。ラダーフレームをあえて残したのだからしようがない、というか計算通りなのだ。

かくして新型Gには、自動車におけるデオキシリボ核酸、DNAがくっきり刻まれている。ポルシェ911がリア・エンジンと水滴型のフォルムを守り続けているように、ラダーフレームとリアの固定軸、それにあの水滴型とは正反対の四角いバケツ型フォルムを、ほとんど永遠に残す、と機械オタクのドイツ人たちは決意した。筆者はそのことに感動を覚えた。911のごとく、これ以上台数が売れることを求めるより、レジェンドとなる道を選んだのだから。

ゴンドラ乗り場までは4kmほどの道のりで、一般道をコンボイで走っていたら、アッという間に到着してしまった。でもってMTBでの山下りはコワキモチイイという新鮮なおもしろさがあった。

昨年オープンした初級者用の「アルプスダウンヒルコース」、標高差521m、全長6900mを、インストラクターの檀 拓磨氏から適切なアドバイスを受けながら、休み休み、1時間あまりかけて降った。ブレーキは弱くかけっぱなしで、ペダルを地面に対して並行にして立ちっぱなし。立っていれば、体重がペダルにかかるので重心は低く、荷重は前後均等にかかる。サドルに座ると、重心は高く、前後不均等になる。

路面はスキーのモーグルみたいに下りながら山が盛ってある。180度ターンが連続する。カーブは遠心力が使えるように掘ってあるから安心だけれど、ブレーキをうっかり強めにかけると即座にフロントだろうがリアだろうがロックする。リアをうまいことロックさせれば、きれいに方向を変えることができるわけだけれど、ロックするとこける。コーナリングは自動車でも自転車でもむずかしい。

岩岳は標高1272m。景色は北アルプスの絶景である。絶景ということはコワイということである。ガードレールというものはない。見ると、そっちに行くので見ない。絶景は止まって見る。まっすぐ降っていると高原の風が爽快で、マウンテンバイクの楽しさというものを初めて知った。



麓まで戻ると、新旧Gクラスで岩岳の山頂まで山道をゆっくりと登って、ゆっくりと降った。山道はときに未舗装、ときに舗装がしてあった。筆者は、行きは新型のG550の助手席で過ごし、帰りは従来型のG350dのステアリングを握る機会を得た。

オフロードを低速で走るような状況では、新型も従来型もそう変わらない。とりわけ下りだと、エンジンが活躍する場がない。ほとんどアイドリング状態だから、静粛性だって、そう見劣りはしないし、乗り心地だって路面が凸凹だから凸凹揺すられる。

従来型には従来型の魅力があって、ステアリングの重さとか、ある種の野蛮さ、プリミティブさに、登場以来39年、現役でありながらクラシックカーになっていたGクラスの面目躍如たるものがある。

いや、そういうことをいわれたくないから、Gクラスの開発陣は従来型の味わいを残した。おそらく彼らがもっとも意識したのは従来型のオーナーたちだったろう。こんなにフツーに新しくなったんじゃあ、オレはいらない、と思われるようなことがあれば、せっかく生まれた神話が崩壊してしまう。

とまれ、日本市場における新型の今年の分は発売前に売り切っていたそうだし、ディーゼルに関しては、1080万円の従来型が少なくとも1年間は併売される。であるので、いまからできることはすぐに新型の注文を入れ、先代G350dをお求めになって、新型の納車まで味わうことである。

時間はたっぷりある。問題は愛着がわいちゃって、手放せなくなることかもしれないけれど、その場合は新型を売り飛ばす。たぶん絶対に損はしない。だけど、新型もきっと気に入っちゃうんですな、これが。いやはや、お金持ちの悩みもつきませんね。

【INFORMATION】
Private G Activity in HAKUBA
応募はこちら

■応募期間
2018年7月31日(火)24:00まで(8月開催分は応募受付終了しました)
■開催日時
8月4日(土)~5日(日)※アクティビティはSUP体験(応募受付終了しました)
8月11日(土)~12日(日)※アクティビティはMTB体験(応募受付終了しました)
8月18日(土)~19日(日)※アクティビティはSUP体験(応募受付終了しました)
9月8日(土)~9日(日)※アクティビティはMTB体験
■参加費用
4万円(1泊2食付 1名料金)
■募集人数
各回2組(1組最大4名・中学生以下の参加不可)

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