ドイツは今でこそ「ドイツ」ですが、筆者が子供の頃は「西ドイツと東ドイツ」でした。東西に分裂しており、資本主義の西ドイツ、共産主義の東ドイツという風にまったく体制の違うドイツが隣り合っていました。そんなこともあり、かつては東側の国のクルマ。東ドイツではたくさんは走っていました。
しかしベルリンの壁が崩壊した今では、旧西ドイツ系のいわゆる「ドイツ車」が、高品質な上に安価に流通するようにもなっているため、広く行き渡っているようです。むしろ旧東ドイツの地域に新しい工場なども多数建設され、今やドイツ車のセールスを支えていると言ってもいいでしょう。ドイツからロシアのラーダ・ニーヴァの目撃レポートが届きました。最近ではドイツ国内でも見ることは少ないのだそうです。
武骨なのにかわいい。歴史をたどると旧共産圏のクルマも実に面白い
ロシアのラーダ・ニーヴァを目撃
ラーダ・ニーヴァは、ロシアのアフト・ヴァースが製造している4輪駆動車で、1977年にリリースされてから、現在もまだ作られているそうです。モノコックボディをもつ小型オフロードタイプで、頑丈さと低価格によって人気を博し、一時はカナダ、西ヨーロッパ諸国、南アメリカ、そして日本へも輸出されていました。現在はロシアでもGMとアフト・ヴァースの合弁会社で新型モデル「シボレーニーヴァ」に主力の座は譲っているようですが、プーチン大統領も愛用するなど、まさにロシアの国民的な車種と言っても過言ではないでしょう。
サファリというロゴとともに、シマウマのようなアニマル柄の外装色、かなり目を引きますね。今ではメジャーな車種でこそないですが、自分だけのオリジナルな仕様に仕立てられていて、まさに「愛玩動物」(ペット)のようにかわいがられている様子が、写真だけでも簡単に伝わってきますね。
水深51cmまでなら水上走行も可能
一見かわいいこのクルマもなかなか頼もしい内容をもっているのです。当初、エンジンはキャブレター付き直列4気筒 SOHC 1.6L 72馬力のガソリンエンジンで、ギアボックスは4/5速のマニュアルのみ、フルタイム四輪駆動方式でオフロード走行に欠かせないセンターデフロックや副変速機も搭載している充実ぶり。最高速度は130km/hに過ぎませんが860kgまでのトレーラーの牽引が可能でもあるのです。サスペンションは1970年代の四輪駆動車としては画期的な前輪独立懸架であったばかりか、後輪も固定軸ながら5リンク式コイルスプリングを採用、最低地上高も23.5cm確保されており、水深51cmまでなら水上走行も可能なのです。
さすがに今では1700ccのGM製インジェクションタイプのエンジンにかわっている他、リアハッチもより大きくあけられるようになるなど、長い間造られているクルマならではの熟成に余念がないモデルとも言えるのではないでしょうか。
[ライター/CL編集部・中込健太郎 カメラ/ドイツ駐在員]
※当記事は過去公開した記事の再編集版です
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