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業界ニュース 2018.2.15

これもクラシックカーイベントの醍醐味!「奇跡的な出会い」と「ご意見無用の一人旅」

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前回に引き続き、JCCA ニューイヤーミーティングの話題ですが、筆者にとって今回はNYMに参加というより、関東方面への小旅行という意味合いのほうが強かったかもしれません。

クラシックカーオーナーにとってクラシックカーイベントはクルマを観る、魅せるだけでなく、遠方の友人と共に時間を過ごすための場という意味合いもあります。今回のNYMのレポートは江上さんに任せて、筆者はとなりのセリカオーナーが振舞っていたお餅を食べていました。

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同型車のオーナーが集まれば情報交換がはじまる

とはいっても、ただ雑談していただけではありません。同じセリカのオーナーである以上、自然と会話の内容は自分の愛車の話からレストアやメンテナンスの話になります。年式ごとにどこが違うか、どこで部品を入手したとか、どこが一番腐食が酷かったとか…現在DIYでスバル360をレストアしている筆者には、0.6mm鋼鈑のボディだからといってムリに0.6mm鋼鈑を使わず0.8mm鋼鈑のほうが鈑金加工しやすいという話が参考になりました。(0.6mmではハンマーの力加減が難しくて伸びすぎるそうです)

ちなみにこのセリカLB(写真はNGとのこと、理由は後述)は、筆者の初期型の「バナナテール・5本テール」に対して51年規制対策モデルの「3本テール」と呼ばれる後期型です。「排ガス対策後」はなかなか注目されなかったのですが、当時各社がツインカムエンジンの継続生産を断念する中、ソレックスキャブ仕様のツインカムエンジンのまま51年規制をクリアした数少ない国産GTスポーツでもあります。

オーナーは本業で鈑金修理工場を営んでいるとのことでしたが、「医者の無養生で、人のクルマばかり直して自分のクルマは後回しになって気が付いたら錆穴だらけで、鈑金屋のクルマなのに人に見せられる物じゃなくって写真はちょっと」と苦笑いしていましたが、一方で来場者が錆穴をまじまじと覗き込んでいるのを楽しんでもいるようでした。

レストア屋さんの愛車というのは難しいようで、自分用にレストアベースを買ったけど思うように作業が進まない、エンジンが不調になってしまったもの、ずっと直せずほったらかしということがままあるようです。ちなみに、筆者のセリカLBを預けている東海自動車の社長は自分用のTE27レビンを仕上げるのに8年以上かかっていました。よく修理工場の片隅に古いクルマが置いてあって、色々な人が譲ってほしいと言っては断られるという話がありますが、そういう修理工場の主人は口には出さないものの、なんとかレストアして自分で乗りたいと思っているのかもしれません。

同型車の同仕様は最高の教科書

会場内で見ていて一瞬「ハッ!」となった、筆者と同じスーパーDXグレードのオプションカラーのサテンブロンズ(シャンパンゴールド)最終型のスバル360スーパーDX。見知らぬ土地で、自分のクルマとまったく同じグレードと色のクルマを見るというのはなんとも不思議な気持ちになります。ちなみに、この色の最終型スーパーDXは愛知県内に自分を入れても3台、そして今回筆者自身が確認したのは4台目。最終型のスーパーDX自体の生産期間が短く、スバル360の実動車の残存数を考えると、オプションカラーのゴールドに遭遇するのは相当なレアケースだと思います。(それが愛知県内に3台あるというのもおかしな話ですが)

もちろん、オーナーとは熱いスバル360談義となりました。このスバル360のオーナーは入手してまだ間もなく、まだまだスバル360はわからない事が多いという話でしたが、正直なところ筆者にとっては羨ましいくらいのコンディションでした。

最終型スバル360の内装の特徴である、ダッシュボードのウレタン製クラッシュパッドがここまで綺麗に残っているケースはなかなかありません。大抵は反り返ったりパリパリに割れたりします。もちろん筆者のスバル360のクラッシュパッドも反り返った上に3つに割れてしまっています。当然、新品の部品が出るわけがなく、リプロ品も存在しないのでそのまま外してしまう人もいます。筆者もシボ模様の合皮とステッチで再現できないか考えあぐねているところではあるのですが…

