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有名モデラーから初心者まで。とんでもないクオリティを堪能できる「オートモデラーの集い in 名古屋」

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有名モデラーから初心者まで。とんでもないクオリティを堪能できる「オートモデラーの集い in 名古屋」

以前、「関西オートモデラーの集い」についてお送りしましたが、今回は筆者の地元で開催された「オートモデラーの集い in 名古屋」についてお伝えしようと思います。カーモデル専門の模型展示会としてはじまった当イベントは、年間を通して全国各地の会場を持ち回りのように開催され、毎年その締めを飾るのが、トヨタ博物館のホールで開催される「オートモデラーの集い in 名古屋」です。

大盛況の会場内!

クルマ好きの思いが詰まったジオラマや名車たち。関西オートモデラーの集いを訪れて

今年は11月19日開催となったのですが、オートモデラーの集いというよりもカーモデラーの締めとなるイベントとでもいうべき存在で、名古屋開催のオートモデラーの集いはとくに盛り上がります。参加者もこれらのイベントのなかではもっとも多く、またハイレベルな作品やプロアマ問わずその道では有名なモデラーが集まるイベントで、某自動車模型専門誌の作例となったカーモデルがいくつも並んでいるという光景も珍しくありません。

開場から1時間もしないうちにこの盛況ぶりです。筆者は11時ごろに会場に着いたのですが、もうすでにこの状態でした。名古屋のイベントは盛り上がるだけでなく、年を追うごとに参加者も増え、展示スペースも増えているはずなのに毎年筆者のようなズボラ地元モデラーが行く頃にはもう展示スペースがないという有様です。(苦笑)

展示されたこだわりの名車たちをご紹介

■ICM製1/24スケール1911年型フォードT型
ICMとはハセガワが輸入代理店を務めるウクライナのプラモメーカーです。実はウクライナは精密加工を得意とする工業国でもあり、主にミリタリーモデルのプラモメーカーが存在するのですが、最近はスタッフカーや非装甲車両の派生から、民生用車両のクラシックカーにも展開したようです。

とはいえ、東西冷戦時アメリカと対立していた共産圏のプラモメーカーがアメリカ車史上最高傑作といってもいい、フォードTのキットをリリースするというのもなんとも不思議な話ですが。ちなみに筆者も作りましたが、パーツ割りに日本製キットのような親切さ(?)は無いですが、パーツの精度はなかなかのものでした。

■ハセガワ1/24スケールBMW2002ターボ
マルニtiiが出た瞬間、だれもがバリエーション展開で出るだろうと予想していたマルニターボです。つい数週間前に発売になったばかりのマルニターボがさっそく出展されていました。メーカー的にはグレードや姉妹車でバリエーション展開しやすいクルマは商品化しやすいそうです。

■同じBMW2002tiiでも…
よく、プラモデルで同じ車種、機種でも出すメーカーごとにディテール再現の考え方の違いが出るといいますが、解釈の違いというのはビルダーによっても出るようです。

■1/25AMTキャタピラー・ブルドーザー
読者の皆様、実は「キャタピラー」というのは登録商標だということをご存知でしょうか?実はアメリカイリノイ州に本拠地を置く世界最大の建機メーカーでもあり、日本でも三菱重工と合弁で「キャタピラー三菱」(現在は三菱資本が離れキャタピラージャパン)という日本法人を設立していました。

日本では建機というと子供が興味をもつ「はたらくくるま」という認識ですが、アメリカでは自動車や飛行機、船舶同様、熱心な「建機愛好家」というのが存在し建機・重機もホビーとして確立し、愛好家向け(業界向けではなく)の専門誌も存在しているようで、プラモデルのモデル化の対象にもなるくらいですからよほどの人気があることが伺えます。

■タミヤ1/12スケールフェアレディ240ZGストリートカスタム
ある一定の、世代の方には憧れのタミヤのビッグスケールモデルはキットだったのではないでしょうか?フル開閉のギミックはビッグスケールのカーモデルの醍醐味といってもいいかもしれません。ちなみに、タミヤの1/12スケールのフェアレディZはサファリラリー仕様と、240ZG(ノーマル)に近年に販売された240ZGのカスタマイズ仕様が存在しますが、数年おきに再版されているロングセラー商品です。

■アシェットコレクション1/8スケール ラ・フェラーリ
最近はTVCM等でおなじみ、分冊百科の組み立て式のビッグスケールダイキャストミニカーです。フル開閉にダイキャストの重量感が分冊百科のモデルカーの魅力かもしれません。また、塗装不要で付属の工具だけで組む事ができ、隔週で少しづつ部品が届くというペースもこれらのキットの組み立てやすさに寄与しているのでしょう。

「分冊百科」の組み立て式もあればなんとフルスクラッチも…

■ディアゴスティーニ1/8マクラーレンMP4-23
しばしばCLでも話題にもなる「分冊百科」の組み立て式ミニカーもこの展示会の対象になります。さすが1/8スケールとあって迫力が違います。筆者の好きな国産クラシックカーでもトヨタ2000GTやハコスカGT-R、最近ではコスモスポーツがリリースされて、ちょっと心が揺れたのですが、これでスバル360が出たら間違いなく手を出してしまうと思います。(苦笑)

こちらのマクラーレンMP4もどこかの分冊百科の組み立てキットかと思ったのですが…

なんと、フルスクラッチ(自作)とのこと…恐れ入ります。

■フェラーリ365GTB/4
キットメーカーは失念しましたが、数か月間に40年間行方不明になっていた世界で唯一のアルミボディ仕様のフェラーリデイトナが岐阜県の納屋の中で発見されたというニュースが遭った事は記憶に新しいかと思います。さっそく、岐阜の納屋で発見されたフレームNo.12653の個体を再現された方が居ました。生々しいウェザリングが見事です。

