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3ナンバー化濃厚の次期カローラセダン! 日本の高齢者ファンのカローラ離れという不安

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3ナンバー化濃厚の次期カローラセダン! 日本の高齢者ファンのカローラ離れという不安

 見た目がアグレッシブになるとの情報もアリ!

 3月末から4月上旬にかけて開催されたニューヨーク国際オートショーにて、3月上旬に開催されたジュネーヴショーにてデビューした、新型オーリスの北米版としてカローラハッチバックが公開された。このカローラハッチバックが“カローラスポーツ”という車名になるともいわれているが、車名はともかくとして日本市場でもラインアップされる予定となっている。

販売力最強のトヨタをもってしても売れない残念な現行車4選

 この件について情報を集めてみると、5月下旬に各店舗から選抜されたセールスマンを地区ごとにサーキットなどに集め、実車の試乗も行える商品説明会が行われるとのことなので、6月下旬には正式発表されるものと考えていいだろう。

 日本市場でカローラというと、カローラ・アクシオと同フィールダーがラインアップされている。香港などへ限定的に輸出されているようだがほぼ日本市場限定モデルとなっており、海外市場で販売されているカローラとは車名こそカローラだが、完全に別物となっている。

 日本市場でのカローラユーザーは海外に比べ平均年齢が際立って高くなっており、デザインや走行性能よりも、5ナンバーサイズに収まるコンパクトボディで、さらに視認性や取り回しの良さを追求した完全な実用セダンとなっており、マイナーチェンジで押しの強い顔つきを採用したものの、けっして“格好いいクルマ”という印象は伝わってこない。

 6月末にデビュー予定とされているモデルは北米向けのハッチバックという、カローラシリーズとしては派生モデルとなる。そこで気になるのが、2019年にも実施されるとされている、セダンボディのアクシオとステーションワゴンのフィールダーのフルモデルチェンジである。

 次期型最大のトピックはシリーズ初の3ナンバーワイドボディになることだと言われている。これについては、次期型も5ナンバーサイズを継続するとの話もあり、情報が交錯している。

 今回デビューしたカローラハッチバックの全幅は1790mm。北米カローラセダンはインチ表示をメートル法に直すと約1780mmとなっているから、10mm全幅が拡大していることになる。ただし次期アクシオ&フィールダーはここまでワイドにはならないようである。次期型もグローバルモデルとは一線を画し、全幅が1750mm以内に収まるとの話もある。

 新興国向けセダンとして“ヴィオス”というモデルをトヨタはラインアップしている。こちらはひと足早く日本的にいえば3ナンバーボディとなっており(若干全幅が5ナンバーサイズを超えている)、次期ヴィオスとパワートレインを共用すれば、次期型アクシオ&フィールダーが日本限定モデルとなっても、採算面ではそれほど問題にはならないので、1750mm以下の全幅を持つオリジナルボディもまったくの夢物語とはいえないと考えている。

 エクステリアデザインは実用一点張りの現行シリーズとは路線は完全に異なり、スタイル優先となりそうだ。デザインはカムリを小さくした感じのものにもなるともいわれており、日本仕様オリジナルのものとなる可能性も高まっている。

 若者にはCMのタレント起用効果もあり好印象

 気になるのは日本におけるカローラシリーズのメインユーザーである年配層の反応である。このあたりを販売現場で聞いてみると意外な答えが返ってきた。

「今の年配のお客さまはかなりアクティブです。スマートフォンを使いこなし、インターネットやSNSで積極的に情報収集する方も珍しくありません」と話してくれた。

 カローラハッチバックでも年配層への販売を不安視していない様子であった。また客観的な分析として、「今、物珍しさや先進性から3代目プリウスをご購入されて使用されている年配のお客様が代替えの時期に差し掛かっております。現状ではアクシオかプリウスあたりしか代替え候補はありませんが、カローラハッチバックはそのような代替えをご検討されている年配のお客さまの代替え車種としてもかなり有効なのです」とのことであった。

 ひと言で年配ユーザーといってもじつに多様化しており、現状のアクシオ&フィールダーでも「ボディサイズが大きい」と、パッソやヴィッツ、軽自動車などへダウンサイズする層も存在する。3ナンバー化されれば、当然カローラより小さいサイズのクルマへのダウンサイズは目立ってくるかもしれないが、ユーザー層の“若返り”という面ではかなり有効ともいえ、うまくユーザーの入れ替えができれば、3ナンバー化やスタイリッシュデザインの採用によるリスクがメリットに変わるという前向きな見方もできる。

 ただそうは言っても、販売現場としてはハッチバックは良しとしても、アクシオやフィールダーの3ナンバーボディ化については、漠然とした不安を抱えているのも事実である。

 今の若い世代にはカローラというブランドに対するネガティブなイメージはない。かえってバブル期に青春を謳歌したオジサン世代のほうが、“80点主義(これは間違ってマイナスな意味で受け止められている)”とか、“没個性セダン”などというネガティブイメージを強く持ち続けているといえるだろう。

 フィールダーのCMキャラクターとして長い間、木村拓哉氏を起用していたので、若い世代にとっては「キムタクが宣伝していたクルマ」としてポジティブなイメージを意外なほど持っていると販売現場でも驚いているという話を聞いたことがある。

 また、生まれたころから自宅のクルマがミニバンという環境で育ってきた世代でもあるので、トランクのある3ボックスセダンスタイルを「格好いい」と感じている若い人も多いと聞く。そのため次期アクシオが噂通りのモデルならば、可能性は現行モデルの比ではないほど拡大していくものともいえる。

 世界的にセダンはSUVに押され気味ではあるが、日本のセダン販売不振はSUVの前に、あまりにも選択肢が限定的となっていることも大きく影響しているのである。

 とはいえ、やはりスタイリッシュ化や3ナンバー化のリスクは現状では計り知れないものとなっているのも確か。あくまで筆者の見立てではあるが、グレードは絞り込まれるだろうが現行アクシオがしばらく新型と併売される可能性が十分高いと睨んでいる。

 ここで思い切った進化ができれば、一昨年に初代誕生から50年を迎えたカローラの“次の50年”というものへつながっていくに違いない。

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