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業界ニュース 2018.7.11

想像を超える腐食状態!ボディレストア後のスバル360と10年にわたる試練の始まり

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以前「人生を変えた1台。少年時代から待ち望んでいた『スバル360』オーナーへの道」という記事を書いたところ、一体どういう経緯で何十年も前の昔のクルマを愛車にしたのかということに興味を持っておられる方が多いのか、評判もよかったようでありがたい話です。

さて、今回はボディレストアに出した愛車のスバル360の続きをについて書きたいと思います。

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ボディレストア後のスバル360

「一日千秋」という言葉がありますが、直せるメカニックが限られている、部品すら満足に供給されていないという昔のクルマ。ディーラーに預ければ数日で部品が届いて修理が完了するという現行のクルマと違い、入手困難な部品の入荷やメカニックのスケジュールなどで、ひとたび入庫すると修理完了まで何日かかるかまったくわからないということもしょっちゅうで…待っている間はそれはもう気の遠くなるような時間を待っているようなものでした。もちろんボディレストアとなれば、納期なんてあってないようなもの。もう完成するまでがまったく先の見えない遠い未来のようにすら思えました。

この当時筆者は自動車部品商の会社に勤務していました。自動車の修理用の部品を始め工具や修理用設備を自動車整備工場に納入するのが仕事なのですが、当然ながらとっくに補給が打ち切られた「自分のクルマの部品」が手に入ることは無く、お客さん(修理工場)にためらいながら、「メーカー在庫なしのバックオーダーで納期未定の返品不可ですが、発注していいですか?」とお伺いを立てて、むすっとしながら「まぁ、ないなら仕方ねぇな取り寄せといてくれ」というやり取りを毎日のようにしている一方で、「客も課長もメーカーバックオーダーと聞いた途端嫌な顔するけど、たとえ納期がわからなくても確実に注文した部品が出てくるのがうらやましい」と何度も思ったものです。

今でこそ、用もないのに行きつけの整備工場に顔出してあーでもない、こーでもないという話を出来るようになりましたが、まだまだ当時はそんな図々しさはありませんでした。そして何の因果か、自分のスバル360を預けた専門店の外注先の鈑金工場が当時の自分の会社の部品の納入先だったため、どこまで進んだのか見に行くにも気が引けるとあって、とにかく待つ事しかできなかった時間はなんとももどかしいものでした。

ボディの状態は思っていた以上に腐食が進んでいた

ご存じの方も多いと思いますが、スバル360は軽量化のためルーフパネルをFRPしています。ループパネルの裏は発泡ウレタンに表皮を貼った内張が貼られていますが、経年変化により表皮がはがれて垂れさがってくるというお約束の状態でした。この時、ガレージプレアデスの社長から「ほぼ純正とまったく同じ質感の表皮が手に入った」というので、その表皮に張り替える事になりました。

一見フロントパネル周りは、純正の塗装が残っていて状態がよさそうにも見えるのですが、フロアは中途半端に青く塗られていて、腐食もかなり進んでいました。

ちなみに、赤や緑やグレーのリード線は筆者の素人配線で後付けしたカーオーディオ用のリード線。今回のレストアではオーディオ用の配線も純正配線と同じ取り回しでまとめようと思っています。

右ドアは腐食が進んでいたため、部品取り車から外したドアに交換したのですが…実は後々大変な苦労をすることになります。この時のレストアから13年後(現在のレストア中)にとんでもない事実が発覚するのです。あの状態でよく10年以上も乗っていたものだと…

筆者が素人鈑金で盛ったパテはいったんサンディングで削り落とします。ちなみに右側のヒンジの後ろ2か所にパテを盛っている形跡がありますが、これは前開きドアのスバル360で、ドアが閉まり切っていない状態で走行して風圧でドアが開いて、リアクォーターにドアがめり込むというスバル360の「お約束の事故」の形跡と思われます。(現存しているスバル360の大半はこの事故を経験していると思われます)

筆者自身も後にこの事故を経験する事になります。それ以外にスバル360特有の事故として、真ん丸のリアフェンダーは見切りが悪く、バックでの車庫入れを何十年もの間繰り返しているうちに必ず何度かぶつけていて、再塗装歴のある車両であれば塗装をはがすと大抵は鈑金補修の痕跡が出てくるそうです。以前他の記事でも書きましたが、現在一般の市場に出ているクラシックカーは何かしら「ワケあり」であると割り切るしかないのです。

