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日産「プリメーラ」(初代) 20年来のオーナーに聞く、その実際のところとは?

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日産「プリメーラ」(初代) 20年来のオーナーに聞く、その実際のところとは?

欧州テイストあふれる初代、デビュー

 クルマのボディタイプは様々ありますが、それにともない、抱くイメージも人それぞれです。筆者(下高井戸ユキ:ライター)にとって、「セダン」のイメージを変えた1台が、日産の初代「プリメーラ」でした。

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 1990(平成2)年に発売された日産「プリメーラ(P10型)」は、「欧州の名車に匹敵する走りの性能と、快適性を実現する」というコンセプトで開発されました。

 まず、「走りの性能」の方は、日産が1980年代後半より行っていた「901活動」による成果を投入されたものでした。この「901活動」というのは、日産が「90年に世界一の動性能を実現しよう」を合言葉に展開していた開発事業。当時発売された「スカイライン(R32型)」や「フェアレディZ(Z32型)」などともに、「プリメーラ」も高い基準を目指して開発されたモデルなのです。フロントにはダブルウィッシュボーンをベースとした、FF車としては珍しいマルチリンク式サスペンションを採用し、当時の国産車としては、随分とコストのかかった設計。ハンドリングや足回りが「欧州車っぽい」と高い評価を受けました。

セダンのイメージを変えるスタイル

「快適性」の方も、広めの室内、大容量トランクなどで満足感を得られる1台でした。特に後部座席の広さは見た目以上で、大人がゆったり座れる空間がありました。「プリメーラ・パッケージ」というキャッチコピーが、設計力への自信を物語っています。

 何より良かったのがスタイリングです。ひと目で、「あ、なんか欧州車っぽい」というラインを有しており、それまで「大人仕様」だったセダンのイメージを一新した仕上がりになっていました。実車を見た時、失礼ながら、「セダンでもかっこいいクルマはあるんだ!」と、驚いたのを覚えています。まさに、「イメージが変わる瞬間」でした。当時、その魅力に虜になった若者は多数いますが、日本レース写真家協会にも所属するフリーランスフォトグラファーの田村 弥(わたる)さんも、そのひとりです。

 田村さんが現在も所有するのは、初代「プリメーラ」の最終型、1995(平成7)年式「Tm-Sセレクション」です。「もともとコンパクトセダンが好きでしたが、いわゆる『おっさんセダン』が多い中、やっとカッコイイのがでたなぁ! と思いました」と購入を決めたそう。田村さんにとって初めての所有車で、それ以来20年以上共に過ごす相棒です。

長く乗ったオーナーの、本音の感想は…?

 改めて魅力をうかがってみると、「しっかりとした実用性、取り回しの良さ、高速巡航からスポーツドライビングまでこなせる乗り味でしょうか。意外と自動車業界の方に『良いクルマだったよね』と言われることが多いかな(笑)」とのこと。さらに、「当時BTCC(英国ツーリングカー選手権)やJTCC(日本ツーリングカー選手権)などのツーリングカーレースで活躍する姿に惹かれました」と、数多くのレースを撮影するフォトグラファーらしい答えが。

 1993(平成5)年、ヨーロッパでは2000ccのエンジンを搭載した4ドアセダンによるレースがブームとなり、イギリスで行われたBTCCに、当時イギリスでも生産されていた初代「プリメーラ」が参戦していたのです。JTCCでも、「プリメーラ」「プリメーラ・カミノ」が代々に渡って、華々しい成績を納めました。

 決して派手ではないけれど、ちょっとハーフっぽい顔立ちで、成績がよくて運動もできる、というイメージの「プリメーラ」。そんな1台を、「幼馴染の親友のような存在」という田村さん、うらやましい限りです。最近、路上で見かけることは少なくなりましたが、セダン好きには特別な1台であることは変わりません。

 ちなみに、「実は昨年の春に、信号待ち停止中に大型トラックに追突されまして……。結構なダメージを負ってしまったので、これで長い付き合いも終わりかな、とも考えましたが、なんとか復活させました。修理とは言いながらも、ほぼレストアに近い作業を経て、キレイになって帰って来たのがうれしかったなあ」とのことで、田村さんと「プリメーラ」の付き合いは今後も続きそうです。

【写真】「プリメーラ」のインパネまわり

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