現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > アメリカで日本のハイブリッドが窮地に!? 厳しくなるZEV規制ってなにもの!?

ここから本文です

アメリカで日本のハイブリッドが窮地に!? 厳しくなるZEV規制ってなにもの!?

掲載 更新
アメリカで日本のハイブリッドが窮地に!? 厳しくなるZEV規制ってなにもの!?

 海の向こうアメリカでは環境保護のためにZEV規制という厳しい規制がある。「ZEV」とは「ゼロ・エミッション・ビークル」のことで、排ガスを出さないクルマを指す。販売台数の割合に応じて一定数のZEVを売らないといけないってわけ。しかしZEVにこれまで含まれていたハイブリッド車が2018年から完全に除外され、EVとPHVのみがZEVの対象となった。これはハイブリッドの比重が重い日本メーカーには大きな問題に。これについて国沢さんがズバッと斬ります。

文:国沢光宏/写真:

昔と今では大違い!? 先祖と子孫で大きく変わった名門車 5選

■ハイブリッドの除外で窮地になった日本メーカー

 アメリカのZEV問題、あまり話題にあがらないけれど、けっこう深刻な状況にある。簡単にZEV規制を紹介しておく。キッカケは大気汚染に悩むロサンゼルス市(カリフォルニア州)が「このままだとみんな死ぬ!」と言い始め「だったら自動車の排気ガスを徹底的に減らす!」的な法規を作る。

 なんたってZEV=ゼロ・エミッション・ビークルで、排気ガスを出さない自動車のことです。とはいえすべてのクルマをイッキに電気自動車や燃料電池車に変えることもできない。そこで年次目標を作り、徐々に排気ガス規制を厳しくしていく法規を立ち上げた。

完全EVのリーフがやはり一番有利となる。もちろん燃料電池自動車も対象だ

 最初のステップが1994年の「大気よりクリーンな排気ガスしか出さないULEV」(日本だと☆4つレベル)である。プリウスのハイブリッドシステムも、厳しくなっていくZEV規制が生んだ技術で、2017年までZEV規制の『AT-PZEV』に含まれていた。そんなこんなで、日本勢は順調にZEV規制をクリアしてきたと思う。しかし! 2018年からイッキに厳しくなるのだった。

 まず2018年からハイブリッドがZEVの対象車から排除される。各社どうする? トヨタの場合、これまで『クレジット』と呼ばれる規定台数をハイブリッドでカバーしてきた。日産は文句なしのZEVであるリーフでクレジットをカバーできている。ホンダについちゃ大金払ってテスラから『クレジット』(二酸化炭素の排出権と同じく売買が可能)を買ってきた。この3メーカー以外の日本勢は、カリフォルニア州での販売台数が少ないためZEVの規制対象外です。

【ZEVの分類】

■タイプ1→ 50-70マイル走るEV:クレジット2点/台
■タイプ1.5→ 75-100マイル走るEV:クレジット2.5点/台
■タイプ2→ 100-200マイル走るEV:クレジット3点/台
■タイプ3→ 200マイル走るEV、あるいは100マイル走るEVだが急速充電や水素補給が可能なタイプ:クレジット4点/台

■ペナルティだけで200億円超!? 国産3社の動きが慌ただしい

 調べてみたら、2018年についちゃ3社とも、今まで貯めていたクレジットを吐き出すことでクリアできるメドがついているらしい。問題は2019年以降だ。電気自動車とPHV(ZEVのクレジットになる)を相当台数売らなければならないだけでなく、前出の3メーカーのほか、スバルやマツダもZEVの対象になる。

 もし規定台数(クレジット)に届かなければどうなる? なんと1クレジットあたり5000ドル(約55万円)のペナルティを支払わなければならないのだった。2018年に於けるZEVの販売義務台数は16%。トヨタの販売規模だとカリフォルニア州だけで4万クレジット程度必要になってくる。これをペナルティで支払えば220億円! 少なくない金額だ。

 どうする? いち早く動いたのがトヨタで、パナソニックと協業することで電池価格の引き下げを狙い、ZEVのクレジットになるPHVの増産で対応しようとしている。2020年あたりから電気自動車(航続距離160km以上なら1台で4クレジット獲得)も間に合うだろう。

電池の生産コストを低減するためにもトヨタとパナソニックの協業は大きなファクターだ

 スバルとマツダはトヨタのお友達グループだからして、遠からずPHVをラインアップしてくると思う。足りなければペナルティで支払えばいい。日産は1台あたり4クレジットを稼ぐリーフがあるため、販売促進策で切り抜けられそう。

 日本勢唯一の「どうするんでしょ?」と聞きたいホンダだが、おそらくあっと驚く隠し球を持っていると考える。アメリカにおけるホンダの戦略、マスキー法をクリアしたCVCC以後、今までカンペキですから。

