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業界ニュース 2018.6.30

中国で国外メーカーがクルマを生産販売するには? 巨大市場の現状と変わる参入ルール

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巨大なパイのこれまで

 中国で2017年に販売された新車は約2888万台。2位のアメリカ(同1723万台)とは1100万台以上もの差をつけてのダントツ1位、9年連続の世界一です(3位は日本で同523.4万台)。

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 中国では1980年代半ばにジープやフォルクスワーゲン、プジョーなどの参入以降、国外メーカーが続々と中国メーカーと提携して現地生産をはじめ、2000(平成12)年以降、急激な勢いでモータリゼーションが拡大してきました。2000年の新車販売台数は約210万台でしたが、2013年に約10倍となり2100万台を突破、2020年には3000万台を超えるとみられています。台数も凄まじいですが、中国メーカーの技術も世界最先端レベルに進化しつつあります。

 このように、短期間で世界一となった中国の自動車市場には、外資自動車メーカーとの合弁会社が深く関わっています。

 外国資本の自動車メーカーが中国国内で自動車を生産する場合は、中国メーカーとの合弁会社を作ることがマストです。またこれまで、合弁相手会社は2社までに決められており、外資メーカーの出資は50%以下という決まりもありました(後述)。

 日本の自動車メーカーで最も早く中国で操業を開始したのはダイハツで、1980年代半ばにフォルクスワーゲンやAMC(当時JEEPを作っていたアメリカの自動車メーカー。後にクライスラーに吸収)が中国で生産を開始した時期とほぼ同じです。「ダイハツ=軽自動車」のイメージが強いので中国に一番乗りしたのは少し意外な感じもしますが、中国で最初に生産された「華利」(ダイハツ「ハイゼット」)、それに続く「夏利」(同「シャレード」)は大変人気のある車でした。その後、ダイハツはトヨタ自動車が中国に進出する際につなぎ役となり、合弁会社設立に大きく貢献しました。

マツダ「CX-4」をはじめとする、「中国専用車」とは?

 中国には合弁会社で生産される「中国専用車」なるものが存在します。これは、「中国ユーザーのニーズに応じた中国独特の仕様になっているクルマ」のことで近年はSUVが増えています。また、中国ではロングホイールベースモデル(通称「Lモデル」)の人気が高いため、メルセデス・ベンツやBMW、アウディなども本国で販売されるクルマの「Lモデル」を数多くラインナップしています。

 日本メーカーの主な中国専用車は、マツダ「CX-4」、日産「ティーダ」、トヨタ「レイツ」「プレヴィア」「ヴィオス」「レビン」、ホンダ「アヴァンシア」「ジエニア」「スピリア」「クライダー」などがあります。「ティーダ」「レビン」「アヴァンシア」など、懐かしい名前のクルマも中国では現役です。

 このように、中国で販売される日本車の多くは中国で生産されていますが、日本からの「輸入車」も少なからず販売されています。マツダ「MX-5(マツダ・ロードスター)」、同「MX-5RF」、ホンダ「NSX」、日産「インフィニティ」、レクサスなど高級車が中心です。

 また、現地生産をしていないスバルもすべて日本から輸入しています。中国では、輸入車には高い関税(25%)をはじめ、排気量に応じた課税などがあり、それらを合計すると日本で販売される2倍以上の価格となる車もあります。たとえば「NSX」の中国での価格は、一説によると5000万円ともいわれています。

スバルが合弁会社を作らない理由は?

 なぜスバルは中国で合弁会社を作らないのでしょうか。スバルに聞いてみました。

「中国でスバル車に乗りたいという方はクルマの本質価値(走行性能、安全性能、機能性)を重視する方が多いですね。SUV人気の国ですから、『フォレスター』が販売の約6割を占めています(グローバルでは約3割)。当社は中国での生産は行っていないので、中国国内で販売されるスバル車はすべて日本からの輸入です。価格も高くなりますが、『100%日本で生産されている車』『完全なる日本車』というその品質に価値を見出してくださる方に支持されています」(スバル)

 高くても「日本で生産されていること」に価値を見出しているということなのでしょうね。

 なお、2018年4月から5月にかけ、中国政府から外資メーカーの自動車に関する発表が相次ぎました。

 まずは4月に発表された「自動車生産の外資規制廃止」ですが、これによって外資メーカーが中国合弁会社に50%を超えて出資できるようになり、経営権を握ることも可能となります。また、現在は合弁相手を2社までに制限していますがこの規制もなくなります。さらに、5月には輸入乗用車に関する関税の引き下げが発表され、2018年7月より25%から15%にダウン。

 日本の自動車メーカーにとってはいずれも追い風となりそうです。

中国国外メーカーと中国メーカーによるおもな合弁会社など

 中国国外のメーカーと中国メーカーによる、おもな合弁会社や合弁事業などを以下にまとめてみました。

●中国国外メーカー(カッコ内は中国語表記)/中国メーカーによる、おもな合弁会社や合弁事業
・トヨタ自動車(豊田)/第一汽車:一汽豊田
・トヨタ自動車(豊田)/広州汽車:広汽豊田
・日産自動車(日産)/東風汽車:東風日産
・日産自動車(日産)/東風汽車:鄭州日産
・ホンダ(本田)/広州汽車:広汽本田
・ホンダ(本田)/東風汽車:東風本田
・マツダ(馬自達)/第一汽車:一汽馬自達
・マツダ(馬自達)/長安汽車:長安馬自達
・スズキ(鈴木)/長安汽車:長安鈴木
・三菱自動車(三菱)/広州自動車:広汽三菱
・ダイムラー(戴姆勒)/比亜迪汽車(BYD):騰勢(EV)を共同開発(※)
・フォルクスワーゲン(大衆)/第一汽車:一汽大衆
・フォルクスワーゲン(大衆)/上海汽車:上海大衆
・BMW(宝馬)/長城汽車:MINIのEVを2019年以降中国で生産か
・BMW(宝馬)/華晨汽車:華晨宝馬(※)
・メルセデス・ベンツ(梅賽徳斯-奔馳)/北京汽車:北京奔馳(※)
・メルセデス・ベンツ(梅賽徳斯-奔馳)/福建省汽車:福建奔馳(※)
・フォード(福特)/長安汽車:長安福特
・GM(通用)/上海汽車:上汽通用
・GM(通用)/上海汽車:上汽通用五菱
・PSA(プジョー:標致、シトロエン:雪鉄龍)/東風汽車:神龍汽車
・PSA(プジョー:標致、シトロエン:雪鉄龍)/長安汽車:長安標致
・PSA(プジョー:標致、シトロエン:雪鉄龍)/長安汽車:長安雪鉄龍
・ボルボ(沃爾沃)/浙江吉利控股集団(GEELY):2010年よりボルボはGEELYの傘下
・FCA(菲克)/広州汽車:広汽菲亜特克莱斯勒
・ジャガー・ランドローバー(捷豹路虎)/奇瑞汽車:奇瑞捷豹路虎
・現代/北京汽車:北京現代
・起亜/東風汽車:東風悦達起亜
※…「豊」「騰」「勢」「華」「賽」「馳」「爾」「悦」などはいずれも、正確には簡体字で表記。

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(乗りものニュース 加藤久美子(自動車ライター))

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