■大事なのは「基本的なこと」
クルマを下取りしてもらう場合、できるだけ高く売る、すなわち査定額をアップさせるためには、どのようなことができるのでしょうか。
クルマのオイル、なぜ短命に 交換時期より早い劣化、原因は日本のクルマ事情?
中古自動車査定制度を運営する日本自動車査定協会は、以下のように話します。
「査定ではドアや各種パネルなど、パーツごとにひとつひとつ、さまざまな角度から見て傷などをチェックし、そのときの相場を考慮して最終的な査定額を出します。きれいに乗るよう心がけておくことことが大切です」(日本自動車査定協会)
実際に下取りを行っている、ある中古車販売店にも話を聞きました。
「査定士は見たままを査定するので、その前に市販のコンパウンドでボディーを磨くなどして、落とせる傷は落としておいたほうがいいでしょう。しかし、修理店に出してしっかりと直してもらったほうが査定額がアップするかといえば、おそらく修理費のほうが高くなります。あまりお金をかけず、できる限りのことをやっておくだけで十分です」(中古車販売店)
日ごろからどういう点に気をつければよいのでしょうか。日本自動車査定協会は「これといった秘策はないと思います。もちろん、走行距離が少ない、車検までの期間が長い場合などは多少プラスにはなりますが、肝心なのはそのクルマの本質的な価値です」といいます。
前出の中古車販売店もやはり「秘策はない」と口を揃えます。
「たとえば高価な改造パーツやオーディオなどを装備していても、それはさほどプラスにはなりません。取扱説明書や点検整備記録簿、スペアキーをちゃんと保管しているなど、基本的なことが大事です」(中古車販売店)
では、高く売れるクルマの「傾向」はあるのでしょうか。
■高く売れる車種、時期は存在する?
2017年4月現在、クルマの下取りにおける高査定のトレンドとしては、日本自動車査定協会も中古車販売店も「背の高い(いわゆるハイト系)軽自動車とワンボックスカーは、全体的に高い傾向」といいます。そしてクルマの色については「白(パール)」と「黒」、中古車販売店はそのふたつに加え「グレー」を挙げました。
「車室が広いなど、機能性が高いクルマがやはり人気です。色は全般的に白、黒、グレーが高い傾向にありますが、多色展開しているクルマについては、それら以外に人気の色が存在することもあります」(中古車販売店)
両者とも、セダンや排気量の大きいスポーツカーなどは、下取り額が低い傾向にあるといいます。しかし「新車で人気がなく、中古車市場にあまり出回っていないクルマがプレミア的な価値をもつ」(日本自動車査定協会)こともあり、特にスポーツカーに多いそうです。
ただ、査定額は刻々と変わる市場の状況に大きく左右されるとも。
「たとえば現在、オートスライドドアが付いているワンボックスは査定額が高いといわれますが、多くのクルマに標準的に装備されれば、その状況は変わります。いま高いクルマでも、ほかのメーカーからそのライバルとなるクルマが発売された途端、一気に下がることもあります」(日本自動車査定協会)
実際に下取りを行う中古車販売店では、そのときの店の在庫状況によっても価値は変わるとのこと。しかしながら、「1月1日に年式が切り替わるので、年が明けてから下取りするよりは、前年の10月や11月にしたほうが高くなりやすい」といいます。
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