■アイドリング状態での「暖機運転」に賛否
暖機運転とは、クルマのエンジンを始動した直後などに低負荷での運転を一定時間行うことをいいます。よく駐車場などでエンジンをかけっ放しにしたまま5~10分程度の間、クルマを停めているのを見かけることがあると思いますが、それも暖機運転のひとつです。
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また走行せず、駐車や停車状態でエンジンをかけている場合をアイドリング状態と言いますが、このアイドリング状態での暖機運転には賛否両論があります。
今現在、新車として販売されているクルマは基本的にアイドリング状態での暖機運転は必要ありません。
もともと暖機運転が必要だった時代のクルマはキャブレター式、つまり燃焼室のシリンダーが下がっていく負圧によって受動的に燃料を気化しての燃料供給を行っていたもので、エンジンの燃焼室の温度をある程度上昇させないと負荷がかかった状態での燃焼が不安定になるから、といった理由がありました。
現代の新車に搭載されているエンジンはほぼ全て、電子制御の燃料噴射装置により能動的に燃料を供給しているので、エンジン燃焼室の温度にあわせて燃料噴射量を調整することでエンジン始動直後から燃焼を安定させることができます。
アイドリング状態での暖機運転を肯定する方々は燃焼の他にも「エンジンオイルを行き渡らせるため」と理由付けをされますが、一般的な市販車の純正オイルであればアイドリング時の暖機運転をしなくても走り出すことが出来るほど、エンジンオイルの性能も発達しています。
また、アイドリング状態の暖機運転では速度0km/hでエンジンが動いていると考えれば燃費が数値的に悪化するのは免れませんし、そもそも東京都など多くの都道府県では駐車中のアイドリングは条例で禁止されています。
駐車場などでクルマを停めた状態で暖機運転をすること自体が条例違反となってしまいます。
■暖機運転が必要というのも間違いではない
しかしアイドリング状態ではない、広い意味での暖機運転というものが必要ということも間違いありません。トランスミッションやデフギアなどは走らなければ内部のオイルが暖まらず、本来の性能を発揮できない場合もあります。
そこで、国内レースのスーパー耐久シリーズで、何度も優勝経験のあるTEAM NOPROのレーシングドライバーにして、メカニックでもある野上達也さんに、暖機運転に対してプロの意見を伺いました。
「燃費という概念はリッター何キロなので、アイドリングでの暖機運転は燃費悪化ですよね。それはともかく、エンジンを暖めて最適なクリアランスで使用したいという考えであれば負荷をかけないアイドリングでの燃費の部分は気にせず暖めるのが正解だと思います。
ただミッションや駆動系は動かさないと暖まらないので、始動後すぐスタートでゆっくり走らせたほうが一石二鳥だと考えています。僕はエンジンをかけたらすぐスタートして、負荷をかけずにある程度は慣らして走る派です。特に住宅地でのアイドリングもどうかと思いますしね」
しかしレースの場合ですとピットガレージの中で暖機運転していますよね?との問いには、「レーシングカーの場合は事前のチェックも含めて暖機運転をしますが、ジャッキアップしてタイヤが地面についていない状態でタイヤを空転させながら、駆動系も含め暖機運転をします。コースインしてすぐでもタイヤ以外は暖まっている状態で、つまりすぐにタイヤの条件以外は全開にすることができます。これは、駆動系が動いていない駐車中のアイドリング状態での暖機運転とは全く違います」
野上さんも語るように、エンジンだけを暖めるのではなく駆動系などを全般的に暖めるという暖機運転が重要だということです。
そのためにはアイドリング状態ではなく、エンジン始動後にすぐに走り出しながらも、ある程度の距離はゆっくり走るということが、正しい暖機運転と言えるでしょう。
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