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期待大の新技術「SKYACTIV-X」 しかしその技術説明に違和感あり!? 【クルマの達人になる】

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期待大の新技術「SKYACTIV-X」 しかしその技術説明に違和感あり!? 【クルマの達人になる】

 マツダが開発をしているSKYACTIV-X。ガソリンエンジンの可能性を大きく広げる先端技術ではあるものの、実はそのプレゼンテーションで少し気になる部分があったという。それがガソリンエンジンとEVの効率の比較。マツダのデータによるとSKYACTIV-XはEVよりも二酸化炭素排出量において有利だという。しかし長年EVに乗ってきた国沢氏にはそのデータの根拠に違和感を覚えたようだ。SKYACTIV-Xの詳細はこちらから(→https://bestcarweb.jp/feature/test-drive/2011)。

文:国沢光宏/写真:マツダ
ベストカー2017年11月26日号「クルマの達人になる」

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■二酸化炭素排出量は発電を含むとEVよりガソリン車有利!?

 マツダの次世代技術群『SKYACTIV-X』に試乗してきた。注目の圧縮着火エンジンSPCCIは、試乗できるだけで凄いという世界最先端の技術ということもあり、現時点での仕上がり具合についちゃ皆さんの如く素直に「すばらしい!」などという表現は私にゃ無理。むしろ「ハイブリッドとの勝負に勝てるのだろうか?」と気になった。圧縮着火エンジン、スーパーチャージャーも使うなど、コスト的に高くなりそう。ハイブリッドとの価格競争に勝てるのかが課題だと思う。

 それはさておき、技術プレゼンで気になったのが、徹底的な電気自動車叩きである。マツダのエンジン屋さんの伝統芸なのか、ライバルを叩くことを好む。SKYACTIV-Gではダウンサイジングターボを徹底的に否定し、VWのディーゼル排出ガス不正の時も他のメーカーの悪口大会に終始した。百歩譲って、ライバル叩きが妥当なら納得できるけれど、いつも自分にとって都合のよいデータばかり並べてくる傾向。今回も驚くべきデータだ。

 骨子を挙げると「電気自動車は走行時に二酸化炭素を出さないが、電気作るところから考えれば内燃機関有利である」というもの。提示されたデータを見ると、リーフ級の電気自動車と、アクセラのガソリン車の走行1kmあたりの二酸化炭素排出量を比べている。曰く「電気自動車は1kmあたり128g。アクセラ142g。アクセラの燃費を10%改善すれば電気自動車に追いつく」。このデータ見て皆さん納得してる。

先進技術の実験段階のクルマに乗れることはすばらしいのだが……

■胸を張る新技術ならライバルとの比較は公平にすべし

 しかし! データの根拠を見て驚く。だって電気自動車の電費を4.7km/kWhという、普通なら考えられないほど悪い数字とし、いっぽう、アクセラの燃費は19.2km/Lでエコランやったように超すばらしい数字! アクセラのJC08燃費って1500ccでも20.4km/L。ちなみにリーフのJC08電費は9.5km/kWhである。マツダが示したデータとJC08燃費を照らし合わせると、アクセラはJC08燃費の95%達成なのに対してリーフだと半分。こんな数字を使って内燃機関の優位性をアピールしちゃアカンと思う。

 参考までに書いておくと、限りなく実燃費に近い数字で有名なアメリカEPAのデータだと(例えばプリウスだと22km/L)、アクセラが13.5km/L。リーフは6.6km/kWhである。これをベースに二酸化炭素排出量を出すと、アクセラ201g/kmのリーフ91g/kmとなり、二酸化炭素排出量は半分以下になる。アクセラの燃費を10%伸ばしたって、とうてい電気自動車に届かない。しかも電気は太陽光で作ることだって可能。

 すばらしい燃費の内燃機関を開発する姿勢はすばらしいと思う。けれど、だからといってライバルや他の技術を叩くのはいかがなものだろうか? 第二次世界大戦末期、日本の技術者達はプロペラ効率の追求に血道を上げ、ジェットエンジンを否定。けれど欧米の技術者達はプロペラだけでなくジェットエンジンも評価した。その精神が新しい技術を生み、育てる。皆さんどう思いますか? 

マツダのプレゼンテーションは「人馬一体」なども含み、非常に熱い印象を受ける。しかし今回の比較には少し疑問が残ったようだ

 

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