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業界ニュース 2018.6.30

新型フォレスターに搭載のハイブリッド「e-BOXER」はなにがすごい?

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スバルの人気SUVであるフォレスターの新型が、2018年7月に発売になります。今回は、この新型フォレスターのパワートレインの目玉として設定されるハイブリッド「e-BOXER」に注目してみました。多種多様なハイブリッドシステムのなかで、スバルの「e-BOXER」は、どのようなシステムでどんな特徴があるのでしょうか。文・わんわんエンジニア

ハイブリッドには3種類ある

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トヨタのプリウスがハイブリッドシステムを初めて採用して以降、さまざまなシステムが提案、実用化されてきましたが、それらは基本的に3つに分類することができます。
一つは、「パラレル方式」。エンジンとモーターを駆動力として使い分けますが、エンジンが主役で、モーターは補助的な役割。シンプルな構成で、比較的低コストなため、マイルドハイブリッドとして使う場合が多いです。(ホンダ「IMA」、スズキ「S-エネチャージ」など)
二つめは、「シリーズ方式」。エンジンは、モーターの発電用として使い、全域モーターで走行。エンジンの出力を常時電気エネルギーに変換するため、その分、ロスが発生します。(日産の「e-Power」など)
三つめは、「シリーズ・パラレル方式」。パラレルとシリーズの良いところ取りのシステムで、エンジンの出力を発電用と駆動用に使い分け、エンジンとモーターの駆動力を合成して走行します。効率は高いのですが、システムが複雑でコストも高くなります。(プリウス「THS」、新型アコード「i-MMD」など)
現状、これらのシステムに優劣はなく、クルマの車格やコンセプトによって、棲み分けられています。


「e-BOXER」とはどんなシステムなのか?

「e-BOXER」は、スバルのCVT”リニアトロニック”の前に、トルコンバーター付エンジンと、モーターおよび発電機を並列に配置します。モーターは、縦置きCVTのケース内にコンパクトに収められています。これはXVで採用したシステムとほぼ同じで、モーターがエンジンの出力をアシストするパラレル方式です。
CVTの出力軸に設置した2つのクラッチを、運転状況に応じて断続的に制御し、動力源を切り替え、モーターは出力アシストだけでなく、EV走行と停車時発電を可能にしています。
出力構成は、最高出力107kWの2.0L水平対向直噴エンジンと、出力10kW(100V電源)のモーター/発電機の組み合わせ。これを見ると、モーターの出力が小さいと感じる方が多いと思います。
このモーターは、低電圧の小型モーター/発電機で、EV走行といっても働くのは発進と低速走行に限られます。さらに減速時に十分なエネルギー回収もできず、大きなモーター/発電機を搭載するフルハイブリッドのような燃費向上は期待できません。


「e-BOXER」は走り志向のハイブリッド

「e-BOXER」最大の特徴は、燃費よりも走行性能や走破性を重視した”走り志向のハイブリッド”である点です。動力源の切り替え制御が容易なe-BOXERは、スバル独自の「シンメトリカルAWD」とも、相性の良いシステムです。
通常の”燃費志向”のハイブリッドは、エンジンは常時効率の良い燃費最良点で運転し、不足するトルクをモーターでアシストします。
一方e-BOXERは、要求トルクに対してエンジントルクが不足する分を、モータートルクでアシストします。エンジンは、低回転域のトルクが出にくい特性がありますので、これがカバーできると、排気量を大きくしたかのような効果があります。
さらに、モーターは瞬時にトルクを発生するため、加速直後にアシストすることが可能であり、加速レスポンスが向上する効果もあります。
e-BOXERを採用することにより、最近の欧州メーカーの一部モデルで採用されている、電動ターボ(モーターでターボのコンプレッサを回す過給システム)を搭載したエンジンのようなフィーリングになります。言い換えると、電動ターボを使わなくても同様の効果を発揮することができる、というワケです。
シンプルで信頼性が高く、制御しやすいe-BOXERは、走行性能や走破性を重視したスバル流の”走り志向”のハイブリッドなのです。


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文・わんわんエンジニア
某自動車メーカーで30年以上、エンジンの研究開発に携わってきた経験を持ち、古いエンジンはもちろん最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。EVや燃料電池が普及する一方で、ガソリンエンジンの熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きなクルマで、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ること。

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