クルマ好きが一目置く輸入車といえばBMWではないだろうか。3シリーズはジャーナリストもお手本として挙げる車種だし、M3やM4などスポーティモデルだってクルマ好きにはものすごく魅力的に映るはずだ。そんなBMW、販売面でもイケイケなのだ。2017年の日本での販売台数は5万2527台で輸入車メーカーとしては2番手。しかし安くはないBMWだし、みんながみんな50:50の重量配分だけで選ぶとは到底思えない。そこまでの支持を受けているのか少々疑問も。そんな疑問を解決するためにベストカー編集部が読者アンケートを実施。BMW人気の秘密、徹底解明です。
文:岡本幸一郎、鈴木直也/写真:ベストカー編集部
ベストカー2018年3月26日
■読者アンケートから浮かびあがる"機能"重視の傾向
昔からVW、メルセデスベンツとともにドイツ御三家といわれ、高い人気を誇っているBMW。ではなぜ人気なのか? 前後重量配分50:50+FR、直6エンジン……と、人気の理由はなんとなくわかるのだが……。ということで読者に聞いてみた。
昨年も日本で5万2527台と2年連続で5万台超を販売し、輸入車の年間販売ランキングで2位につけたBMW。その人気が高いことは明白だ。そこで、ベストカー読者にアンケートをお願いし、短い回答期間ながら115人(有効129票重複回答あり)にBMWのどんなところが好きかを尋ねたところ、以下のような答えをもらった。
岡本幸一郎氏がそれぞれについての所見を述べる(編集部)。
■1位/34票。
前後重量配分50:50のFRだから走りが楽しい
まず、なによりも"FR"であることが支持されているのはいうまでもない。2位に大差をつけての圧倒的なトップだ。最近ではFFも作っているけれど、基本的にはかつて「FFなどもってのほか、FRしか作らない」と宣言していたほどFRに強いコダワリを持っている。
さらには前後重量配分50:50を実現するためエンジン搭載位置を極力後方にしているのもBMWの基本的理念のひとつ。そうしたハンドリングへのコダワリに共感を覚える人は少なくないようだ。
■2位/23票。
エンジンフィールが気持ちいい
「シルキーシックス」と称された往年の直列6気筒エンジンに象徴されるエンジンフィールのよさも、BMW伝統の美点だ。いまや世界中を探しても、直列6気筒エンジンを製造するメーカーは数えるほどになったが、そんななかでもBMWは、6気筒エンジンは直列に限るとのコダワリから、それを作り続けているのは賞賛に値する。
昔に比べて直6搭載モデルは減ったものの、いまだに「BMW=直6」というイメージはとても強い。特にM4などのツインターボは気持ちのいいエンジンだ
そのほかの直列4気筒やV型8気筒も同等クラスのライバルに比べると一歩抜きんでている感がある。また、後述するディーゼルの仕上がりも上々だ。さすがは「バイエルンのエンジン工場(=Bayerische Motoren Werke)」を社名とするだけあって、エンジンへのコダワリはハンパではないことが、どのモデルに乗ってもヒシヒシと伝わってくる。
■3位/21票。
スポーティなハンドリング
BMWといえば、足まわりのよさもよく取り上げられている。前でも述べたFRの駆動方式と50:50の前後重量配分にコダワっているのは、すべてハンドリングのため。
さらには、いち早く導入した可変レシオステアリングや、最近5シリーズに採用した4WS、カーボンファイバーの採用拡大による軽量化など、ハンドリングを向上するための新しい取り組みにも積極的だ。
■4位/14票。
上質な乗り心地
スポーティなハンドリングは全車共通として、とりわけビジネスユースへの適性も求められる7シリーズや5シリーズといった大柄なサルーンは、極めてなめらかで上質な走り味を実現していることに驚かされる。それもまたBMWのひとつの世界だ。
■5位/12票。
SUVの走りがいい
重さや重心の高さによる影響を感じさせない、物理の法則を覆すがごとき優れた運動性能は、「SAV=スポーツ・アクティビティ・ビークル」を名乗る一連のBMWのSUV系モデルが共通して持つ価値に違いない。
