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走行中もブレーキランプ、なぜ多い?「ブレーキ踏み過ぎ運転」 エンブレ知らない人が増加?

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走行中もブレーキランプ、なぜ多い?「ブレーキ踏み過ぎ運転」 エンブレ知らない人が増加?

■常にブレーキランプを光らせたまま走るクルマが増えた?

 筆者(佐橋健太郎)は仕事柄クルマで移動することが多いのですが、高速道路や山道などでの走行時、急激な減速が必要無いシーンであるにもかかわらず、常にブレーキランプを光らせたまま走っているクルマを良く見かけます。なぜそのような「ブレーキ踏み過ぎ運転」をする人が増えてきたのでしょうか?

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 クルマの速度を落とす為には、確かに減速を確実にする場合はブレーキを踏むことは必要なことです。しかし、高速道路などでちょっと前が詰まってきたかなと思うときに常にブレーキを踏んでしまうと後続車も危険と思い、みなさんブレーキを踏んでしまいます。それにより渋滞が起こってしまう原因にもなりえます。

 そんなときはどうすればよいかというと、「エンジンブレーキ」を使用するのです。教習所などでは急な坂道や山道などで使うと教わったと思いますが、この「エンジンブレーキ」を使うことでブレーキランプを光らせず、減速もできるのです。

 1991年11月1日から日本の免許制度で普通自動車にAT限定の免許が始まりました。

 警察庁が公表している運転免許統計によると、平成28年度に自動車教習所で普通四輪免許の教習コースを卒業したのは115万8327名。そのうち、AT限定は68万9187名、普通免許は46万9140名。つまり全体の半数以上に当たる約60%が、「AT限定免許」を選んで取得しています。

 もちろん「AT限定免許」の取得者は、「AT限定」ですから、オートマチック車両しか運転することはできません。しかし平成29年度の統計によると、日本国内で販売された車両のうち約99%がAT車とのこと。海外では「世界でもっともAT車種が多い国」と報道されているくらいです。

 最近では、自家用車を所有せずカーシェアリングやレンタカーを利用するという人にとっても、MT車しか用意していないという事業者は皆無で、趣味的な用途を別にすれば、「AT限定免許のためMT車が運転できなくて困る」というケースはほとんど無いと言っていいでしょう。

■AT車とMT車のもっとも大きな違い

 AT車とMT車を運転する際、もっとも大きな違いは「ギアチェンジを自動で行うか、手動で行うか」という点です。

 エンジンとはクルマにとっての動力源で、ブレーキとは制動力。一見すると両者は背反するもののように思えますが、アクセルを緩める、または全く踏まないことでエンジンの抵抗を利用し、クルマの速度を下げることができます。

 アクセルを踏むことはエンジン内に燃料を送り込むことなので、エンジンブレーキを利用することは燃料消費を抑えて燃費を向上させることに繋がるだけでなく、ブレーキペダルを踏んで速度を下げる際に消費するブレーキパッドなどの消耗を抑えたりすることにも繋がります。

 このエンジンブレーキを効果的に使用するために、ギアを下げるシフトチェンジ、シフトダウンの操作が有効なのです。

 ではギアチェンジができないAT車では、どのようにしてエンジンブレーキを使うのでしょうか。

 AT車のシフトポジションは、車種にもよりますが上からP、R、N、D、2、1とされている車両が多いです。通常走行時はDレンジなので、そこから2や1へとシフトダウンすることでエンジンブレーキが使用できます。

 最近では、MT的な操作ができるATも多いですが、その場合はMレンジなどシフト操作ができるポジションで「-(マイナス)」のボタンまたはレバーを使用し、ギアを下げることでエンジンブレーキが使用できます。

 そして近年、ハンドル裏にパドルをつけたパドルシフトを採用している車種も増えてきました。このパドルがついた車種であれば、+と-のうち、-のパドルを操作してあげれば、ギアが下がりエンジンブレーキを使用することができます。

 MT車でエンジンブレーキを使用する場合は、アクセルを踏む右足をペダルから離し、その後にクラッチを踏んでギアをシフトダウンしてクラッチを繋ぐことが基本形です。クラッチを繋いだ瞬間はエンジンの回転数は一時的に上がりますが、抵抗力が大きくなり速度が下がります。

 エンジンブレーキはAT限定免許においても、学科や実技の両方で学ぶ項目ですが、教習所の立地場所などによっては長い坂道がなく、路上教習でもほとんど使用したことがないという人もいるかもしれません。

 スムーズなドライビングと燃費向上、またむやみやたらにブレーキを踏まなければ、ブレーキパッドなどの劣化や渋滞をも防ぐ「エンジンブレーキ」。普段使ってないなと思われるようでしたら、ぜひ効率的に使用するべき運転テクニックです。「ブレーキ踏み過ぎ運転」をせず、安全でスムーズなドライビングに役立ててみてください。

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