一方こちらのスバル360は、ドア先端やリアタイヤハウス周りのとサイドシル周りの腐食がまだなく、バッテリー下のサブレームにサビの兆候が見られるものの、当面はPORやノックスドールで進行を防げそうな感じでした。前のオーナーがよほど保管に気をつかっていたのでしょう。こういうクルマと巡り合える縁というのはなかなか無いものです。このスバル360のオーナーはよほどの良縁に恵まれたのでしょう。塗装以外、大きな修復歴の無いコンディションは、筆者にとっても本来のオリジナルの状態を知るいい手掛かりになりました。3月に入れば寒さも和らいで軒先レストアも再開できる事かと思います。

今回はどちらかというと、イベントではなく旅行がメインだったのと、前述のとおり江上さんがNYMのレポート担当だったため、クルマを見るよりも知人や同型車のオーナーとの会話メインでイベントを堪能させていただきました。見知らぬ土地で出会った同型車とのオーナーというのは身近な同型車のオーナーとはまた違った意見も聞け、初心者オーナーと話していても、逆に自分が学ぶ事も多かったりします。またあるパーツメーカーさんからは、クラシックカー関連の今後の商品展開について「ここだけの話にしておいてほしい」という「前向きな話」も聞くことができました。(「あそこのメーカー」の人も「あの商品」にそういう要望があるのはやっぱりわかっていたんだな~という内容でした)実は思ったよりも会場内は見ていないのですが、これはこれで濃密な時間を過ごすことが出来ました。今後のクラシックカー関連の記事にも反映出来たらなと思います。

今回のもう一つのお楽しみ

いつもはそのまま名古屋に帰ってしまうのですが、今回はせっかく関東に来たのでもう一泊関東に滞在しようと「大洗」へ向かいました。CL読者の方の中にも大洗と聞いてピンとくる方も多いこととは思いますが…

時間的にはカツカツですが、グーグルマップ上では移動時間1時間半、関東に来る機会はなかなか無いので首都高から常磐道に向かいます。

途中立ち寄った常磐道のサービスエリアで昼間のスバル360に遭遇、水戸の方だったので同じ方向に向かっていたようなのですが、めったに同じクルマは無いので自分のクルマを見ているような不思議な感覚になります。

さて、何が目的で大洗へ来たかといえば…

大洗町が舞台となっている、現在、劇場版が大ヒット上映中のアニメ作品ガールズ&パンツァー(ガルパン)の聖地巡礼です。劇中では「戦車道」という武道として、女子高生が第二次大戦中の戦車で摸擬戦をするというという乗り物系のアニメでもかなりの破天荒な作品です。

実は下手なクルマアニメよりカーエンスーじみてる?

自分の好きなアニメ作品と言いつつ、筆者自身はミリタリー趣味は無く、今も戦車は自動車の技術史の一部という程度の興味と知識しか無く、いまだもってどれがどこの国の戦車なのかすら判別できないでいるのですが、2012年にTV放映の告知サイトが目に止まり、メカニックの解説を見た所、当然当時の自動車メーカーが製造開発に関わっていたため(ちなみに、おおむね1942~1945年は、ほぼ何処の国も戦時統制下に入り民間用の自動車はアメリカを含めて製造が中止され、すべての自動車工場は軍用車両の製造に充てられます)製造工場やエンジンメーカーにはダイムラーベンツ、マイバッハ、ルノー、クライスラー、ヴォクスホール、レイランド、フィアット等、下手なクルママンガ・アニメ以上にエンスーな(?)ブランドが名を連ね、あそこまで「フェルディナンド・ポルシェ博士」の名前を劇中で全面に出したアニメ・マンガは見たことがありません。案外、アニメに興味のないCL読者の方でも楽しめるような作品なのではないでしょうか。

監督の水島努氏自身、ミリタリーメカマニアだけでなく、かなりのカーマニアでもあるようで、時折シトロエン2CVサハラやフェラーリF40等マニアックなクルマも登場します。また、このアニメの影響でプラモメーカーの売り上げが激増し、あるメーカーでは1年分の出荷数を1ヵ月で売り上げてしまったというケースもあるそうです。カーモデル部門にも新製品の予算が付きやすくなったと、多少なりともおこぼれにあずかれているあたりカーモデラーにも足を向けて寝られない作品でもあります。

町を挙げての作品コラボ

最近は、コンビニエンスストアや飲食店でアニメ作品やソーシャルゲームのコラボキャンペーンを目にしますが、現在ファミリーレストランのココスでガルパンとコラボ中と聞いてこの日の食事は真っ先にココス大洗店に向かいました。

