6つの項目を満たすと装着可能
濃霧など悪天候の際に自車の位置を後続車に知らせるための補助灯のひとつであるバックフォグランプ。正しく使用すれば、荒天時の被視認性を高め、安全性向上に役立つが、日本では天気がいいにもかかわらずノー天気にバックフォグを点灯し、後続のドライバーにまぶしい光(バックフォグの明るさは、ブレーキランプとほぼ同等)を浴びせ、ひんしゅくを買っていることもしばしば……。
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そんなバックフォグに関しても当然保安基準が定められている。
●保安基準 第37条の2 「後部霧灯」
自動車の後面には、後部霧灯を備えることができる。 (1)後部霧灯の照射光線は、他の交通を妨げないものであること
(2)後部霧灯の灯光の色は、赤色であること
(3)後部霧灯の数は、2個以下であること
(4)後部霧灯は、前照灯又は前部霧灯が点灯している場合にのみ点灯できる構造であり、かつ、前照灯又は前部霧灯のいずれかが点灯している場合においても消灯できる構造であること
(5)原動機を停止し、かつ、運転者席の扉を開放した場合に、後部霧灯の点灯操作装置が点灯位置にあるときは、その旨を運転者席の運転者に音により警報すること
(6)前照灯又は前部霧灯を消灯した場合にあっても点灯しているときは、尾灯は点灯しており、かつ、尾灯を消灯した後、前照灯又は前部霧灯を点灯した場合には、再度、後部霧灯の点灯操作を行うまで消灯していること 最初に「自動車の後面には、後部霧灯を備えることができる」とあるように、後付けであっても、上記の条件を満たせば、バックフォグの装着は可能。ただし、この基準はなかなか厳しい内容で、なおかつ非常にまっとうなもの。
(1)の「後部霧灯の照射光線は、他の交通を妨げないものであること」は、眩しすぎるバックフォグはNGだということ。濃霧や豪雨以外にバックフォグを点灯していると、取締りの対象にもなり得ることを意味している。
(4)は、バックフォグだけ点灯するのは不可であり、同時にバックフォグだけ独立して消灯できることが必須という意味。当然、ブレーキと連動して点灯するタイプも違反となる。
(5)は、バックフォグをONにしたまま、エンジンを停止した状態で、運転席の扉を開けたときは、アラームなどによって知らせること。
(6)は、ヘッドライトもフロントフォグランプもテールランプと連動していなければ違法なので、一度ヘッドライトやフロントフォグランプを消灯した場合は、自動的にバックフォグもオフになることが義務付けられていることを意味している。
これらの基準をクリアしていれば、無自覚に好天時にバックフォグを点けて、後続車に迷惑をかける人は、ほとんどいないように思えるが、実際の路上ではまだまだ好天時にバックフォグを点けっぱなしにしている人はよく見かけるわけで……。
おそらく、そうしたクルマは保安基準違反のバックフォグを装着しているのではなかろうか? 後付けのバックフォグを取り付けている人は、基準に抵触していないか、もう一度確認してみることをおすすめする。霧が出やすい地方や、降水量が多い町、雪国などを除けば、基本的にバックフォグは不要なはず。
車検場でもバックフォグの検査は厳しいと言われているので、ドレスアップ目的でバックフォグの装着を考えている人は、慎重に判断し、なおかつ上記の保安基準を確実に満たすよう細心の注意を払うこと。
そして、悪天候でもないのに意識的にわざわざバックフォグを点けている人は、その行為が迷惑であること、マナー違反であり、安全面でも問題があることをこの際しっかり自覚してほしい。
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