正しい方法で装着した上で定期的にトルクチェックを行う
ネジやナットは、しっかり締めても熱や振動でゆるむことがある。だから、定期的にチェックするのはメンテの基本。とくにタイヤ交換などで、ホイールを脱着したあとは、50~100km走行後にもう一度規定トルクで締まっているかどうかを確認しておくと安心だ。こういう作業を一般的に「増し締め」というが、本当は増し締めではなく、トルクチェック。
通常、乗用車のホイールナットの締め付けトルクは100Nm~120Nm(軽自動車80Nm~100Nm)。ナットはゆるんでも困るが、きつく締めすぎるのもNG。とりあえず、力いっぱい締めておくというのが一番問題。規定トルク以上で締め付けると、ボルトが伸びたり、ネジ山が潰れたり、ボルトが折れるというトラブルにつながる。
インパクトレンチなどで一気に締めると、オーバートルクになりがちで、最近ではむしろ、締め過ぎの弊害の方が問題視されているほど。(ほとんどのアルミホイールの取説には、インパクトレンチを使用するのは「危険」と書かれている)
ホイールは、4つもしくは5つのナットを均等に、2~3回に分けて規定トルクで締めるのが肝要。
取り付け時には、ホイールのハブ穴と車体側のハブのセンターをピタッと合わせ、対角線上の順番に、工具を使わず、ナットを一つひとつ回せるところまで手で回してから、十字レンチで軽く締め、最後にトルクレンチを使って規定トルクに締め上げるのがベスト。
さらに言えば、スタッドボルトが錆びたりすると、正確な規定トルクで締まらなくなるので、ナットを締める前に焼き付き防止の専用グリスをスタッドボルトに薄く塗布するがコツ。
同じ油脂でも、二硫化モリブデンやCRC5-56などはゆるみの原因になるので、要注意。専用グリスを塗布すれば、かじり、焼き付きの防止、錆対策、軸力(締付け力)の安定、軸力の効率アップにつながる。
こうして、「正しく」装着すれば、めったなことでホイールナットがゆるむことはない。だからといって、1年も2年もノーチェックでOKというわけではないので、5000km毎にローテーションを行い、そのときトルクチェックも行うようにすれば安心だ。
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