消防車でも「緊急自動車」ではない?
消防車は朱色と決まっています。これは「道路運送車両の保安基準」第231条で「緊急自動車の車体の塗色は、消防自動車にあっては朱色とし、その他の緊急自動車にあっては白色とする」と定められているのです。東京消防庁ウェブサイトによると、その理由には諸説あるものの、フランス、イギリス、スイス、オーストリアなどでも赤色とのことです。
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そのようななか、関西空港には日本でここだけという、黄色い車体の化学消防車が存在します。たとえば、成田空港でも同様の化学消防車が配備されていますが、これも車体は赤いです。関西空港ではなぜ黄色なのでしょうか。同空港を運営する関西エアポート(大阪府泉佐野市)に話を聞きました。
――なぜ空港の化学消防車の車体が黄色いのでしょうか?
関西空港は24時間稼働していることもあり、特に夜間などにおいての視認性を重視し、黄色の塗色としています。
――法規では朱色と決まっていますが、なぜ黄色が可能なのでしょうか?
緊急自動車としての消防車の塗色は朱色ですが、関西空港の化学消防車は空港内での運用のみとしているため、緊急自動車の指定を受けていないのです。そのため黄色い塗色としています。
デカさと性能はピカイチ!
――化学消防車は何台あり、どれほどの性能なのでしょうか?
オーストリア・ローゼンバウアー社製の「パンター」1台と、フランス・Sides社製のもの4台の計5台を運用しています。性能はともに、1分間あたりの水・薬剤放射量6000L、水タンク容量1万2500L、薬液タンク容量800Lで、大差はありません。航空機トラブルや気象条件が悪化した場合など、様々な航空機災害に備えています。
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これら化学消防車は空港所有のものですが、性能はどれほどなのでしょうか。同じく空港を消防エリアとする泉州南広域消防本部の化学消防車でも、大きいもので水・薬剤放射量3000L、水タンク容量2300Lですので、空港の欧州製化学消防車がいかに大型で強力な性能を持っているかがわかります。
関西空港では、この化学消防車を“主役”として、空港島内のいかなる場所へも2分以内に到着し、すぐに消火活動に着手できる体制を整えているそうです。このほか、大型機で多数の乗客に負傷者が発生したことを想定し、医療資機材や、救護所となるテントなどを搭載したフルトレーラー型(大型トラックにさらにトレーラーを連結した全長最大21mの超大型車両)の医療運搬車も珍しい存在とのこと。関空は空港のランクが高いこともあり、積載機材が多くなることから、このような車両が選択されたそうです。
ちなみに、関西エアポートによると、海外では黄色い消防車を採用している空港があるといいます。
※一部修正しました(6月13日18時45分)。
【写真】陸上自衛隊の空港用化学消防車
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