こんな記事も読まれています

メルセデス・ベンツ、最高680PSを発揮する「AMG GLC 63 S E PERFORMANCEクーペ」を発売
メルセデス・ベンツ、最高680PSを発揮する「AMG GLC 63 S E PERFORMANCEクーペ」を発売
月刊自家用車WEB
日本に帰還ストフェル・バンドーン、東京E-Prixで「表彰台に乗れれば最高」
日本に帰還ストフェル・バンドーン、東京E-Prixで「表彰台に乗れれば最高」
motorsport.com 日本版
MAXWIN のバイク用ドライブレコーダーが1万9,800円! Amazon にてセール開催中
MAXWIN のバイク用ドライブレコーダーが1万9,800円! Amazon にてセール開催中
バイクブロス
【カワサキ】新作春夏ウェア&グッズ満載!「WearGoods Catalog 2024」を公開
【カワサキ】新作春夏ウェア&グッズ満載!「WearGoods Catalog 2024」を公開
バイクブロス
「ワーゲンバス」の価格は「窓の数」に比例する!? 約600万円で落札されたVW「タイプ2」が予想よりも安かった理由とは
「ワーゲンバス」の価格は「窓の数」に比例する!? 約600万円で落札されたVW「タイプ2」が予想よりも安かった理由とは
Auto Messe Web
アプリ売りのオジさん彷徨記 Vol.32 お宝発見ツアーIN群馬編 Part1
アプリ売りのオジさん彷徨記 Vol.32 お宝発見ツアーIN群馬編 Part1
AutoBild Japan
ポルシェ新型パナメーラ ハイブリッド系3グレードの価格詳細発表と予約受注開始 全て右ハン
ポルシェ新型パナメーラ ハイブリッド系3グレードの価格詳細発表と予約受注開始 全て右ハン
AUTOCAR JAPAN
初開催のFE東京E-Prix、レース展開の予想は困難? ドライバーの駆け引きを想像すべし!
初開催のFE東京E-Prix、レース展開の予想は困難? ドライバーの駆け引きを想像すべし!
motorsport.com 日本版
3月29日は「VWゴルフ」の誕生日! 生誕50年、おめでとう! 歴史的ベストセラー「ゴルフ」の歩みを振り返る
3月29日は「VWゴルフ」の誕生日! 生誕50年、おめでとう! 歴史的ベストセラー「ゴルフ」の歩みを振り返る
月刊自家用車WEB
メルセデスベンツ、新型パワートレイン搭載の「GLA180」発売…高性能モデルAMG「GLA45S」も追加
メルセデスベンツ、新型パワートレイン搭載の「GLA180」発売…高性能モデルAMG「GLA45S」も追加
レスポンス
フォーミュラEにとって、日本&東京は重要な市場。求めるは日本人ドライバーの参戦。ドッズCEO「佐藤琢磨に、再び参戦してもらおうか」
フォーミュラEにとって、日本&東京は重要な市場。求めるは日本人ドライバーの参戦。ドッズCEO「佐藤琢磨に、再び参戦してもらおうか」
motorsport.com 日本版
【MEISTER.F】電動キックボードやバランスボードがお買い得!「春の全力応援キャンペーン」を開催中
【MEISTER.F】電動キックボードやバランスボードがお買い得!「春の全力応援キャンペーン」を開催中
バイクブロス
日産が“新”「エルグランド」発表! 超豪華「4人乗り仕様」もアリ! 価格は408万円から 何が変わった?
日産が“新”「エルグランド」発表! 超豪華「4人乗り仕様」もアリ! 価格は408万円から 何が変わった?
くるまのニュース
マツダが「スクラムバン」と「スクラムワゴン」の新型モデルを発売!さらに使える軽自動車へ進化
マツダが「スクラムバン」と「スクラムワゴン」の新型モデルを発売!さらに使える軽自動車へ進化
バイクのニュース
新型キックスはアンダー300万円+ガソリン仕様がなきゃダメ!! 日本仕様の課題は価格だけ?? 王者ヤリスクロスに勝つためにどうすりゃいいのか
新型キックスはアンダー300万円+ガソリン仕様がなきゃダメ!! 日本仕様の課題は価格だけ?? 王者ヤリスクロスに勝つためにどうすりゃいいのか
ベストカーWeb
930馬力の怪物はメルセデスAMG「S63 E」がベース。ブラバス「930」の0-100km/h加速は驚異の3.2秒!
930馬力の怪物はメルセデスAMG「S63 E」がベース。ブラバス「930」の0-100km/h加速は驚異の3.2秒!
Auto Messe Web
【BMW CUSTOM FRONT-LINE 2024】ホイールブランドにおけるスペシャリストの最適解。「KELLENERS sport X-LINE(ケレナーズスポーツ エックスライン)」
【BMW CUSTOM FRONT-LINE 2024】ホイールブランドにおけるスペシャリストの最適解。「KELLENERS sport X-LINE(ケレナーズスポーツ エックスライン)」
LE VOLANT CARSMEET WEB
レクサス・LBX:公道試乗で実力判明!
レクサス・LBX:公道試乗で実力判明!
グーネット

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2480.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

946.01588.0万円

中古車を検索
カリフォルニアの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

2480.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

946.01588.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村