省燃費カーが増えたことで市場規模も縮小傾向
ガソリンスタンドが減っている。それは自動車ユーザーであれば実感していることだろう。明らかに元ガソリンスタンドだったと思える街道沿いの物件が、中古車の買い取り店になっていたり、はたまた飲食店になっていたりするケースを見かけることが、ここ数年増えている。
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実際、平成28年度末でのガソリンスタンドは3万1467店(事業者数は1万5078社)。もっとも多かった平成6年度末の数値が6万421店だったことからすると、ほぼ半減している。そして、このガソリンスタンドが減っていく流れは止まる気配がない。今後も減っていくと予想されているのだ。
その理由について、2011年(平成23年)の消防法改正によりガソリンスタンドの地下に埋められているタンク(40年を超えたもの)の改修が義務付けられたことが主な原因と理解している人もいるだろう。たしかに消防法改正に合わせて一気にガソリンスタンドが廃業したような印象もある。それは、統計の数字にも明らかで、平成24年度末での前年度比はマイナス6.26%となっている(ちなみに平成27年度と平成28年度の増減率はマイナス2.68%)。
しかし、その後も着実にガソリンスタンドの数は減っている。もちろん、タンクの改修ができずに廃業となっているスタンドもあるが、それがすべてではない。下げ止まらないのだ。なお、平成24年度末での店舗数は3万6349店だった。つまり平成28年度末までの5年間で4882店がなくなったわけだ。1日あたりにすると2.6件が消えていることになる。
つまり、ガソリンスタンドに埋設されているタンクの改修問題だけでなく、ガソリンスタンドという業態自体、持続することが難しい状況になっているといえる。根本的な要因として、石油需要が減少していることが挙げられよう。さすがにトップランナーの燃費改善幅は小さくなっているが、いまや日本車はモデルチェンジごとに省燃費となり、またハイブリッドが多数売れている。自ずと、ガソリン需要が減ってしまっているのだ。仮に、あるガソリンスタンドの商圏と保有台数、そして走行距離が変わっていないとして、個々の燃費が改善すれば、売り上げは減ってしまう。
そこに高齢化による免許返納(ユーザー減)というダブルパンチだ。地方によっては一気に需要が減ってしまっている。もともと、ガソリンには多額の税金がかかっているため価格に対する利幅が小さい商品だ。それでいて売り上げが減ってしまっては、ビジネスとして成立しない店舗が出てくるのは当然の話。実際、ガソリン需要は2030年には2010年度の数値に対して6割減の2443万キロリットルになると予想されている。今後、ガソリンスタンドというビジネスが盛り返すと予想するのは難しい。
とはいえ、ガソリンスタンドはインフラとしての側面もあり、ビジネスとして成立しないからといって簡単になくしていいものではないのも事実。民間の努力にゆだねるだけでなく、地方自治体のサポートなども欠かせなくなってくるだろう。一方で、場合によってはエリア全体としてのEVシフトの必要に迫られるケースも予想される。
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