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WEC富士2017 初めての有頂天レースレポート(風)!<藤本えみり/Emiri Fujimoto>

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WEC富士2017 初めての有頂天レースレポート(風)!<藤本えみり/Emiri Fujimoto>

2017年10月13日~15日に開催された、「WEC世界耐久選手権第7戦富士6時間レース」。その決勝レースに行ってきました!

決勝当日、富士スピードウェイのプレスルームに入り、パソコンを開いて準備をしていた時、番組のプロデューサーからの突然のひと言が。

新しくなってさらに広く!N-BOXはワクワクさせてくれるクルマでした!<レポート:藤本えみり/Emiri Fujimoto>

「このレースのレポートを書いてみる?」
そこから、この有頂天レースレポートが始まりました。
「レースレポートなんて書いたことがないけど、チャレンジしてみます」と答えたものの、こんなに大変なものだったなんて…!
「富士の決勝からもう何日過ぎているんだろう(泣)」と焦りながら、レースレポートにチャレンジしました。皆様、どうぞ、温かい心で読んでください。

金曜のフリー走行、そして土曜の予選に続き、雨となった日曜の決勝。レース直前の富士スピードウェイは、雨、そして霧に包まれていました。

午前11時、セーフティーカー先導で全車がスタート。外気温は14.6度、路面はフルウエット。フロントローはポルシェ、その後にトヨタ2台が続きます。

スタートから5周目でセーフティーカーが離れ、ようやくレーススタート。その直後、1コーナーでLMP2のマシンがスピン。そして13コーナーで、トヨタ8号車(セバスチャン・ブエミ)とポルシェ1号車(アンドレ・ロッテラー)が接触。この時、ポルシェ1号車の右のカナードが飛んでしまいます。

ストレートに入ると、トヨタの2台がポルシェ1号車をかわし、順位はポルシェ2号車をトップに、トヨタ8号車、トヨタ7号車、ポルシェ1号車と続きます。

プレスルームの窓からは富士スピードウェイのストレートが見渡せますが、LMP1のマシンを実際に目の前で見ると、走行スピードがとても速いんです。ストレートを一瞬で駆け抜けていくような感じ。しかも、マシンから水煙をあげて走るような路面コンディションなのに・・・。
どんな状況下であっても、レースが始まればドライバーは走らなければならない。レースって本当に過酷なんですね。

その後さらに天候が悪化し、視界不良のためセーフティーカーが入ります。この時、コースは濃霧で真っ白な状態でした。

スタートから1時間。トヨタの2台が同時にピットインして、フルサービス(タイヤ交換、給油、ドライバー交代だそうです)を行います。トヨタ8号車のドライバーは中嶋一貴へ、7号車は小林可夢偉からホセ・マリア・ロペスに交代。

続いてポルシェ1号車もピットインし、フルサービスに加えて、先ほど破損したカナードのためフロントカウルを交換。ドライバーはニール・ジャニに代わりました。この時、トップを走っていたポルシェ2号車はピットインせず。

そしてスタートから1時間19分が経過した38周目に、濃霧のため赤旗が出てレース中断になってしまいます。

その後霧が晴れた12時50分、セーフティーカー先導でレースが再開。ここで、ポルシェ2号車が(やっと)ピットイン。その間にトヨタ8号車がトップに立ちます。2番手にはトヨタ7号車が続き、トヨタのワンツー体制に。

トヨタ8号車(中嶋一貴)が、4番手を走っていたポルシェ2号車(ティモ・ベルンハルト)を抜き、その差を1周遅れにした直後、再度セーフティーカーが入ります。レースの残り時間は3時間40分。

この時プレスルームでは、「あとどのくらい走れば、レースが成立するのか?」なんていう話も出ていました。

このセーフティーカー中、突然、トヨタ7号車のワイパーが動かなくなるというハプニングが起きました。セーフティーカーが入っている状況とはいえ、雨と霧の中でのレースでワイパーが使えないなんて、想像しただけで怖いです!なぜか、プレスルームに居る私がドキドキしてしまいました・・・。でも、さすがはWECを走るプロドライバー、トヨタ7号車は何事もなくピットまで戻ってきました。しかし、その修復作業に時間がかかってしまい、同時にピットインしたポルシェ1号車が先にコースイン。これにより、2番手が入れ替わります。トップはトヨタ8号車、次いでポルシェ1号車、トヨタ7号車は3位に。

■こういうのを待ってました!

