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「コーナーポール」はいずこへ? クルマの左前の棒状のアレ、数を減らした理由とは

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「コーナーポール」はいずこへ? クルマの左前の棒状のアレ、数を減らした理由とは

長年愛用したドライバーは装着し続ける傾向も

 クルマの「コーナーポール」とは、前方の車両感覚の把握を補助するための、車両左前方に装着される棒のことですが、最近あまり見かけないような気がします。

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 とはいえ、たとえば2017年6月にマイナーチェンジしたホンダの小型乗用車「フィット」にも、純正アクセサリーとしてラインアップされており、販売そのものは続けられています。

 現在、どのようなドライバーが装着しているのでしょうか。ホンダ車のカスタマイズや純正アクセサリーを手掛けるホンダアクセス(埼玉県新座市)に聞きました。

――現在、どのようなドライバーが、どういった目的で、コーナーポールを装着しているのでしょうか?

 コーナーポールは、運転席から確認しにくい左前方の距離感をサポートすることが目的ですので、運転になれておらず、より安全に運転したいと思われる方や、駐車スペースや道路が狭いなど、実際の使い勝手から必要とする方が装着していると考えられます。また、コーナーポールを長年装着した車両での運転に慣れている方が、ダウンサイジングしたクルマを買い直すときに、再び装着される傾向もあります。

――「フィット」全体で、コーナーポールは年間どのくらいの数が売れているのでしょうか? また、装着率はどのくらいでしょうか?

 直近では年間で約2500個ぐらいで、装着率は約3%程度になります。10年くらい前までは、ドアバイザー(編集部注:クルマ側面の窓の上部に装着する、日差しや雨などをよけるためのひさし)やマッドガード(編集部注:タイヤの泥よけ)とあわせて売れていました。

車種により装着率に偏重が…?

――コーナーポールは、特にどのような車種で装着されているのでしょうか?

 もっとも装着率が高いのはセダンで、軽自動車では低い傾向があります。セダンで装着率が高いのは左前方が見えにくく、軽自動車は車体が小さいため、左前方が見えやすいためです。数%の差ですが、装着率は車種により異なります。理由としては、「N-BOX」や「ステップワゴン」のメーカーオプションである「サイドビューサポートミラー」や、ディーラーオプションである「コーナーカメラ」など、これまでコーナーポールが担ってきた役割を代替する装備が出てきているからと考えられます。

――ホンダのクルマで現在、純正アクセサリとしてコーナーポールをラインアップしている車種はなんでしょうか?

 現在、コーナーポールをラインアップしているのは、コンパクトでは「フィット」、軽自動車では「N-WGN」「N-ONE」「N-BOX」シリーズ、ミニバンでは「オデッセイ」「ジェイド」「ステップワゴン」、セダンでは「アコード」「グレイス」、SUVでは「ヴェゼル」などです。

※ ※ ※

 ホンダアクセスにおける「コーナーポール」の扱いは、やはり以前より数を減らしているようです。では全体としてはどのような傾向にあるのでしょうか。

 カー用品の業界団体である全国自動車用品工業会(東京都千代田区)は、「10年以上前には、新車購入時のディーラーオプションとして存在していましたが、最近ではほとんど見かけません。現在でも装着しているのは、古い型の『ベンツ』や『クラウン』ぐらいではないでしょうか」と話します。

プロはそもそも使っていない

 カー用品総合専門店「オートバックス」を運営するオートバックスセブン(東京都江東区)も、近年のコーナーポールの販売状況について「コーナーポールの需要のピークは、2000年代までです」と話します。

「かつては『クラウン』や『セドリック』など、ボンネットが長いセダンによく装着されていました。近年、売れ筋のコンパクトカーはボンネットも短く、運転席の位置が高くなったことで、前方の視界が良くなり、コーナーポールを装着するケースが減りました。加えて、前方カメラや後方カメラなど、初心者の安全運転をサポートする機能が増えたため、センターポールをわざわざ選ぶ理由も少なくなりました」(オートバックスセブン)

 ホンダアクセスも「装着率が高いのはセダン」と話していました。ではセダンが多く、プロのドライバーが運転するタクシーにおける装着率はどのようなものでしょうか。

 東京都、神奈川県、埼玉県でタクシーやハイヤー業を手掛ける三和交通(横浜市港北区)は、「タクシーは基本、フェンダーミラーで車両感覚をとるので当社では装着していません。ハイヤーはサイドミラーを採用していることもあり、装着しているケースもありますが、車両全体としては1%にも満たないといった印象です。まれに中古で購入したタクシー車両に装着されていることもありますが、新車で購入するケースにわざわざオプションで装着するといったこともありません。乗務員からの要望もありませんし、当社において、この状況は10年以上前から変わりません」と話します。

 メーカー各社が先進安全技術にしのぎをけずり、セダンが販売数を減らす昨今、タクシーにも需要はないとなると、コーナーポールは今後、さらに数を減らすのでしょうか。そうなると流通も少なくなり、カー用品店で気軽に後付けといったことは難しくなりそうです。改めてオートバックスセブンに聞くと、「需要がまったくないわけではない」といいます。

「免許をとって間もない人や、たまの日にしか運転しないサンデードライバーからの需要が若干あります。また、コーナーポールに親しみのある高齢者ドライバーもいますので、今後も一定数の需要を見込んでいます」(オートバックスセブン)

 オートバックスセブンは今後も各店で、数種類のコーナーポールをレギュラー販売していくとのことです。

【写真】左側面も死角ナシ? 「サイドビューサポートミラー」

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