「徒歩ルート」でも自動車専用区間へ誘導されるケースも
高速道路への原付や自転車、歩行者の進入は禁止されていますが、これに誤って進入してしまうという事例が増加しています。国土交通省の資料によると、2012年には2512件でしたが、2016年には3678件となっています。
高速道路だけでなく、一般道の自動車専用区間への誤進入も起きています。国道1号のうち、国土交通省浜松河川国道事務所が管理する静岡県藤枝市から愛知県豊橋市にかけての区間は、その大半で原付や自転車、歩行者の進入が禁止されていますが、誤進入が後を絶たないことから、注意を喚起する看板を2017年だけで100か所ほど増設しているといいます。同事務所に話を聞きました。
――自動車専用区間への誤進入はどれほど増えているのでしょうか?
具体的な数値は現在調査中ですが、近年増加傾向にあり、今年(2017年)に入って明らかに増えています。特にゴールデンウィークや夏休みに多く、自転車でツーリングに来る人が、スマートフォンのナビゲーションアプリに誘導されて進入するケースが多く見られます。もちろん、自転車が進入禁止であるとわかっていながら、あえて入ってくる人もいます。
――ナビアプリにはクルマと徒歩とで検索条件を選べるものもありますが、自転車や徒歩でもクルマのルートで検索した結果、誤進入しているのではないでしょうか?
それもありますが、徒歩などによるルート検索であっても進入禁止区間に案内されてしまう場合もあります。管内の国道1号は「藤枝バイパス」(内谷IC 野田IC)から「潮見バイパス」(大倉戸IC 豊橋東IC)まで10の区間からなり、一部では自転車や歩行者の通行も可能ですが、誤進入が特に多いのは自転車・歩行者通行禁止の「島田・金谷バイパス」(野田IC 掛川市佐夜鹿)です。ここでは多くのアプリにおいて、徒歩ルートであっても案内されてしまうことが確認されており、地元の島田署がこの区間に誤進入したサイクリストの方々から聞き取りをしたところ、およそ半数が「ナビアプリに誘導された」という回答でした。
国はアプリ会社へ「安全配慮上の措置」要請
――注意喚起の看板を増設してから、どう変わったのでしょうか?
効果に関する正確な数値はわかりませんが、自転車の人が増え続けており、相対的にあまり変わっていない印象です。自転車が通れる国道1号の旧道は県道になっていることもあり、う回ルートがわかりづらいことから、それをスマートフォン上で確認するためのQRコードを看板に設けることも検討しています。
――アプリのユーザーが気を付けるべきことはありますでしょうか?
やはり現地の標識を確認し、それに従って通行することでしょう。
※ ※ ※
国土交通省道路局も2017年7月に、アプリなどの提供事業者へ「安全配慮上の措置」を要請しており、参考として2016年8月から2017年3月に首都高へ誤進入した原付、自転車、歩行者のうち、約2割がナビアプリを利用していたという数値を挙げています。
同局は「自転車または歩行者向けのルート案内で、自動車専用道路など自転車や歩行者の通行が禁止されている区間へ誘導しないようにするほか、これらの方々が自動車向けルートで検索する場合もあるため、『これは自動車向けルートである』『自動車専用区間を通行する』といった旨をわかりやすく示すよう要請しています」といいます。
自転車ルートも選べるナビアプリ「ゼンリンいつもNAVI」を提供するゼンリンデータコム(東京都港区)によると、「徒歩や自転車、クルマとで通行要件を分けてデータを整備しているので、徒歩や自転車のルートで自動車専用区間が案内されることは基本的にありません」といいます。
一方、「NAVITIME」「自転車NAVITIME」など多数のナビアプリを提供しているナビタイムジャパン(東京都港区)は、「地図データの提供会社から、自転車専用データを購入し、それを正しいものとして使用していますが、ユーザーからのレビューで『通行禁止区間を案内された』という声もあります。データは弊社でも定期的にアップデートしているほか、ご指摘があった道路は随時調査し、通常1週間ほどでデータの修正を反映できるようにしています」と話します。また、「自動車ルートと自転車ルートの違いは、イラストと文字でわかるようにしてるほか、カーナビと自転車ナビアプリは、それぞれ専用のアプリとして提供しています」とのことです。
なお、今回取材した国土交通省の各担当者も、ナビアプリの提供各社も、みな口をそろえて「最終的には現地の標識を確認し、それに従ってほしい」と話していました。
【写真】国道1号における誤進入防止のための看板
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