レース残り3時間14分。セーフティーカーがピットに入ると、2番手を走るポルシェ1号車(ニック・タンディ)に、トヨタ7号車(ホセ・マリア・ロペス)が迫ります。「先ほどのピット作業で奪われてしまった2位の座を、必ず取り返すぞ」という、気迫のある走りで1号車との差をどんどん縮めていく、ホセ・マリア・ロペス。2台のマシンは水煙をあげながら、何度もバトルを展開します。私、こういうバトルが見たかったんです!

さらに、このバトルの間に、トップを走るトヨタ8号車がピットイン。これにより、ポルシェ1号車とトヨタ7号車のバトルは、「トップ争い」へと変わります。どっちが勝つんだろう?レース、盛り上がってきましたぁ~!

しかぁ~し、ここでまたセーフティーカー(泣)。このセーフティーカーランは長く続き、やっとレースが再開したと思いきや、リスタートしてすぐ、ヴァイヨン・レベリオン13号車(マシアス・ベシェ)が大クラッシュ。そのクラッシュの激しさに、私も思わず「あっ・・・!」と声が出てしまいました。(ドライバーが無事で良かった)。これによりレースは、再びセーフティーカーとなります。

コースに飛び散ったパーツの片付けが終了し、残り2時間12分でレース再開。早速、トヨタ7号車がポルシェ1号車を交わしてトップに立ちます。さらにトヨタ8号車も1号車を交わし、再び、トヨタがワンツー体制になりました。

途中、フルコースイエローの間に、トヨタ7号車のドライバーはマイク・コンウェイに、ポルシェ1号車のドライバーはニール・ジャニに交代します。
この時点で、トップはトヨタ8号車(中嶋一貴)、そしてトヨタ7号車、ポルシェ1号車の順。

残り2時間を切った頃から、コース上には霧が立ち込め、またしてもセーフティーカーが導入されます。(セーフティーカー、これが何度目なのかさえわからなくなってきました・・・)。
そして残り1時間29分になったところで、この日2度目の赤旗が振られてしまいます。レースは再度中断となりました。
「残り時間もあとわずかだし、もしかしたら、このまま終わってしまうかもしれない。でも、最後までレースをみたい!」。この時は、霧が晴れますように・・・と、心の中で祈っていました。
ストレート上には全てのマシンが整列し、一旦クルマから降りるドライバーもいる中で、動きのないまましばらく時間が経過しました。

その後1時間以上経った時、突然、レース再開のアナウンスが流れました。
「さすがに、もう続行はないだろうな」と諦めかけていた私は、「えっ、再開?ホントですか?」と大騒ぎ。閉じていたパソコンを開いて、再びスタンバイしたんですが、ドライバーがマシンに乗り込んだところで、「レース終了です」との声が・・・。残念・・・。
16時45分、WEC富士決勝レースが終わりました。

優勝は、トヨタ8号車でした。2位はトヨタ7号車、3位にポルシェ1号車、4位にポルシェ2号車。ホームコースの富士で、トヨタがワンツーフィニッシュを飾りました!
レースは途中で終わってしまったけど、WEC富士でのトヨタとポルシェの最後の戦いを目の前で見ることができて、大満足でした。

10月21日放送のザ・モーターウィークリーWECレポートの中で、カーグラフィックの早田さんが話していましたが、「トヨタは、じつは、予選で2台のマシンにいくつかの問題があった。そのため、決勝前夜に、チームクルーや関係者がいろいろな検討を重ねた。その結果、良いセッティングが見つかって、決勝での快走に繋がった」そうです。

決勝レース後の優勝記者会見で、トヨタのドライバーの方々が、チームクルーやスタッフへの感謝の気持ちを熱く語っていたのも印象的でした。

ちなみにこの日、私の前の席には川喜多研さん、隣には世良耕太さん、その隣の隣には赤井邦彦さんというベテラン記者さんたち。そんなレース界の重鎮の皆さまが話しているレース用語をちゃっかりメモしつつ、教えていただきつつ、このレポートが完成しました。ありがとうございました。
そしていつもお世話になっている、富士スピードウェイの林昌直さんとは、記念撮影もしていただきました。

このWEC富士でのトヨタの勝利によって、タイトル争いは、次戦の上海、そしてバーレーンに持ち越されます。この後のWECも見逃せません。
ザ・モーターウィークリーでは、今シーズンも最後までWECを追いかけていきますよー。番組のWECコーナーもぜひ聴いてくださいね!!

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