ちなみに彼女は「アンチョビ」こと「安斎千代美」作中の設定では愛知県豊田市出身となっており、まさしく同郷からトヨタのセリカで陣中見舞いと相成りました。いわゆる名古屋嬢ファッションの髪型の「名古屋巻き」を思わせる内巻きカールのツインテールに見知らぬ地で知人に会えたような安心感すら覚えました。

キャンペーン限定メニュー「パンツァーケーキ改」ケーキが戦車の形になっています。クルマでもこんなコラボキャンペーンを展開できるようなアニメとかソーシャルゲームとか出てきてくれないものですかねぇ。(苦笑)

翌日、まずは大洗町が一望できる大洗マリンタワーに向かいます。眼下に広がる景色の中に自分のクルマがあると見たくなるのがクルマ好きの人情という物ではないでしょうか。

窓の外には、アニメに出てきたのと同じ光景が広がっていました。はじめて来た場所であるにもかかわらず、見覚えがある、というなんとも不思議な感覚です。いわゆる「聖地巡礼」と呼ばれる映像作品の舞台となった土地への来訪の醍醐味の一つに、この「はじめて来た場所なのになんか見覚えがある」という既視感があるのではないでしょうか?

古くからある有名な建物が解体されるというニュースを時折耳にするたびに、こういう機会損失は実は思っている以上に大きいのではないかと思ったりもします。本当はもう一泊くらいしたかったのですが、しがない物書きではそんな費用を捻出することも出来ず、夕方まで回れるところは回ろうと限られた時間ですが1人大洗ツアーです。

まずは、作中にもよく出てくる大洗駅のロータリーで一枚。さすがに月曜日の昼間なので自分以外に目立った観光客も聖地巡礼のファンもなく、このまま…と思ったらこのテのクルマの常ですぐに地元のタクシードライバーの人気者になりました。「クラシックカーオーナーたるもの愛想を振りまく」というのも我々のお役目です。

大洗観光中、とある修理工場のヤードで昭和42年型スバル360DXを見つけました。灯火器類や、エンブレムのディテールを見て、大体の年式とグレードを特定しようとするのはクラシックカーオーナーの習性のようなものではないでしょうか?(苦笑)新車当時のものと思われる「8茨」ナンバーが残っていました。可能であれば公道復帰させてあげてほしいものです…などというと、他人のクルマより自分のクルマをどうにかしろと言われそうですが。

街中にはそこかしこにガルパンに登場するキャラクターのポップが飾られていました。町の人も心得ているようで、すぐクルマをどかせるような状態でハザードランプを点滅させながら路肩に停車してカメラを構えていたら「すぐそこの駐車場がこの商店街の駐車場ですよ。」と教えてくれました。商店街利用者用の無料の共用駐車場があるというのも、随分久しぶりに見た気がします。

糸魚川の道中の記事でも触れましたが、こういう「聖地商法」というのは作品の人気だけでなく、その作品の舞台となった土地の人がむしろ率先して楽しむような遊び心が重要なのだろうなぁ、と思います。こういうチャンスというのは池の鯉のようにただ口を開けて待ってるだけではだめなのです。本当はもっといろいろ回って可能であれば地元の方の話も聞いてみたかったのですが、これから名古屋にもどらなければならないため、名残惜しいですがここで切り上げて家路につきます。

冬場の高速道路を走った後は必ず下回り洗車を

やっぱりこういうクルマは即人気者になります。出発前もしっかり下回り洗車をしておきましたが、融雪剤の撒かれた道路を丸二日走り続けたので、帰路につく前にもう一度下回りを含めて融雪剤を除去、一路名古屋に向かいました。名古屋に着いた頃には、すでに日付けが変わっていましたが、すぐにインター近くの24時間営業のSSの洗車場で洗車します。クラシックカーのボディケアには絶対に水洗いしないという人と、水洗いしないとたまった埃や砂が湿気を呼ぶという人がいますが、少なくとも筆者のように頻繁に乗る人なら、中途半端な水拭きよりきれいな水でしっかり洗って走って水切りするほうがよいと思います。とくに冬場は融雪剤がまかれているため、下回り洗車には気を使うことをオススメします。

このところクラシックカーイベントというと、レポート用のクルマの撮影であわただしく動いて、気が付いたら終わっていた、ということが多かったので久しぶりにのんびりしたイベントを堪能できた気がします。

さて、今回は何事もなく…と思ったらそんなワケが無く、今度は油圧計の動作不良と左ワイパーの動作不良が発生しました。最近は筆者のセリカLBもCL読者への読者サービスすることを覚えたようです。

[ライター・カメラ/鈴木修一郎]

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(CL 鈴木 修一郎)

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