■フジミ1/24スケールトヨタカローラレビン1600GT(TE27型)改TE25型カローラ1400SR
拙作ながら、筆者の作品です。ナンバープレートを見てピンと来た方もおられるのではないでしょうか?岐阜の納屋のフェラーリに続いてこちらは東日本大震災の津波被害に遭いつつも、全国の愛好家の支援で公道復帰を果たした「震災カローラ」を再現してみました。

■ラルフネーダーレポート
同じく筆者の拙作より、これを見てピンとくる方はクルマ好きというより、産業史や経営史に精通した方ではないでしょうか。キットはバンダイメカコレシリーズ ウルトラマン「科学特捜隊専用車」なのですが、実はこの劇用車がウルトラマンを制作していた円谷プロダクションの円谷一監督(日本の特撮、撮影技術の巨匠、円谷英二の息子)の自家用車のシボレーコルベアを、そのまま科学特捜隊のデカールを貼っ他だけの状態で撮影に使用していたため、デカール以外は実質「シボレーコルベア」のカーモデルです。

消費者運動の先駆けとなり後の製造者責任やリコール制度へとつながる「ラルフ・ネーダー弁護士」が指摘したコルベアの構造的欠陥による横転事故をモチーフにしたジオラマを作ってみました。



■フジミ1/24スケール日産スカイライン2000GT-R2ドアHT
フジミのハコスカをフル開閉ギミック化にメタル製S20型エンジンのフルディテール仕様。筆者も何度か開閉ギミックの改造に挑戦したことはあるのですが、ヒンジの取り廻しを考えるだけでもかなりの労力を要します。とくに前ヒンジボンネットと、実車同様にフェンダーの内側に回り込むドアヒンジを再現するのは並大抵のことではありません。

■ハセガワ1/24スケールトヨタ2000GTスピードトライアル仕様
某カーモデル雑誌のトヨタ2000GT特集で作例として掲載されたカーモデルです。こういった模型雑誌の誌面を飾った作品を直にみることができるばかりか、作品を作ったモデラーの方と会話することもできるのがこの展示会の醍醐味かもしれません。

こんなイベントには意外な出会いもある

■タミヤ1/24スケール シュニッツァーセリカLBターボGr.5
以前、「不思議な因縁のような歴史が?日本車とドイツ車の『因果な関係』を紐解く」で触れたセリカLBターボです。セリカLBというとGr.5のLBターボはプラモやRCカーでモデル化されるケースがあるのですが、一方でなかなかモデル化の機会に恵まれないのが筆者の初期型LBだったりします。(苦笑)

もう一台シュニッツァーのセリカLBターボ?と思ったら

なんとアオシマ1/24スケールのMX41型マークIIグランデ2ドアHTでした(!)

よく見るとノッチバックの2ドアハードトップなのですがブリスターフェンダーとウェストラインにまったく違和感がないほどまとまっていて、フロントマスクを見るまで気づきませんでした。何度見直してもまるでこういうキットがあったというより、実車のレーシングカーに実在したのではないかとさ思えるフィニッシュにはただただ驚嘆するばかりです。

当日はオートモデラーの集い名古屋の名物(?)株式会社ハセガワの金型設計の山梨友輔氏による新製品のトークショーと質疑応答もありました。(実は筆者は毎年これを楽しみにしています。)

■1/12スケールスズキGT380
企画段階で年配の担当の方が「兎に角初期型に拘った」そうで、初期型が劇中車に採用された映像作品の版権モノへのバリエーション展開も匂わすような一言もありました。もし、実現を望むのであれば「皆様、まずは上層部を商品展開の需要があることを納得させるためにも買ってください」ということだそうです。

■1/35スケール日立建機振動ローラZC50C-5
前述のキャタピラーのブルドーザーのように、実はハセガワも1/35スケール(ミリタリーモデルの標準スケールです)で建機シリーズの展開を始めたとのことで第二弾として発売前の日立建機振動ローラの展示もあり、注目を集めていました。

スポーツカーやレーシングカーのような花形車種だけでなくこういった車両がモデル化の対象になるというのも輸送機器立国、製造業立国の日本にとっては、ある意味意義深いことではないかと思います。企業コラボで、土建業者のノベルティやコラボで自社のロゴ入りの特注製品という展開も期待できるかもしれません。

近日発売のアイテムのお披露目も

近日発売の初代シビックRSのテストショットのお披露目もあり、当日の来場者の注目も集めていました。最近はプラモデルでも国産クラシックカーがブームとなっているようです。

また、11月3日に開催された「おおさかホビーフェス」で発表されたばかりの新製品、1/24スケールJT150系いすゞジェミニ、いわゆる「町の遊撃手」のモデル化を発表したこともあり、今後の展開の質問や他の車種のリクエストなどが来場者から寄せられていました。

初心者でも気軽に参加できるイベント

最近は、筆者も製作スペースが遅れてBMW2002tiiが製作途中のままになっているのですが、やはりこういうイベントを見ていると製作意欲を掻き立てると同時に、凄い作品を間近に見ることが出来て刺激になったり勉強になることがあります。

このイベントの趣旨のひとつに、初心者でも参加を躊躇しないようあえてコンクールや賞を設けないというのがあります。初心者でも気軽に参加できる、そのイベント趣旨に少しでも貢献できるよう、参加者の心理的ハードルが少しでも低くなれば…というのを上達もしなければしない、学習もしない言い訳にして、駄作ばかり作って展示している筆者であります。

[ライター・カメラ/鈴木 修一郎]

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