パテは使わずアルミ溶接で修復 新品同様を取り戻す職人技を見る
クルマのボディが美しくても、肝心のホイールがキズだらけでは台無し。”オシャレは足元から”とは、クルマも同じことだと思う。 さて、今回はそんなホイールの美しさを蘇らせるリペア工場、『ワールドホイールサービス』の現場に潜入。修正から塗装まで、数多くの行程を得て、新品同様に蘇っていく姿をご覧いただこう。
【工場見学シリーズ】ハンドメイドが活きる3ピースホイール製造の裏側
いまや純正ホイールにも大口径化が進むなか、路肩に寄せすぎて「ガリッ」、死角にあった障害物に気付かず「ゴツン」なんてことも。”すぐ直そう→そのうち直そう→まっ、いっか……”と、放置プレイ状態の人もいるはずだ。 でも、専門のホイール修理業者にお願いすれば新品同様の姿に。リムのガリキズ、ディスク面の損傷、ひび割れ、塗装はがれ、腐食など、ホイールのトラブルを救済してくれる。サービス内容は業者によって異なるが、今回お邪魔した「ワールドホイールサービス」では、ダイヤモンドカットやバフ仕上げといった特殊な仕上げを始め、メッキカラーやハイパーカラーなどのペイントにも対応。 基本料金は、修理から塗装、仕上げまで含めて1本約1万円~と、思ったよりもお手頃。キズを直すついでにカラーチェンジでイメージ一新、なんていうオーダーも可能だ。
【01 分解】
修理依頼のホイールは、全国の提携ショップや個人ユーザーからホイールが送られてくる。 キズの状態を確認し、写真のようなマルチピース(分割構造)の場合は、作業しやすいようにリムとディスクを分解することもある。
【02 溶接】
リムが大きく曲がっているケースでは、旋盤加工でキズ部分を削った後にアルミ溶接でリム周囲を形成。 熟練の職人の腕が問われるところであり、ゲージに当ててキレイな円周を確認しながら作業する。
【03 研磨&洗浄】
回転研磨機で磨いたら、一度ホイール全体に熱湯をかけながら洗い流す。 リムの内側など、こびりついたしつこい汚れをこのタイミングでキレイに除去しておくためだ。
【04 サンドブラスト】
下の写真は「サンディングブース」と呼ばれる機械。 いくつものエアツールを使い分けて磨いた後、塗装の前処理となるサンドブラストを行なう研磨用マシンだ。この後にペイントする塗料の吸着をよくするため、特殊な粉体をかけて削り落としながら素地に”目”をつける。
茶色く見えるのが、その砂粒子(研磨材)。作業は密閉された機械内で行なう。
【05 塗装】
いよいよここから塗装へ。「ワールドホイールサービス」では、関西ペイントの塗料を全色用意し、調合によってあらゆるカラーに対応するうえ、ハイパーカラーといった特殊な塗料も常備。 帯電しにくいウエアを着用し、塗料が外へ出ないよう対策されたウォーターブースで塗装していく。
【06 乾燥】
塗装が終わったホイールは乾燥ルームへ。80℃の温度設定の中、約1時間かけて強制乾燥される。塗装が完全に硬化したら、クールダウン。 そして、いよいよ最終仕上げの段階へと入っていく。
【07 バフ磨き】
最後は、専用のバフ機でていねいに磨き上げられる。 目の粗さや、硬さなど、さまざまな種類があり、ふさわしいものを使い分けて仕上げていく。なお、ホイールをクリア塗装で仕上げる場合は、再度塗装の段階へと戻ることになる。
こちらは、リム外周がガリガリの状態となった「BBS」の補修例。 キレイに修復されたうえ、オーナーの要望にあわせてハイパーカラーで塗装した。
「ワールドホイールサービス」では、さまざまな塗装に対応。 ソリッドカラー、マットカラー、キャンディカラー、などにくわえ先進のハイパーカラーもOK。キズ直しと同時にイメチェンを図ることも可能だ。
こちらはキズ補修にくわえて、シルバーのディスクをブラックにリメイク。リムはポリッシュ仕上げで、汚れていたセンターキャップも美しくリフレッシュされた「ボルクレーシング」。 写真下のように、カラーペイントした後に、切削による「ダイヤモンドカット」処理にも対応可能だ。
ワールドホイールサービス・ホイール再生(参考価格)
リム曲がり、欠け修理(塗装仕上げ/バフ仕上げ/ヘアライン仕上げ) 9500円~ リムバフ仕上げのみ 6500円~ 全面バフ仕上げのみ 1万2000円~ リム修理時ディスク全面バフ(~18インチ) 1万5000円~ リム修理時ディスク全面バフ(19インチ) 1万6000円~ リム修理時ディスク全面バフ(20インチ) 1万7000円~ 全面塗装 8000円~
ワールドホイールサービス TEL053-435-4929 http://www.wws.co.jp
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