幅の広いタイヤを収めるためにボディを拡大するパーツ
簡単にいえば、クルマの全幅を広げるためにメーカー純正ボディのノーマルフェンダーに被せる、三日月形の追加のボディパーツのこと。
何のためにボディの全幅を広げるかというと、より幅の広いタイヤを履かせるため。保安基準では、タイヤ・ホイールが(フェンダー等)より車両の外側方向に突出してはならないと規定されている(道路運送車両法保安基準第178条)。
そのため、ノーマルのフェンダーからはみ出てしまうような、ワイドなタイヤ&ホイールを履かせる場合、ボディ側を拡張させる必要があり、後付けで簡単に装着できるオーバーフェンダーが考案された。
国内でオーバーフェンダー=カッコいいというイメージを植え付けたのは、70年代のレーシングカー。
ハコスカ(スカイラインC10系)、サバンナRX-3、フェアレディZ(S30)、カペラなどのワークスマシンをはじめ、サニー、チェリー、カローラ、パプリカ、セリカ、レビン、etc.のツーリングカーレースでは、オーバーフェンダー仕様が定番だった。
オーバーフェンダー(略称オバフェン)の装着といえば旧車オーナーが多かったが、取り付けが簡単なので、マツダ・ロードスターやトヨタ86/スバルBRZなどのスポーツ系をはじめ、VIPセダン系、ワゴン車、パジェロ、ジムニーなど、幅広い車種に、アフターパーツとして多くのオーバーフェンダーが流通している。
なお、オーバーフェンダーの装着によって、車幅がノーマルの全幅より20mm以上拡大する場合、構造変更届けを出さないと車検がとおらなくなる。
また、取り付けも両面テープなどではNGで、ビスもしくはリベットなどでしっかり固定することが必要。防錆対策なども重要だ。
また、太いタイヤ・ホイールを収めるという意味では、「ブリスターフェンダー」もオーバーフェンダーと目的は同じだが、ブリスターフェンダー=「膨れ上がったフェンダー」という意味で、オーバーフェンダーと違い、後付けパーツではない。
プレス加工の段階で、はじめからフェンダー全体が膨らむように成形されているのが特徴だ。
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