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業界ニュース 2018.7.26

トヨタ、「スープラ」試作車の走行を「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で初披露

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トヨタは、2018年7月12日~15日に英国・グッドウッドで開催された「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」(Goodwood Festival of Speed)に参加し、開発中の「スープラ」の試作車を走行させた。公の場での走行は初めてで、「スープラ」のアイデンティティである直列6気筒のサウンドが会場内に響き渡ると、多くのファンがその走りに注目した。

「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」は今年、25周年を迎えたモータースポーツイベント。世界各国のレーシングカーやオートバイなどが走行し、毎年約20万人のファンが集まることで知られている。開発責任者の多田哲哉と、ニュルブルクリンク24時間耐久レースにも出場経験のあるテストドライバー、ヘルヴィッヒ・ダーネンスが運転する「スープラ」の試作車は、グッドウッドで最も注目される「ヒルクライム」で1.9kmの坂道を走行した。

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ステアリングを握った多田は、「スープラのエンジニアとして、どういう運転をすればいい音が出るか一番良く知っています。アクセルオフとブレーキングとの組み合わせで異なる音が出るようになっており、色々な音を楽しんでいただけたと思います。直列6気筒エンジンはバランスの良いエンジンで、その特性を活かすドライブフィールにもこだわっています。ドライバーの感性に訴えるクルマとして、みなさまにお届けできることを楽しみにしています」と語った。


トヨタの歴史において長らくフラッグシップスポーツカーとして親しまれてきた「スープラ」は2002年に生産を中止したが、今年3月、ジュネーブ国際自動車ショーでレーシング仕様のコンセプトモデル「GR Supra Racing Concept」として復活。伝統を受け継ぎ直列6気筒エンジンとFRレイアウトを採用した「スープラ」は、来年前半より順次、世界各国で販売される予定だ。


■チーフエンジニア インタビュー

グッドウッドで、多田チーフエンジニアが「スープラ」試作車の走行について語った。(聞き手:英国トヨタ広報 ジェームズ・クラーク)

Q:「スープラ」の開発にどのくらいの期間携わっていますか。

多田:2012年からなので、ほぼ6年です。長いですね。通常の開発サイクルは3年ですが、このプロジェクトは絶対に成功しなければならなかったため、時間をかけました。

Q:長い開発期間を経て、グッドウッドでプロトタイプを走らせたお気持ちは。

多田:ここまで来られて、非常に嬉しい。ただそれだけです。このクルマを英国でお披露目することができて、人生最良の日です。グッドウッドのヒルクライムコースを運転したのは、とてもエキサイティングな経験でした。

Q:(過去に担当した)「GT86」について以前、「パッション・プロジェクト」と紹介されました。「スープラ」のプロジェクトも同じような感覚だったのでしょうか。

多田:もちろんです。たくさんの情熱が詰まっています。「GT86」が出る前、トヨタは長い間スポーツカーをつくってこなかったので、キャッチアップすることが多くありました。しかし、「スープラ」の開発では「GT86」での経験があったので、ずっと高いレベルから始めることができました。

Q:「GT86」のお兄さんのようなクルマを生み出そうとしましたか。

多田:(豊田)章男さんは、会社として、「GT86」を次男とする3兄弟を出したいと常に言っていました。なので、「スープラ」を圧倒的に優れたものにしようと考えました。例えば、「GT86」は非常に重心が低いのですが、「スープラ」ではさらに低くし、ボディ剛性は「GT86」の2倍を目指しました。実際、カーボンファイバーを使わずに(レクサスの)LFAと同じ剛性レベルを達成したので、より手ごろな価格とすることができそうです。それが最も難しかったですね。
新型「スープラ」はトレッドが広く、ホイールベースが「GT86」より短いことに多くの人が気づき、驚かれたかもしれません。でもこのクルマのホイールベースとトレッドは、明確な比率を念頭において開発しており、私たちが目指していたバランスに到達できたと思っています。
グッドウッドのヒルクライムのスタートを待つ車列の中で、ダーネンス(「スープラ」のテストドライバー)と成功を喜びました。周りにいる多くのスーパーカーに比べ、おそらく私たちのクルマが一番安いだろうと思っていましたが、一番大きな歓声を得ていたように感じました。

Q:新型「スープラ」はハードコアなスープラファンにどう受け入れられると思いますか。

多田:彼らの反応を楽しみにしています。「GT86」を出した時を思い出してみると、「AE86」の一部のオーナーの方々はご自分の車への愛着も強く、なかなか受け入れていただけませんでした。ですから、このクルマでも似たようなことになるかもしれません。単に新車を出すだけでは納得しない、旧世代のハードコアのオーナーたちが存在することは分かっています。それでも私はオープンな姿勢で、歴代「スープラ」へのリスペクトを見せたいと思っています。その代わり彼らには、受け入れるのに少し時間がかかるとしても、新モデルの全てを素直に見てほしいと思います。

Q:これが5世代目の「スープラ」となるので、スープラファンに知ってほしい5つのことを教えていただけますか。

多田:まず初めに、今までの「スープラ」は全て直列6気筒エンジンを搭載していました。新型でももちろん搭載します。2つ目に、歴代「スープラ」は全てFRでした。これも継承します。3つ目は、デザイン。A80(4代目「スープラ」)からヒントを得て、もちろん同じではありませんが、その要素を取り入れたことで、新型をぱっと見て「スープラ」だと分かるデザインにしました。4つ目は、各世代を振り返ると、それぞれの時代で存在感を見せつけてきました。新型でもそれを実現したいと思っています。来年発売されたら、このクラスで一番fun-to-driveなクルマになると信じています。
現在、自動車業界では自動運転や電動化やAIが話題の中心です。規制が厳しくなることで、エモーショナルなクルマをつくることがどんどん難しくなっています。ですから、5つ目としては、新型「スープラ」が純粋なガソリンエンジンによる官能的な音を楽しめる最後のトヨタ車になるのではないかと思っています。以上が私の5つのポイントです。久々の発売となる「スープラ」をみなさんに楽しんでいただきたいと思っています。そして30年後に再会して、どんなにいいクルマだったか話しあえるといいですね。

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(Auto Prove Auto Prove 編集部)

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