左リアクォーターはこのありさま。実はこの当時はまだまだ筆者自身に知識が無く、これがどういう状態なのかいまいち理解できず、とんでもない事になっていたのを知るのは自分でボディレストアを試みようとした10年以上後の事でした。

この頃は筆者自身もまだまだ、クラシックカーのレストアについての知識が浅く、「ボディレストアはこんなもの」と思っていたのですが、ボディパネル全体をパテで埋めてしまうというのは鈑金補修としては本来禁じ手です。断言しますが、ボディパネルをパテだけで直してしまうと必ずパテは割れて剥がれます。

ただし、レストアを請け負った鈑金屋さんの名誉のために言いますと、まだ当時は本格的なクラシックカーのレストアのノウハウというのも確立しておらず、クラシックカーのレストアに対応できる工場も限られていました。そもそも、スバル360もこの当時はまだ「たった30年前の軽自動車」にすぎず、わざわざハンマーの叩き出して鋼鈑の切り継ぎをしてまで直すようなクルマでもありませんでした。

この時の鈑金屋さんはまだ開業して日が浅く、クラシックカーの全塗装の経験自体が少ないため、お互い「こんなものでいいだろう」で済ませてしまいました。現在では経験も豊富で、フェラーリやポルシェのヴィンテージモデルの鈑金によるレストアにも対応できるまでになっていると聞きます。

再塗装が終わり、元請けの専門店に戻ってきた直後、フロントフード内のパネルは予算と納期の都合で「新車当時の塗装が残っている」という理由でそのままにしてもらったのですが、レストアをするなら余計なことを考えず、エンジンも降ろして足回りも外して完全にモノコックだけの状態にして塗装もすべてサンディングして地金の状態にしてから直さないと意味がいないと思い知るのはこれから10年以上後の事でした。

購入から約3年後…

待つ事約4ヵ月、購入から約3年が経とうとしていたちょうど桜の咲く時期に戻ってきました。これから、オフラインミーティングに、ツーリングに、イベントにと思っていたのですが…

「部品取りのドアを付けたせいなのか運転席のドアの閉まりが悪いんだよね…」

たしかに、運転席側のドアがどういうわけか異常なまでに立て付けが悪く、いくらドアキャッチを調整してもキャッチとラチェットロックがうまくかみ合わず、半ドアにすらならないという症状が…。かといってボディ全体を見てもモノコックを歪ますような大事故を過去に起こしたとも思えず、とりあえず個体差による部品の相性ではないかということで、折を見てヒンジにスペーサーを噛ませる等でドアの固定位置を調整し(調整はアフターケア扱い)当分はこの状態で様子をみようということになったのです。しかし実はこの「ドアの立て付けの悪さ」もまたとんでもない所に原因があったことが判明するのも、13年後のDIYレストアにとりかかった時の事でした。

このボディレストアが終わり、順風満帆なクラシックカーライフを再開できると思っていた2002年、早くも数ヵ月後には暗雲立ち込めるトラブルの連続に見舞われることになり、それこそが10年にわたる試練の始まりでもありました。

以前、あるスバル360オーナーから聞いた「クラシックカーは実は購入直後よりも、購入してから数年後が一番苦労する」という話を身をもって経験する事になります。その後についてはまた別の機会にお話ししようと思います。

[ライター・カメラ/鈴木修一郎]

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(CL 鈴木 修一郎)

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みんなのコメント

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  • cha*****|2018/07/11 08:57

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    ボディ修理はその時代のやり方とか、そのクルマの当時の価値観とか、オーナーや業者の判断とかで、
    今見ると手抜きと思われる事もありますが、中古車のその後の使用年数を考えるとパテ盛りも妥当なのかなと思います。
    うちの2CVも酷い物ですが、修理後何十年も乗られるとは修理した業者もその時のオーナーも思わなかったんでしょう。
    サビてボロボロの上に薄いステンレス板を溶接して、その上にパテを盛ってあるんです。
    一件綺麗ですが、そのうち錆が進行してステン板が浮き上がって、そうなる頃には下地の鉄板は無くなっているという。。
    鉄板にステンレスを付けると電位差で鉄板の錆が進行しますが、昔はこんな補修も一般的だった様ですね。
  • mih*****|2018/07/11 07:36

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    何故、「私」をわざわざ「筆者」と書くのですか?
  • aba*****|2018/07/11 12:31

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    イタリアから取り寄せたチンクチェントをレストアしたら、板金の形跡があってパテの代わりに泥が埋め込められてたという話を聞いたことがあります。さすがイタリアならではのアバウトさ加減。

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