■ライバルは「スカイライン GT-R」!
バブル真っただなかの日本、国産自動車メーカー各社はこれまでより豪華で高性能なフラッグシップモデルを続々と開発、投入しており、それはスポーツカーも同様でした。
「スカイライン」歴代全13モデルが勢ぞろい 誕生60周年記念イベント開催(画像16枚)
その代表格といえるのが1989(平成元)年、16年ぶりに復活を果たした日産「スカイライン GT-R」です。搭載される2.6L直列6気筒ツインターボエンジンの最高出力は、自主規制枠いっぱいの280psを発揮。さらに当時、最新鋭の四輪駆動システムを備えるなど、そのポテンシャルに自動車ファンは夢中になりました。もちろん、他社からも個性豊かなフラッグシップスポーツが送り込まれましたが、そんななか「スカイライン GT-R」に唯一、真っ向から立ち向かったのが、1990(平成2)年に登場した三菱「GTO」でした。
最上級グレードには、最高出力280PSを発揮する新開発3.0LのV6ツインターボエンジンを搭載。さらに、排気音が変化する「アクティブ・エキゾースト・システム」、高速走行時の安定性向上のためリアスポイラなどを自動で可変させる「アクティブ・エアロ・システム」、ESC(電子制御サスペンション)など電子デバイスで武装。全グレードでフルタイム4WDと4WS(四輪操舵。50km/h以上で走行時に後輪を前輪と同方向に操舵する)を標準化し、高い走行安定性を実現していました。ハイパワーに対応すべく、トランスミッションも日本車初となるドイツのゲトラグ社製5速マニュアルトランスミッションが採用されました。
■挑発的なキャッチコピーとともに、いざ発売
「スポーツは、ライバルがいるから、面白い。」と、「スカイライン GT-R」をライバル視した挑発的なキャッチコピーを掲げ大々的に発売されるも、しかし王者には歯が立たず……。それは販売面だけでなく、モータースポーツフィールドでも同様でした。
開発者たちの志は、「GT-R」にも決して劣るものではなかったと思われますが、レース参戦を前提に開発された「GT-R」と、高級セダンの「ディアマンテ」とボディを共有するなどFFベースで高性能グランドツーリスモ(優れた走行性能だけでなく高い居住性も備えた長距離走行に適したクルマのこと)の色合いが強かった「GTO」では、そもそも器が違っていたのです。
その後、「GTO」は戦闘力アップが図られ、よりスポーツ性を高めていきますが、元々の車重の重さが災いし、その評価は芳しくなかったようです。
そして、強化された排ガス規制のため、販売台数が減少していたほかの国産スポーツカー同様、2001(平成13)年に生産を終了。宿敵「スカイライン GT-R」も、2002(平成14)年に生産終了。ここでひとつの時代が終わったことを物語っていました。
■つわものどもの夢が終わって、「GTO」のいまは?
生産終了から10年以上の歳月が流れたいまも、活躍する「GTO」があります。それは高速機動隊に配備されたパトカー仕様の「GTO」です。一時は、全国各地でその雄姿を拝むことができましたが、すでにほとんどが退役し、現存するものは極めて少数です。その少数の現存車も、おもな任務は警察イベントのマスコットカーとなってしまいましたが、いまなお、子供たちのヒーローであることに変わりはありません。
名称の「GTO」は、「Gran Turismo Omologato」の略です。つまりグランドツーリングカーレース向けホモロゲーションカーを指し、「GTカーレースに出場する資格のあるクルマ」といった意味になります。三菱らしいハイテク機能の満載やスポーツ4WDへの取り組みなど、「GTO」の培った技術は、全てはモータースポーツのためだったと受け取ることもできます。
その思いと技術は、のちに登場する「ランエボ」こと「ランサー エボリューション」シリーズなどの三菱スポーツにも生かされたはず。また、その先進性とスーパーカーらしいスタイリングは、今なお色あせることはありません。エポックメイキングな和製GTの1台として、いつまでも語り継がれていくでしょう。
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