思えばSUVブームの黎明期、鈍重さやフラつきといったSUVの弱点を感じさせないすばらしい走りで世の中を驚かせたのが、ほかならぬ初代X5だった。そこに込められた精神は現在にいたるまでまったくブレることなく受け継がれている。
■6位/10票。
ディーゼルエンジンがいい
BMWといえばエンジン。ガソリンだけでなくディーゼルの仕上がりもよいことも、ドライブした経験のある人なら誰しもが知るところ。ディーゼルらしいトルクフルな走りと、ディーゼルらしからぬ吹け上がりの気持ちのよさを兼ね備えているところが偉い。
新しいものほど音や振動も小さく、ディーゼルのネガな部分があまり気になることもない。
ほかにも「走りをイメージさせるブランド」、「デザインがいい」、「質感が高い」、「Mスポーツがカッコいい」、「モダンなところ」、「滑らかでスムーズな走り」「女子受けがいい」などといった回答もあった。全体としていえるのが、よいイメージが強いこと。
長年にわたって構築してきた「BMW像」をいまでも守り、そして進化し続けていることの評価が高い
とくに走りについて、よいことずくめという印象を受ける。これはBMWに限らないが、とにかく「欲しい!!」と思わせる強力なパワーを持っていることだ。そしてその相手を選ぶことなく、老若男女の誰もがターゲットになる、稀有なブランドといえる。これほどイメージがよく、フトコロが深く、それが幅広いブランドというのはBMWをおいてほかにない。
■3シリーズってなにが"いいクルマ"なの?
ベストカー読者の思うBMW像は前述したとおり。それにしてもやはりメカニズムへの大きな信頼、そして乗り味などの官能評価の部分でもファンが多い理由がなんとなくわかってきた。そんなBMWのなかでも特に登場する機会が多いのが3シリーズ。自動車媒体や多くのメーカーの開発者が"3シリーズ"をベンチマークにしている。
漠然とFRセダンのお手本になっているのは知っていても、「なにがすごいの!?」という疑問がフツフツとわいてくる。BMWというブランドがそう思わせているんじゃないの!? なんてことを思う人も多いはず。ジャーナリストの鈴木直也さんに聞いてみました(編集部)。
E36の時代あたりからだからもう四半世紀以上3シリーズはスポーツセダンのベンチマークとして君臨している。今も昔も変わらないのは、前後重量配分50:50のFRレイアウトという部分と、「思う存分振り回せるサイズ」という車格感。パッケージングコンセプトはほとんど変わっていない。これだけなら、ライバルにも簡単に真似ができそうに思える。
40年を超える歴史を持つ3シリーズだが、生き残りのための進化は止まらない。20年前に、3シリーズが3気筒エンジンを積むと誰が予想しただろうか? 常に最先端をいくのが3シリーズだ
事実、ライバルのベンツCクラスが3シリーズを意識した機敏なハンドリングをウリにしていたこともあるし、最近ではアルファロメオジュリアはまんま「イタリア製3シリーズ」という感じ。キャデラックのATSなんかも足回りは3シリーズそっくりなレイアウトを採用している。
にもかかわらず、どのライバルも3シリーズを打ち負かすことができない。その理由は3シリーズの持っているバリエーションの厚みじゃないかとボクは考えている。スポーツイメージで見れば誰もがM3を思い浮かべるが、もちろんそれが3シリーズのすべてじゃない。
320dなら燃費のいいエコカー、330eならハイテクなプラグインハイブリッド、ベーシック仕様なら3気筒1.5Lの318iも揃っている。肝心なのはこういう豊富なバリエーションすべてで、優れたハンドリングや走りの楽しさという「駆けぬける歓び」の価値観を共有していること。
もちろん、具体的に見ればM3と318iのハンドリングはまったく異なっているが、それはまったくの別物というわけではなく、いってみれば"相似形"の関係。ルーツを同じくする同族意識をちゃんと感じることができるのだ。この辺が3シリーズに挑戦するライバルの及ばないところ。まだまだ3シリーズの牙城は安泰のように思います。
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