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エンジン別勝利数は3位! F1に革命を起こし続けたルノーF1「40年」を振り返る

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エンジン別勝利数は3位! F1に革命を起こし続けたルノーF1「40年」を振り返る

 プロスト・アロンソ・ベッテルなど偉大な王者を生んだルノー

 ルノーが、エキープ・ルノー(「エキープ」はフランス語でチームの意味)の名称で、F1にデビューしたのは、1977年のこと。つまり今年はルノーのF1参戦40周年のメモリアルイヤー。そこで、この40年のルノーの輝かしい歴史を振り返ってみたい。

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 ルノーのF1参戦は、5期にわけて整理できる。

 第1期は、1977年~1985年の「エキープ・ルノー」の時代。この時代で特筆できるのは、F1グランプリの歴史で、はじめて1.5リッターV6ターボエンジンを採用したこと。それまでのF1は、コスワースDFVを代表とする3リッターのNAが主流。過給器付きエンジンは、NAの半分の小排気量=1.5リッターならOKとされていたが、当時は排気量が半分ではターボでも勝負にならないというのが定説だった。

 しかし、ルノーは他社に先駆けターボエンジンでF1に挑戦。車体も自社開発し、デビュー3年目(1979年)の母国フランスグランプリで、ターボ車初の優勝を飾る。以後、マクラーレン・ホンダが1988年に16戦中15勝を記録して圧倒的な強さを見せつけ、レギュレーションでターボが禁止なるまで、F1のエンジンはターボが主流になっていくが、その先鞭をつけたのが、ルノーだった。

 1985年、1986年は、ロータスにもエンジンを供給。アイルトン・セナが、ロータス・ルノーで4勝を挙げているが、1986年をもって、最初のF1参戦を終了している。

 第2期は、1989年~1997年でエンジンサプライヤーとして復活。この間は車両の開発は行わず、エンジンサプライヤーとしての参戦。

 1989年から、F1のエンジンはターボが禁止になり、自然吸気(NA)3.5リッター、12気筒以下のレギュレーションに統一される。F1のターボエンジンのパイオニアだったルノーは、この時代も新機軸を打ち出す。それが、V型8気筒でもV型12気筒でもない、V型10気筒というスタイル。V型12気筒よりコンパクトで、V型8気筒より高回転高出力が望めるV型10気筒は、振動が大きいという欠点があったが、ルノーは独自の技術で、これを克服。

 また金属製のバルブスプリングに替わり、圧搾空気を用いて吸排気バルブを開閉させるニューマチックバルブもルノーの発明。これでさらなる高回転化を実現した。またトラクションコントロールなどもいち早く導入している。

 その結果、1989年~1997年の9年間でルノーエンジンは75勝(ウィリアムズ63勝、ベネトン12勝)という圧倒的な勝利数を誇り、90年代最強のエンジンの名をほしいままにした。とくに、ナイジェル・マンセルが9勝して悲願のチャンピオンの座を獲得した1992年と、年間16勝という大記録を達成した1995年(ベネトン=ミハエル・シューマッハ9勝、ジョニー・ハーバート2勝、ウイリアムズ=デーモン・ヒル4勝、デビッド・クルサード1勝)は、圧巻のパフォーマンスで、グランプリ史に残る快挙といえる。

 しかし、「もはやルノーがグランプリで勝ってもニュースとなることはなく、ルノーが負けた時にのみニュースとなる」として、1997年末にF1から撤退……。

 第3期は2002年~2010年。マイルドセブン・ルノーF1チーム第三期は、ベネトンF1チームを買収し、シャシー&エンジンを自社で開発するフルワークスとして、17年ぶりにカムバック。メインスポンサーは、日本たばこのマイルドセブン。

 ルノーらしいオリジナリティあふれる低重心のVバンク角111度のエンジンを開発。ドライバーも、フェルナンド・アロンソを擁し、2005年と2006年は、2年連続でコンストラクター、ドライバーのダブルタイトルを獲得。シャシーも2005年の「R26」に「マスダンパー」という秘密兵器を投入し、優れた空力特性を発揮した。

 第4期は2011年~2015年でエンジンサプライヤーとしての参戦だ。2010年で、車体開発からは手を引き、2011年からはルノー・スポールF1によるエンジン供給を開始する。

 第3期の2009年、2010年はルノーワークスとしての勝利はゼロだったが、エンジン供給先のレッドブルは好調で、2009年は6勝、2010年は9勝し、2010年から2013年までは、セバスチャン・ベッテルが、ルノーエンジンで4年連続チャンピオンになっている。旧ルノーチームは、ロータスとなり、このロータスもルノーエンジンで参戦。2013年にライコネンが1勝している。

 第5期は今年2016年からのルノー・スポール・フォーミュラワン・チーム。2016年、旧ルノーチームが母体のロータスチームを再買収し、フルワークスとしてのルノーが復活。再びトップチームに返り咲くべく、第1期ルノーF1で活躍し、1993年にはウイリアムズ・ルノーでワールドチャンピオンになった、4度の世界王者アラン・プロストをスペシャルアドバイザーにし、さらにはFIAの元技術部門責任者、マルチン・ブコウスキーをエグゼクティブディレクターとして契約したり、マックス・フェルスタッペンと並ぶ若手の有望株、カルロス・サインツJrを2017年の第17戦USGPからチームに加入させるなど、人材面を着々と強化。

 エンジンサプライヤーとしては、これまで通算168勝(歴代1位はフェラーリで229勝。2位はフォードコスワースで176勝。ルノーは3位で、4位にメルセデスが160勝と迫っている。ホンダは5位で72勝)。フルコンストラクターとしても、通算35勝をマークしており、2017年後半から、フルワークス復活3年目の2018年は、名門復活、台風の目となり、新たなルノー伝説がはじまることを期待されている。

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