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ユーラシア大陸横断 2.4万kmの旅「走行距離50万kmオーバー」のフォレスターが里帰り

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ユーラシア大陸横断 2.4万kmの旅「走行距離50万kmオーバー」のフォレスターが里帰り

SUBARU車の真の凄さを実証した オランダ人によるグレートジャーニー

高知新聞のWEB版記事などで紹介されるや否や、瞬く間に拡散され話題騒然となったSUBARU車が存在する。50万kmを走破した「フォレスター」だ。 オランダから日本へ里帰りし、最終目的地である群馬矢島工場に到着したオーナーご夫妻を電撃取材した。

「第1回 SUBARUマニア格付け検定」あなたのスバル崇拝度はどれくらい?

地球上でもっともダイナミックなドライブ計画を実行した、オランダのスバリスト、ディルクさんご夫妻の『フォレスター(SF系)』は矢島工場の駐車場で神々しいオーラを放っていました。 それがオランダからの里帰りしたフォレスターと対面した第一印象。正規輸出されているとはいえ、オランダでのSUBARUのシェアは0.3%ほど。”自走で生産工場を訪問し、里帰りをさせる”というSUBARU車に愛情を注ぐオーナーがいるという事実には、驚愕するほかありません。ご夫妻がそれほどまでに強く『SFフォレスター』に惚れ込んだ理由を尋ねると、ふたつの重要なポイントを挙げてくれました。 ひとつは”試乗して気に入った”という極めてシンプルな理由。カナダ旅行に出かけた際、試乗車に乗る機会があり、その時の印象がとてもよかったからというもの。ディルクさんは『SFフォレスター』以外に『シトロエンDS』も所有しており、これまたエンスー度の高いマニアックなクルマを所有するという、相当なマニア。 不肖マリオもオランダのアムステルダムに数日間滞在したことがありますが、オランダには自国の乗用車メーカーはないものの、ドンカーブートなどの小規模なエンスー向けスポーツカーメーカーは存在するなど、かなり成熟したクルマ文化を持つ国です。 フランス車やドイツ車が多く乗られており、欧州人の例にもれず1日に何百kmも高速移動することが日常茶飯事。運転技量が高く、クルマを見る目の肥えた人も多いようですが、そんな国の方がフォレスターに惚れ込んだとは、SUBARUファン以前に日本人として鼻高々になりますね。

「じつは元警察車両で稀少なLPG仕様だった」

『SFフォレスター』に惚れ込んだふたつ目の理由は”性能を実証するテストでの優秀な結果”。 以前、オランダで開催されたトーイングの大会で『SFフォレスター』が優勝したことがあるらしく、レンジローバーなどの大型SUVより極東の小型車が好成績をマークしたことに衝撃を受けたようです。我々も試乗したり安全試験の結果を参考にしてクルマを選ぶわけで、本質的なところでは同じだといえますね。 ちなみに、ディルクさんの『SFフォレスター』は元警察車両。2007年の購入時でも十数万km走破していたのですが、警察車両なら整備がキチンと施されてきたはず。整備履歴も残っていて安心感が高く購入の決め手になったとのことです。 ボディ側面にはアムステルダムのSUBARU販売店の名とラリーカーのようにドライバーの名を記載。

そうして手に入れた『SFフォレスター』は期待以上の性能を発揮し、10年で親子のような絆が構築されたといいます。 そこで、生まれ故郷に帰してあげたいとの思いから、ドイツ→ポーランド→バルト諸国→ロシア→モンゴル→カザフスタン→韓国を経て日本という壮大な旅を実行。しかし、「この子はオランダ育ちで日本語がわからず苦労するだろうから、グンマ(群馬)には置いて帰らずオランダに帰国させることにしました(笑)」と、愛車を手元に置いておきたいという想いが芽生えてしまうなど、愛情のかけ方がスゴイのです。矢島工場に着いた時点でトリップメーターは約53万km。 しかもエンジンやミッションは無交換で、基本的には油脂類や消耗品の交換だけでこの距離に達したといいますから、耐久性の高さに驚愕するほかありません。

エンジンは、LPGが入手できない地域ではガソリンで走るという、LPGハイブリッド仕様。NA2ℓ・SOHCは半年、または5000kmごとのオイル交換を励行してきた。運行前点検は欠かさず励行。オイルチェックは奥さんの担当らしく、手慣れた様子だった。 サスペンションはノーマル。「ジオランダー」の『M/Tタイヤ』を装着して悪路走行に備える。

リアには各地でもらったステッカーがびっしりと!



モンゴルの砂漠などではヘッドライトが飛び石で痛むため自作のガードを用意。リアには旅の途中で貼ったという各地のご当地ステッカーがズラリ。ロシアのスバリストオリジナルのロゴもイカしてます。 また、ゲート部にはドイツでランクルに軽く追突されてできた傷に、相手のサインとハートマークを描くという余裕ぶり。

欧州仕様ならではの装備として、リアバンパーにはトーイング用の電源ソケットを装備。

ミッションは副変速機付き5速MTで、スピーカーなど警察車両装備が取り付けられていた痕跡が随所に。内装には手作りのクッション。六連星マークは欧州でも愛されやすいアイデンティティになっている。 そして、荷物やLPGガスタンク、スペアタイヤなどでフル積載状態のラゲッジ。モンゴルの砂漠ではダンパーを交換したとか。

恵比寿ショールームにも訪問

矢島工場訪問・見学の翌日は、東京・恵比寿ショールームを訪れSUBARUの社員と意見交換。マリオ得意の意味不明なポーズにも気さくに応えてくれた。そして、長年連れ添った愛車は横浜から船でオランダへ帰国。

スバスタ乾さんと清水さんも長旅を労う。『SFフォレスター』の開発に関わった人たちも挨拶に!!

傷や劣化は各部に見られますが、『SFフォレスター』がこんなにも輝いて見えたのは初めてのこと。 1台のクルマを徹底的に使い尽くす格好よさと、それに応えるSUBARU車の凄さを教えていただいたのでした。

(テキスト:マリオ高野) (編集:SUBARUマガジン編集部)

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