VWにとって13番目のブランドがベルリンに拠点を置くシェアライド・スタートアップ企業の「MOIA(モイア)」だ。“2025年までに欧州と北米の主要都市の路上から100万台のクルマを削減する”をコンセプトに掲げている。そのキーとなるのがタクシーより安く、すぐに見つかり、快適に移動でき、都市の渋滞を最大90%減少させるライドシェアだ。
今年9月からはハノーバーを舞台に、20台のVWのミニバン「T6」を改造した車両などによる開発テストを始めているが、12月4日にベルリンで開催された「テッククランチ2017」で、計画の第1歩となる量産シェアカーのコンセプトをワールドプレミアしてきた。
シェアカーはピュアEVで、最大6名の乗員を運ぶことが可能。独立した1名掛けシートのほか、オフィシャルサイトによれば後席に2名掛けのLOVEシートも備わる。また、1.75mの天井高や広いレッグルーム、各シートを楽に移動できるウォークスルー空間がレイアウトされ、乗り合い客が快適に過ごせるほか、1人で過ごしたい場合のプライバシーにも配慮したデザインになっている。
各シートは読書灯やUSBポートを備え、シェアカー各車は高速WiFiをサポート。天井はアンビエント照明で、室内のディスプレイには現在地や、各乗客が目的地に到着する時間が表示される。こうした情報はAPPからも確認可能だ。乗降が楽な大型自動スライドドアをもち、運転席脇にはラゲッジを収納する十分な空間が用意される。EV航続距離はWLTP標準モードで300km以上、駆動バッテリーは80%までなら30分でチャージできる。
また、乗客はAPPで目的地までの料金を確認し、予約や支払いも行なう。ドライバーは専用APPからの指示に従って効率よく客を運ぶことができる。
2018年のハンブルグでの公道デビューを皮切りに、ベルリンやヘルシンキでも、都市と連携しながら投入していくという。欧州ブランドらしい大人っぽいデザインもさることながら、クルマ市場や交通環境、マイカー市場に及ぼす影響にも注目だ。
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