■使い勝手やメリットをイメージしにくい、いわゆる「繋がる機能」
今の自動車業界のキーワードは「CASE」だといわれます。Connected(接続/通信)、Autonomous(自動運転)、Shared(共有)、Electric(電動)が、互いに関連性を持ちながら進化しています。
カローラ若返りへ! トヨタ新型「カローラスポーツ」発売 初代コネクティッドカーの繋がるクルマとは?
自動運転、電動、共有は、比較的分かりやすいでしょう。ドライバーを不要にする自動運転の完全な実用化はまだ遠い将来の話ですが、各種の実証実験が行われています。電動については、日産リーフなど、車種は少ないですが電気自動車が市販されています。共有は、単純な形態ではありますが、カーシェアリングがすでに機能しています。
これらの中で実際の使い勝手やメリットをイメージしにくいのが、接続/通信のコネクティッド、いわゆる「繋がる機能」ではないでしょうか。
2018年6月26日に発売されたトヨタの新型クラウンと新型カローラスポーツには、専用通信機能のDCM(Data Communication Module)が標準装着されています。
トヨタが強くアピールしているのは、安全性を高める通信機能を充実させたことです。エアバッグが作動した時に、オペレーターが対応して消防や警察に取り次ぐ機能は、交通量の少ない場所で単独事故を起こした時の安全性を高めます。緊急自動ブレーキやエアバッグなどと同等の高性能な安全装備です。
このほか便利な使い方として、LINEのトーク機能でナビの目的地を設定したり、天気などの情報を得られます。また専任のオペレーターが、ナビの目的地をユーザーに代わって設定する機能などもあります。
これらのコネクティッド機能は、今後進化する自動運転やカーシェアリングを含めた最先端技術の中核に位置付けられます。自動運転やカーシェアリングは、いずれも通信機能が不可欠になるからです。
カローラスポーツの開発者は「DCMを全車が標準装着して通信機能を漏れなく使えることが、ほかの車種(インプレッサスポーツやアクセラスポーツ)とは違う、カローラスポーツの大きなメリットです」と述べています。
しかし「コネクティッドのすべてが必要不可欠な機能か」と問われると、疑問も生じるでしょう。LINEでナビの目的地登録が行える機能などは、ユーザーによってニーズが分かれます。
■現状のコネクティッドはあくまで"器"ができた段階
コネクティッドの現状は、あくまで基本的なシステムを確立させた段階でしょう。器はできましたが、その中身、コンテンツはまだ足りていません。トヨタのコネクティッドの発表会には、ベンチャービジネスの関係者も多く参加しており、トヨタ側が協調を呼びかける場面もありました。コネクティッドの中身は、社外のベンチャービジネスも巻き込んで、今後充実させるわけです。
それは自動車メーカーが、車両の開発、製造、販売、点検などにとどまらず、人やモノの移動全体にビジネスを拡大することも意味しています。今後の過当競争の中で、自動車メーカーが生き残るための多角化ともいえるでしょう。
言い換えれば、これから魅力的なコンテンツを作っていかないと、何も始まりません。「コネクティッドが充実しているから、インプレッサスポーツやアクセラスポーツではなく、カローラスポーツを選ぶ」という話にもなりません。
魅力的なコンテンツをそろえるには、トヨタに限らず、自動車メーカーのアイデアだけでは足りないでしょう。社外との提携が不可欠です。そしてコネクティッドにさまざまなソフトウェアのメニューが用意され、ユーザーが必要なコンテンツをダウンロードするという、スマートフォンに似た状態に至ります。
アイデアの実現は早い者勝ちですから、コネクティッドには、スピードを要するビジネスチャンスが数多くあります。
このあたりを販売会社ではどのように見ているのでしょうか。トヨタ店のセールスマンに尋ねると、「クラウンのお客様は、60歳以上の方が多いです。スマートフォンやメールのようなコミュニケーションツールの使われ方はさまざまで、LINEやFacebookを積極的に活用する人から、メールなどをまったくやらない人までおられます。機器の進歩に付いて行けないお客様がいるのも事実でしょう。
コネクティッドのニーズは、お客様によってバラバラです。その意味でオペレーターのサービスは、メリットが大きいと思います。カーナビの目的地設定など、基本的な操作まで対応してくれるので、コネクティッドを使う難易度が大幅に下がります。そして3年間は無料、その後も定額制なので、何回でも気兼ねなくオペレーターサービスを使えます。この使用頻度も、お客様によって大きく異なるでしょう。繋がりにくいと問題なので、オペレーターの人数は十分にそろえて欲しいです」と言います。
クルマの進歩によって走行性能や燃費が均質化すると、やがて装備で選ばれるようになります。ミニバンや背の高い軽自動車のシートアレンジなどもそのひとつですが、コネクティッドの守備範囲は広く、安全性にまでおよびます。
走行性能や乗り心地といった基本性能を確実に進化させ、車両開発が本末転倒にならないようにしながら、コネクティッドを充実させて欲しいものです。
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