赤のケンメリは生産台数7台で実走行1万5000kmの極上個体
日本のみならず、世界的にも価値あるクルマとなったスカイラインGT-R。特に初代(ハコスカ・PGC10&KPGC10)と2代目スカイライン(ケンメリ・KPGC110)はここ数年勢いを増すように高騰し、ハコスカGT-Rは最低でも1,200万円~、総生産台数が197台(諸説あり)のケンメリGT-Rは2,500万円を下らないと言われている。
【今さら聞けない】中古車は走行距離が短ければ短いほどいいのか?
異常と思えるくらい急騰を続けるハコスカ&ケンメリGT-Rの相場だが、今回紹介する2台(ハコスカ2ドアハードトップとケンメリ)は数ある個体のなかでも稀少中の稀少。コレクターズアイテムとしてはトップクラスとして断言できる特別なGT-Rだ。
では、何がそこまでレアなのか? まずはそのボディカラー。ケンメリの赤(レッド)、ハコスカの栗色(サファリブラウン=正式名はサファリゴールド)ともに、じつはカタログに掲載されていない。そして、前者は生産台数がたったの7台(1台は日産自動車の座間記念庫に保管)。
後者は2ドアハードトップGT-Rが生産された昭和45(1970)年10月~昭和47(1972)年8月までの1年10カ月の間で、最初の2カ月(つまり昭和45年式のみ)のみ生産されたカラー。2ドアハードトップGT-Rの新車発表会でこのカラーの展示車が用意されていたため、同時に生産された数台(予備車)が市場に流れたと噂されている。
現在、中古車市場に存在するハコスカ/ケンメリGT-Rのボディカラーはほとんどがシルバーで、モータースポーツ参戦ベース車両らしくスパルタンな印象が強いが、それが赤や栗色に変わるだけでお洒落でスタイリッシュに見える。色の持つ力は凄いといわざるを得ない。
さらに驚くべきはケンメリの走行距離。「これって本当に実走行なの?」と疑ってしまうほど少ない1万5000km。
しかも、温度、湿度管理されていたガレージに完全オリジナルのまま長年保管されていたため、エンジンルーム、トランクルームともにしっかりと色艶をキープ。
内装も一部には新車当時の保護フィルムがそのまま残され、コンソール部分のシルバーの塗装にも傷など一切見当たらない。
ボディの立ち姿も旧車特有のヤレた感じもなく、まるで新車が販売されていた44年前からタイムスリップしてきたような奇跡の個体。これほど程度の状態の良いケンメリGT-Rは今後2度と現れないだろう。
ハコスカはホワイトボディに戻してから甦生したフルレストア車
一方のハコスカGT-Rもホワイトボディ(いわゆるドンガラ)にまで戻してから作り直されたフルレストア車。新品部品もふんだんに使用され、内装も完全リペア。排気系以外はサスペンション、シート、ホイールを含めて純正オリジナルに戻す形で甦生されている。加えて塗装などは錆対策などを含めて現代風の仕上げがされているので、安心して乗れるクルマであることもポイントが高い。こちらも、ケンメリに負けず劣らず新車のようなクオリティで、生産終了から45年以上が経過したとは思えないほど現役感が漂っている。
このプレミアムなヒストリックカーを所有するのは旧車の名門として全国に名を轟かす愛知県岡崎市の『ロッキーオート』。代表の渡辺喜也氏は、「ハコスカ、ケンメリのGT-Rはカスタマイズする楽しさもありますが、こうした希少な個体は手を加えることなく、オリジナルに近い状態で維持する方が価値はあると思いますね。本気で走りたいなら当社が製作する各部を現代版にアップデートした車両の方が楽しく快適に走れます」
ロッキーオートではハコスカやケンメリに7代目~10代目のスカイラインに搭載されたRB型エンジンを搭載し、パワステやエアコンなどを搭載した車両など気軽に旧車を楽しめる車両の製作・販売も行っている。 「赤のケンメリは塗装のみ見直していますが、そのほかは当時のままです。保管状態がよかったので、メッキやプラスチックなどに傷みがほとんどありませんし、しっかり機関もメンテナンスされていますので、安心して乗ることができます。ハコスカGT-Rはフレームまで戻してから製作をスタートしており、レストアとしては最上級といえるほど細部まで手が入れられています。トピー製の純正スチールホイールだけでなく、オリジナルのセンターキャップが装着されている車両は数少ないと思います」と渡辺代表。
気になる価格はハコスカGT-Rが通常の相場の1.5倍程度となる2580万円、ケンメリGT-Rは「値段は付けられない」という理由から応談となっている。ハコスカ、ケンメリ以降のGT-Rも特別なボディカラーを纏った限定車は通常のモデルよりも中古車相場が高い。しかもここまでコンディションのよいクルマなのだから、この価格は妥当といわざるを得ないだろう。
海外からも高額での引き合いはあるというが、渡辺代表は「価値の分かっていただける国内のファンにお譲りしたい」と日本の宝であるGT-Rを海外に出すことを頑に拒んでいる。本物の極上GT-Rを本気でほしいファンはぜひ問い合わせてほしい!
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