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【スバル360でアメリカ4000kmを激走】国沢光宏のグレートレース参戦記その1

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【スバル360でアメリカ4000kmを激走】国沢光宏のグレートレース参戦記その1

 本番前にトラブル発生も原因が判明し出走準備は整った!

日産リーフで全日本ラリー、トヨタ・ミライ(MIRAI)でドイツWRC、CVTのスバルWRX S4でタイラリーと、普通のマシンではモータースポーツに参戦しない!? 自動車評論家の国沢光宏さん。今回、新たな挑戦の場として選んだのが「スバル360でのグレートレース」だ。

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グレートレース(http://www.greatrace.com/)は、今回で27回目を迎える全米最大のクラシックカーラリー。コースは毎回変わるが、1972年以前に製造されたマシンを使い、約4000kmを9日間で走破するという、クラシックカーにとっては過酷なレースである。今回は6月24日(現地時間)にフロリダ州・ジャクソンビルをスタートし、7月2日にゴールのミシガン州トラバースシティに到着する。

これまでスプリントラリー(決められた区間を走行し、そのタイムを競う)に参戦してきた国沢さんが、なぜアベレージラリー(指定区間を決められた平均速度で走行し、その正確さを競う)に参戦することに決めたのか?

「クラシックカーのイベントっていうと、お金持ちが高価なクルマを自慢しあっているみたいなイメージがあるけど、グレートレースは普通のクルマが出られるうえに規模も大きい。今回走らせるスバル360は1958年生まれだけど、アメリカはクルマ先進国だから、そのころのクルマはパワステもエアコンも付いていて、今と大きく変わらない。一方で日本はまだ黎明期だったから、『昔はこんなに差があったのか!』とアメリカ人に感じてもらえたら面白いよね。正直、スバル360のパワーだと、頑張って走ってもトップを狙えるようなものじゃないけど、日本で最初の大衆車であるスバル360がアメリカ大陸を縦断できるのか、どうか? が見どころだね」と、国沢さん。

用意したクルマは1964年式で、スポーツ仕様のヤングSSルックだが、中身はノーマル。356ccの空冷・並列2気筒エンジンから発生するパワーはわずか20馬力! 基本的にはノーマルで、足まわりのみ、今回のマシン制作&現地でのサポートを担当するサンコーワークス(http://www.a-sanko.jp/)の喜多見さんが手がけたネオチューン仕様となっている。

さてレース前日。参加者やサポートスタッフ向けのミーティングが行われたあと、練習走行に参加することになった国沢号。少し早めに出て、途中で軽くお昼でも食べようか……ということでフリーウェイを走り出したまでは良かったが、途中、なんだか様子がおかしい。トロトロ走るものの、燃料がちゃんときていないようなのだ。路側帯に止め、応急処理を試みるも状況はよくならず、やむなく練習走行はリタイヤ。なんとか出発地点のホテル駐車場まで戻り、喜多見さんがその場で修理を行うことになった。

まずは燃料系をバラシ、戻る途中にカー用品店で購入した燃料ホースやフィルターで燃料ラインを新調するもダメ。しかし最終的に問題は純正で付いている燃料コック(スバル360は燃料タンクがエンジンの上にあり、自然に燃料がエンジンに入っていく仕組み。そのため始動前には燃料コックを開け、駐車後は燃料コックを閉める)と判明。コックを車内から操作するケーブルが不調になっていたため燃料コックが完全に開かず、そのため燃料がちゃんと回っていないような状況だったのだ。

喜多見さんが修理を行い、テスト走行をしてみると、打って変わって快調に! 当初は「明日からまともに走れるのか……」とドンヨリした空気がチーム内に漂ったが、一転して明るい雰囲気となった。トラブルが出たのが、本番じゃなくてよかった!

さて、いよいよ明日からレースがスタート。WEB CARTOPでは国沢号のアメリカ縦断の模様を、毎日リポートします!

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