現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ”バイクでおしゃべり”のプロを育成! 第一回「松下塾」熱血レポート

ここから本文です

”バイクでおしゃべり”のプロを育成! 第一回「松下塾」熱血レポート

掲載 更新
”バイクでおしゃべり”のプロを育成! 第一回「松下塾」熱血レポート

去る2018年6月7日(木) 、神奈川県鎌倉市にてバイク系イベント司会、レースアナウンス・実況・コメンテーターといった、 “モーターサイクルに関わるMC” に興味のある方を対象としたワークショップが開講された。今回は主催目線でのイベントレポートをお届けさせていただきたい。PHOGO●中山 利尚(Nakayama_PHO) REPORT●多聞恵美(TAMON Megumi) 

 モーターサイクル関連のMC(※) 養成・職業としてのバイク系MC周知を目的としたワークショップ「松下塾」がスタートをきった。
 会場は鎌倉のライダーズカフェ・トリプルカフェ。イケてるKAWASAKI車2台が出迎えてくれるフォトジェニック&居心地の良いお店だ。遠方からの参加も想定し、駅近の立地と何より料理の美味しさも決め手だった。
 第一回目の開催は6月7日(木)と平日の昼開催であったが予想を上回る参加者が集まった。このプロジェクトの発起人は故・松下ヨシナリを共通の師とした和田鉄平(MCシモ)と多聞恵美(タモン)、共に現役MCの2人。更に、みし奈昌俊さん、ピエール北川さんがゲスト講師陣として名を連ねている。
 今回はゲスト講師にみし奈さんをお迎えし、それはそれはシビレルお話を聞かせて下さった。それはおいおい後半に置いておくとして(笑)とりあえず先に言えることは、ムーミンとメイクドラマがレジェンドみし奈昌俊を占める重要なワードである、とお伝えしておこう。

ライダー歴約50年の大ベテランは、その安定感にゾッコンです! トリシティ125試乗レポ/ヤマハ

※MC=master of ceremoneiesの略称。司会、番組進行役、コンサートの演奏の合間に演奏者が話をすること・またはその時間


15秒自己紹介から始まる

 講義、とあえて言い切ってしまうが、 “松下塾” はトークショーではなくワークショップである。学びの場を提供したい思いのもとスタートしたプロジェクトなので、講師シモによる開講挨拶の後は早速講義に入った。
 まずは講師助手タモンが進行し、独自に作成した適正チェックシートで自己分析、からの座学としてバイク系MCの基礎知識講座を聞いてもらう。そして参加型の “15秒自己紹介” コンテンツに全員で挑戦してもらった。
 15秒は短いようで長く、けれどきちんと言うべきワードを自分の中で整理出来ていないととても短い時間である。うまく時間内に収められた人、びっくりするぐらいサワリだけで時間切れになった人(笑)、キャラ勝ちな人(これも才能!)、時間には収まったが言葉がスムーズに出なかった人など、まさに十人十色で自身の喋りだけでなく他の塾生さんへの我々講師陣からのアドバイスも皆さんうなづいて聞いていて下さり、きっと何かの気付きを持っていただけのではないかと私は思っている。


ある日のボックス席がきっかけで……

 少し話が逸れる上におじいちゃんのむかし語りばり長くなるが、せっかくの機会なので松下塾発足のキッカケをここでお話させてもらおうと思う。興味のある方はこの段落も読んでいただけるととても嬉しい。
 今から1年以上前のとあるイベント現場からの帰り道。エンジョイminiという4MINIマシン(モンキーやダックス、シャリィなどは4ストミニ=4MINI<ヨンミニ>と呼ばれている)を対象にしたお祭りイベントの、鈴鹿ツインからの帰り道。近鉄急行ボックスシートの中でのことだった。
 実はあまり知られていないかもしれないが2輪専門として活動する我々MCはお互いの存在は十二分に知りつつも、同じステージに立つことは滅多に無い。そんな中、シモとタモンがツインMCとしてお役目を頂けたのは主催者さんの判断は有り難いことこの上ないものだった。
 そんなこんなの帰り道。向かい合ったボックスシートで師匠の思い出話やら裏話やら恨み節やら(苦笑)そこから派生し同世代のMCとこうやって話すことが今まで無かったしそもそもいないよね、と真面目な話へとシフトしていった。その中でシモが「俺はいつか後輩育成もやっていきたい」と言い、私は「私も協力したい」と答えた。クサい言い方をすれば、ここが松下塾の原点だった。


