レトロ調軽自動車ブームのさきがけ
2012(平成24)年2月29日をもって軽自動車生産から撤退したスバルですが、「スバル360」から始まった長い歴史のなかには、数々の名車が存在します。そのなかから、今回スポットを当てたいのは、スバル最後の正統軽セダンとなった「ヴィヴィオ」です。
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「ヴィヴィオ」は、1992(平成4)年3月にデビュー。「レックス」の後継車として開発された軽セダンで、3ドアハッチバックと5ドアハッチバックをラインアップ。当時のスバルは、「高性能だけど垢抜けないデザインのクルマ」というイメージを初代「レガシィ」のヒットにより一変させることに成功しており、この流れは「インプレッサ」、そして、軽自動車の次期主力となる「ヴィヴィオ」と続きました。
欧州テイストのスタイルに仕上げられた「ヴィヴィオ」は、シンプルだけど愛らしさのあるクルマでした。ユニークなのは、デザイン面でも様々なチャレンジをしたこと。丸目ヘッドライトと大型グリルを与えたクラシカルなマスクの「ビストロ」シリーズは、大ヒット。この流れはほかのライバル軽自動車たちにも派生し、レトロ軽ブームを巻き起こしました。
また、あまりの奇抜さから不発に終わったものの「T-top」と呼ばれるルーフとリヤガラスが着脱可能なタルガクーペまで発売。こればかりはほかの追従を許さず、かなり攻めたものでした。もっとも限定販売ではありましたが……。
中身は実にスバル! 磨き抜かれた本物のメカニズム
「ヴィヴィオ」において、スバルらしさが最も色濃いそのメカニズムは、まさにこだわりの連続。足回りは、「レガシィ」と同じ構造である4輪独立懸架のストラット式を採用し、走りの良さをアピール。トランスミッションは、国産他社に先駆けて無段変速機であるCVTを積極的に搭載。エンジンは、従来型となる「レックス」から4気筒化を進めるなど、軽自動車の枠に収まらない贅沢な設計となっていました。
その頂点に君臨したが、スポーツモデルの「RX-R」です。3ドアボディに、64psを発揮する新開発スーパーチャージャー付660 直列4気筒DOHCエンジンを搭載。トランスミッションは5速MTのみ。さらに前輪駆動車だけでなく、フルタイム4WDも用意。ボンネットには大型のエアインテークが設けられており、まさに「“ミニ”インプレッサWRX」のようなクルマに仕上げられていました。
その実力は国内外ラリーでも実証され、初参戦となった1993(平成5)年の「サファリラリー」では、クラス優勝に加え、全カテゴリー52台の参戦車中、18台の完走車に残っただけでなく、総合12位に輝きました。まさに小さな巨人というべきクルマだったのです。
終焉に向かう「スバルの軽」
しかしながら、1993年に登場したスズキ「ワゴンR」が軽市場の中心を軽トールワゴンへとシフトこともあり、スバルも、軽新規格に合わせて1998(平成10)年に投入された新型車「プレオ」を、軽セダンではなく、流行の軽トールワゴンとして開発、スバルの軽セダンの歴史に一旦ピリオドが打たれました。
スバルはその後、軽トールワゴンの「ステラ」を軸に、新たなニーズの開拓として、デザイン重視の高級志向の軽自動車であるクーペの「R1」とセダンの「R2」を投入しますが、思ったほどセールスにはつながらず、最終的には軽自動車開発からの撤退を余儀なくされます。
ただ街角からモータースポーツまで幅広い活躍を見せたスバルの軽は、「ヴィヴィオ」まで。それだけに、スバルの軽自動車の中でも忘れられない1台となっています。
【画像】こう見えて4人乗り、タルガトップの「ヴィヴィオ T-top」
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