戦後期の警察の実情から、白黒塗装が誕生
警察のパトカーといえば、白と黒のツートンカラーでおなじみです。海外では白地に青や赤などといったさまざまな配色がありますが、日本のパトカーの塗装は白黒で統一されています。なぜこのような塗装なのでしょうか。
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警察庁によると、日本のパトカーの白黒塗装のルーツは第二次大戦後の1948(昭和23)年から1949(昭和24)年ごろ。当時の日本にはGHQの主導のもと、全国各地に「自治体警察」(旧警察法による、全ての市と人口5000人以上の町村が自ら運営した警察組織)が置かれ、それらの自治体警察がパトカーとして使用する車両に「ジープなどの車両を白色にしたものが見られた」といいます。
ただ、「当時の道路は舗装されていない場所がほとんどで、車体の汚れが激しかった」ともいいます。そうした状況のなか、自治体警察のひとつであった警視庁が、アメリカのパトカーを参考に黒色のセダン車をベースとし、下側が黒、上側が白のツートン塗装を採用しました。この塗装が1955(昭和30)年に全国的に統一され、現在に至っているそうです。
その1955年時点でも、日本の一般国道の舗装率はたった13.6%(簡易舗装を除く。国土交通省の資料による)。未舗装の道路は晴天時にはほこりが舞い、ひとたび雨が降ればぬかるんでしまう状態だったそうです。クルマの下側が黒色であれば汚れも目立ちません。日本のパトカーの塗装は、整備が進んでいなかった戦後の道路事情が原点だったのです。
ところで、一般のクルマをパトカーと同じ白黒塗装にした場合、違法になるのでしょうか。
警察庁長官官房総務課広報室に聞いたところ、「具体的な事案に応じて判断するため一概には言えないが」と前置きしたうえで、「警視庁や都道府県警察の名前を記載した車両を用いて警察官を詐称するなどした場合は、軽犯罪法違反となる可能性があります」と話しています。
【写真】海外のパトカー塗装、NY市警は白地に青
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