バイク業界ならではのMCの心得

 話を戻して、講義である。というわけで主催の2人には松下ヨシナリという共通の師匠がいたものの基本的には独学だった。そして、自分も教わる人がいなかったと、みし奈先生も言っていた。
 本音の部分では「我々のように昔気質に技術を盗んでみやがれ!」と思う部分もある。けれどその反面「私達のような仕事をやりたいと思う人がいたとしても、そもそもなり方が判らなさすぎるのではないか」とも思っていた。だからこそ「学びたいと思った人が叩ける扉」を用意したい、だからこそ「自分たちが受けたい授業を」というのは絶対だった。

 今回は初回ということもあり、実戦講習というよりもそれぞれの講師からレースMCの心構えや言葉を扱うことへの自分なりのルールなどをお話させて頂く部分に重きを置いていた。講師として教壇に立ったMCシモは「万人に好かれることは難しいかもしれないがレースやイベントのMCとして “嫌われない技術も必要”」と語る。
 
 そしてランチタイムを挟んだ午後一番の特別講義。「レジェンド、みし奈昌俊!」シモのコールに続きマイクを握ったみし奈さんの話が始まった。
 一定の声量で、一定のリズムで、時に間をとりながらひとつ、ひとつ、言葉を紡いでゆく。ほとんどの参加者が順にテーブルに運ばれてくるデザートプレートのアイスクリームが溶け始めても手をつけようとしない。静かな熱狂ともいえるその空間はまるでシグナルが切り替わる直前の高揚感そのものだった。

 とここまで書いきて、あの空間は決して文字には書き起こしきれないものだったのだと、改めてあの場にいられた自分の幸運を噛み締めながら私はキーボードを叩いている。
 一時間の特別講義の枠の中、みし奈さんの発案で急遽 “エア・レース実況” が開講された場面があった。まずシモが指名され実演。そしてレジェンドが“お手本”の教材に選んだのはあの1985年の鈴鹿8耐スタートシーン。目を閉じてその風景を想像する準備をした、そして室内に響いた第一声は背筋を風が吹き上げたように刺激的で……ケニーのエンジンがかかったところで実況が終わったとたん、皆が一斉に深いため息の後に歓声をあげたのだった。

 で、ムーミンとメイクドラマはどこいった、と。根気強くここまでの長丁場にお付き合い下さった読者様には申し訳無いが、やはりこれは私の技術では充分に文字におこしてあの場の空気感ごとお伝えできる自信がない。ということで「何でやねん!」ツッコミをいただくのは多少覚悟の上ながら、是非この私のレポートを読んで少しでも興味を持って下さった方はどこかの機会で是非、松下塾での同じ時間を過ごして頂きたいと切に願っています!だってサーキットでの興奮同様に、実体験に勝るものは無いはずだから!!


■お知らせ■
第二回【松下塾】は同会場にてリクエストの多かった夜開催を試みます。定員20名、応募多数の場合は抽選。講師陣はピエール北川先生も加わりフルメンバー予定!
料金は一般・8500円(1フードプレート、2ドリンク付き)、U29割引_6500円(1フードプレート、1ドリンク付き)、一般早割・7500円(1フードプレート、2ドリンク付き)
実質この回が松下塾一期生のスタートとなり実戦コンテンツが増えテキストの配布も行われる。
応募要項詳細は主催(株)ワックアモールまで。
TEL:045-443-5800 MAIL:asahina_simo@ybb.ne.jp

