■「ちゃんと売れている」クルマ用灰皿
喫煙人口は年々減少しています。日本たばこ産業の調査によると、喫煙人口の男女別割合は1997(平成9)年度に男性56.1%、女性14.5%だったのが、2007(平成19)年度には男性40.2%、女性12.7%に、2017年度には男性28.2%、女性9.0%となっています。
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かつては車内に灰皿も標準的に装備されていました。インパネから引き出すタイプ、あるいはセンターコンソールやドア部分に内蔵された灰皿がありましたが、現在ではあまり見かけません。オプションとして用意されている灰皿も、その多くはドリンクホルダーに置くボトル型のものです。
タバコに火をつけるための電熱式シガーライターも、かつては多くのクルマで標準装備されていましたが、いまではほとんど見かけなくなり、その存在すら知らない人もいるかもしれません。カー用品メーカーのカーメイト(東京都豊島区)がシガーライター(シガーソケットに差し込むキャップ部分)を販売していますが、これは昔からの商品で、動きはあまりないとのこと。
しかしながら、社外品としての灰皿は、カー用品店などで現在も多数の商品が売られています。前出のカーメイトによると「クルマ用灰皿はちゃんと売れています。標準で灰皿を備えている車種がなくなっているほか、吸える場所が限られるなかで、個人の空間として車内で喫煙される方のニーズがあります」とのこと。また近年はいわゆる加熱式タバコの売り上げが伸びていることもあり、クルマ用灰皿は「市場として面白くなっている」と話します。
■シガーライター標準装備車もまだある! 愛煙家に優しい車種は…?
自動車メーカーは、愛煙家のための装備を現在も用意しているのでしょうか。前述のとおり灰皿については、インパネから引き出すようなタイプはほとんどなくなり、オプションでボトル型の灰皿が用意されている程度です。とはいえ、引き出すタイプの灰皿は、スズキの軽バン「エブリイ」ではオプションとして設定されています。
シガーライターも多くの場合オプションです。軽バンや軽ワゴン、トラックなどに比較的多く設定されていますが、乗用車ではオプションでもあまり見られません。たとえば現在、ホンダの乗用車でディーラーオプションとしてシガーライターが設定されているのはたった1車種。セダンの「グレイス」です。
「昨今は車内で喫煙される方も減っていますが、『グレイス』はユーザーにご年配の方が多く、シガーライターのご要望があることから設定しています」(ホンダ車の純正アクセサリーを販売するホンダアクセス)
他社においても、セダンはシガーライターのオプション設定が比較的多い傾向です。たとえば日産「シルフィ」は現在もシガーライターが標準装備になっています。
では、かつてあった内蔵の灰皿やシガーライターは現在、何になっているのでしょうか。
インパネに灰皿のあった場所は、オープンタイプの小物入れ、あるいは引き出すタイプのグローブボックスなどに、シガーライターを差し込んでいたシガーソケットはおもに、FMトランスミッターなどのアクセサリーへ電源を供給するだけのアクセサリーソケットに変わっています。
これらは耐熱仕様ではありません。カーメイトのシガーライターにも、アクセサリーソケットにシガーライターを挿入するとショートするとの注意書きが。引き出すタイプのグローブボックスも、灰皿だと思ってたばこを入れると焦げる恐れがあります。シガーライターのオプションも多くの場合、アクセサリーソケットをシガーライター用のソケットに交換したうえで取り付けられます。
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