インジェクター化によって最適な燃料噴射 気温や湿度が変化しても安定燃焼を実現
旧車のエンジンをキャブレターからインジェクションに変更できる『レーシングスロットルボディ』を燃料系パーツを製作する「ミクニ」が東京モーターショー2017(東京都江東区・東京ビッグサイトで10/27~11/5で開催)に参考出品されていた。 もし、これが市販化されれば季節を問わず旧車を楽しめることは間違いない。
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ハコスカ(日産C10系スカイライン)など1970年代中盤までの旧車と呼ばれるクルマのエンジンは、ほとんどがキャブレターを装着している。 キャブレターとは、エンジンに燃料を供給する装置で、現在のクルマは電子制御されているインジェクターが採用されている。
キャブレターは、アクセルペダルを踏み込むことでスロットルが開き、その負圧を利用してガソリン(燃料)と空気をシリンダーへ供給する。 しかし、その構造上、気温や湿度などの環境変化によって適切な混合比を生成できない。そのため、季節毎にセッティングを変更するなど手間が掛かっていたのだ。
そんな悩みを解決するために「ミクニ」はインジェクターを装着できる『レーシングスロットルボディ』を提案してきた。レーシングスロットルボディは、アルミダイキャスト製で2気筒単位で製作するそうだ。
ウェーバーやソレックスなどメーカーを問わずキャブレター(2気筒分がワンセット)のインテークのボアピッチも取り付け用スタッドボルトの間隔も同じになっている。
だから、どんなエンジンにも使用できるそうだ。ちなみに4気筒なら2コ、6気筒なら3コのスロットルボディを装着すれば良いということになる。
東京モーターショーで展示されていた日産のL型エンジンには、3コの『レーシングスロットルボディ』が装着され、さらにインジェクターに燃料を供給するフューエルデリバリーパイプも装備。まさにプロトタイプとはいえ、ほぼ市販モデルともいえる完成度だった。
ちなみに、インジェクターはエンジンの仕様によって容量異なるので別売りとなる(差し込み部の径は容量に関係なく同じ)。レーシングスロットル自体はポン付けできるが、インジェクターを制御するコンピュータも必要となるため、チューナーの技術力なくして装着することはできないだろう。
担当者によると「反響があれば市販化を検討する」とのこと。オリジナルのエンジンを生かしながらモダナイズ(現代化)できるこのパーツは、旧車オーナーにとって注目されることは間違いないだろう。
ミクニ http://www.mikuni.co.jp/
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