こんな記事も読まれています

トヨタ、北京モーターショー2024で、バッテリーEVの新型モデル「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開
トヨタ、北京モーターショー2024で、バッテリーEVの新型モデル「bZ3C」「bZ3X」を世界初公開
月刊自家用車WEB
三菱ふそうが「ジャパントラックショー2024」に出展! 新型モデル「スーパーグレート」特別仕様車や新型「eCanter」キャリアカー展示
三菱ふそうが「ジャパントラックショー2024」に出展! 新型モデル「スーパーグレート」特別仕様車や新型「eCanter」キャリアカー展示
くるまのニュース
【バイク版ナビ】「MOTTO GO」プレリリース版が公開!カーナビの名門パイオニアが7月提供予定サービスを先取り体験だ!  
【バイク版ナビ】「MOTTO GO」プレリリース版が公開!カーナビの名門パイオニアが7月提供予定サービスを先取り体験だ!  
モーサイ
「ご当地ほりにし」国内2県で新たな地域限定ラベルが登場!
「ご当地ほりにし」国内2県で新たな地域限定ラベルが登場!
バイクブロス
フィアット500に、1.2Lエンジンを搭載する新グレード「1.2 Dolcevita」を設定
フィアット500に、1.2Lエンジンを搭載する新グレード「1.2 Dolcevita」を設定
月刊自家用車WEB
「アップガレージ青森三沢店」が5/12にプレオープン!
「アップガレージ青森三沢店」が5/12にプレオープン!
バイクブロス
トーヨータイヤ、EV専用を含む小型トラック向けに2種類の新製品
トーヨータイヤ、EV専用を含む小型トラック向けに2種類の新製品
日刊自動車新聞
ついに登場 メルセデス・ベンツ新型「Gクラス」世界初公開! 初の電気駆動Gクラス「G580」は“その場で旋回”できる機能を搭載!?
ついに登場 メルセデス・ベンツ新型「Gクラス」世界初公開! 初の電気駆動Gクラス「G580」は“その場で旋回”できる機能を搭載!?
VAGUE
トヨタ新型「カローラ“クロス”」発表! 「レクサス」級にカッコイイ「斬新フェイス」へ刷新! 新型「コンパクトSUV」約494万円から ブラジルに登場
トヨタ新型「カローラ“クロス”」発表! 「レクサス」級にカッコイイ「斬新フェイス」へ刷新! 新型「コンパクトSUV」約494万円から ブラジルに登場
くるまのニュース
ラウル・フェルナンデス、ヘレステストで最新型アプリリアMotoGPマシン初ライド。直前のスペインGPでは昨年型使用
ラウル・フェルナンデス、ヘレステストで最新型アプリリアMotoGPマシン初ライド。直前のスペインGPでは昨年型使用
motorsport.com 日本版
香りや消臭力を3段階で調整可能!P&Gが車内用の「ファブリーズ」を12年ぶりに改良
香りや消臭力を3段階で調整可能!P&Gが車内用の「ファブリーズ」を12年ぶりに改良
@DIME
海洋マイクロプラスチックを回収するスズキの船外機
海洋マイクロプラスチックを回収するスズキの船外機
バイクのニュース
ランボルギーニPHEV第二弾はウルス!「SE」が見せつけるスーパーSUVとしての格
ランボルギーニPHEV第二弾はウルス!「SE」が見せつけるスーパーSUVとしての格
Webモーターマガジン
三菱 デリカミニ【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
三菱 デリカミニ【1分で読める国産車解説/2024年最新版】
Webモーターマガジン
ミラーとタイヤとホイールをとことん突き詰めたら600kmオーバー! アウディEV史上最長の航続距離を実現するパッケージが登場
ミラーとタイヤとホイールをとことん突き詰めたら600kmオーバー! アウディEV史上最長の航続距離を実現するパッケージが登場
THE EV TIMES
富士スピードウェイ、WEC富士のポスター付き観戦券を4月25日から先行発売
富士スピードウェイ、WEC富士のポスター付き観戦券を4月25日から先行発売
AUTOSPORT web
2500円!? 「高速SAで寝れる」のサイコー! 車内よりも楽!? 宿泊も可能な“多賀”の新ルームとは
2500円!? 「高速SAで寝れる」のサイコー! 車内よりも楽!? 宿泊も可能な“多賀”の新ルームとは
くるまのニュース
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】混雑を避けて移動したい! 道路別・渋滞予測まとめ
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】混雑を避けて移動したい! 道路別・渋滞予測まとめ
くるくら

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

707.41100.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

24.8634.5万円

中古車を検索
レジェンドの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

707.41100.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

24.8634.5万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村