ベストカーの国沢光宏氏の連載『クルマの達人になる』。連載回数480回を数える人気の連載だ。今回は国土交通省の貨客輸送の許可について、その先にあるライドシェアの可能性に触れています。安全、怖い!? ライドシェアの有効性にも迫ります。
文:国沢光宏/写真:Shutterstock
夏も残りわずか!! 海外でのドライブを満喫しよう【クルマの達人になる】
ベストカー2017年9月10日号『クルマの達人になる 第485回』より再録
■急な貨客輸送の認可、しかしライドシェアは日本だけが遅れる現実
いまや世界的に見ると当たり前の移動手段になってきたのがウーバーに代表される『ライドシェア』である。安全や治安に厳しいアメリカを始め、ドイツやイギリス、さらにはウーバーでこそないものの、中国までライドシェアが当たり前。なぜ日本だけ認可されないのだろうか?
これまで理由を聞くと「安全を保証できない」だった。しかし! 国交省は突如「貨客輸送を認可していく」。つまり荷物運ぶ軽バンに乗客を乗せてもいいということ。安全はどうなったのか? 国交省のいう「安全」は主として運転技量を示してきた。すなわち「タクシー運行するには普通免許よりレベルの高い二種免許が必要」というもの。
たしかに二種免許は運転技術を保証するけれど、車両の安全装備まで含めれば状況はひと昔前とまったく違う。タクシーで一般的に使われているクラウン・コンフォートを見ると、安全装備の進化はしていない。自動ブレーキなど夢のまた夢。横滑り防止装置がついていない年式もある。タイヤ性能も不安だ。衝突した時だって恐ろしい。サイド&カーテンエアバッグどころか、助手席に座らせられることになる〝若手〟は、助手席エアバッグすらなし。追突したら目の前に並ぶ名札や料金メーター等に顔面を突っ込む。
いっぽう、ウーバーなら車種ジャンルを選べ、最新の安全装備がフルに付く車両に安価に乗れる。今まで海外で乗ったライドシェアで、タクシーより安全装備レベルの低いクルマに乗ったことは、中国を含め一度たりともない。総合的に評価すればタクシーより安全であっても危険だと思えない。そもそも運転が苦手や嫌いな人はライドシェアをやろうなんて考えないだろう。
という状況の中、貨客輸送を認可するという。すなわちタクシーやバスで荷物を運べ、宅配便に乗客を乗せられるということだ。たしかに宅配便は小さい村落までいき、戻ってくるから、ニーズさえあれば荷物だけ運ぶより効率いい。本来荷物の運搬なので、タクシーより安価な料金設定も可能になるハズ。
■貨客輸送がOKでライドシェアがNGなのはナゼ?
しかし大きな疑問点もある。宅配便のトラックに代表される商用車は乗用車のようなレベルの高い衝突安全基準が適用されず、さらに二種免許の必要なし。これらのことを鑑みると貨客輸送はライドシェアよりすべての点で条件悪いと考える。貨客輸送できるようにするなら、トットとライドシェアを認めればいいのに。ライドシェアを認めず、交通機関に補助金を出すケースもあるが、税金の無駄使いでしかない。タクシー業界から得られる「バック」が大きいとしか思えない惨状である。
百歩譲って都市部やタクシーの台数がキチンと確保できる地域なら現状でいい。けれど今回貨客輸送を認めるという人口の少ない地域なら、同時にライドシェアもOKにすればいい。ライドシェアなら役所などで電話予約の取り次ぎをすることにより、お年寄りでも気軽に使えるし、ひとりで乗る自動運転と違い、荷物の積み下ろしや乗降のお手伝いもしてくれる。コストだって自動運転より圧倒的に安価。ということを考える政治家はいないのだろうか?
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