超簡素なモデルから最強オフローダーまで
クルマ好きや運転フィールのマニアが今乗っても満足度が高く、なおかつ相場が安いか中古査定価格が強いかで、お買い得な一面も備えるホットな軽自動車を厳選した。
【名車列伝】軽自動車64馬力規制のきっかけになったスズキの激速マシン
基本的に新車で買えるモデルは選定外としたが、現行型のモデルライフが18年目と異様に長いジムニーは例外的に選定している。
(1)ダイハツ エッセ エコ
超ハイトワゴン人気の陰で、わずか1世代で絶版車となった不遇の名車。スポーツ性は微塵も考慮されていないエントリーモデルながら、その軽量コンパクトで低重心なボディと、ロングストロークらしい低速トルクで存外に運転が楽しいという副産物を得た。とりわけ新車価格が68万2500円(2005年当時)の最廉価グレードの「エコ」は集中ドアロックも付かない極限まで装備を削ぎ落としたコンペディションモデルのような仕様で、車重は旧規格なみのジャスト700kg。スタビライザーは付かないが上屋が軽いおかげで旋回姿勢は安定しており、145/80R12サイズのタイヤを軋ませながらクルマの性能を使い切る喜びが堪能できる。ある意味オトナのスポーツだ。とにかく新車が安かったので、中古車相場も激安で安定している。
(2)スズキ ジムニー
日本が誇る傑作SUVのひとつ。ラダーフレーム構造をもつSUVとしては世界最小級ながら悪路走破性能は世界最強級で、200mmの最低地上高や副変速機付きの屈強なミッション、ボディサイズの割りに大きなタイヤ外径など、軽自動車ながら最高峰の悪路走破性を備える。本格SUVとしては軽い1トンを切る車重のおかげで、とくに雪上では無類の強さを発揮し、大型の本格SUVでさえ苦労する深い豪雪でも難なく走りきるなど、雪山や未舗装路ではまるでスーパーカー。軽自動車規格の寸法を活かして日本の狭い林道でもガンガン走れるのは痛快の極みだ。オフロードでのタイムアタック競技の人気が高まっていることも納得。マニアが多いので、多少ボロになっても下取りが高値安定傾向なのも嬉しい。
3速でもホイールスピンするほどのハイパワー軽も!
(3)初代ダイハツ コペン
電動開閉式のメタルトップを採用したことなどにより、一般的なライン生産ではなく、熟練工によって一台ずつ手作業で組み立てられた贅沢な軽自動車。ボディ剛性が極めて高く、レーシングドライバーがサーキットを走らせても高く評価するほどの運動性能を備える。エンジンは4気筒ターボで高回転域が気持ちよく、乗り味において軽自動車のネガを感じさせる部分はほとんどない。ビルシュタインダンパーやレカロシート、BBSホイールまで奢られた特別仕様車も人気を博した。デザイン面でも現行型より断然人気が高く、中古車相場は高めで推移しているが、そのぶん中古の査定価格は抜群。将来的にはビートやカプチーノのような伝説的な人気モデルとなる可能性が高い。
(4)スズキ カプチーノ
ビートやAZ-1などと並ぶ不世出の後輪駆動の軽スポーツ。バブル期設計のおかげで、軽自動車ながら性能面は妥協されることなくFRスポーツとしての理想を追求した。アルトワークスにも積まれた名機の誉れ高い3気筒ターボエンジンは超高回転型で、レッドゾーンは8500回転から。タコメーターは1万2000回転まで刻まれていることも納得のタフなユニットでとにかくよく回る。比較されがちなライバルのビートも伝説の名車だが、エンジンの存在感ではカプチーノが圧勝。流通台数はビートも同程度ながら、相場の平均がカプチーノのほうがずっと高いのでリセールでも有利。筆者の個人的な好みでは運転フィールの痛快さでもカプチーノのほうが上との判断により選定した。
(5)スバル ヴィヴィオRX-R
アルトワークスやミラターボなど、1990年代の軽スポーツ(ハッチバック)はいずれも傑作揃いだが、当時のボディ作りのクオリティで他を圧倒するヴィヴィオを激推しとした。WRCでクラス優勝を遂げた伝説も一線を画すポイント。同世代の軽スポーツが積むエンジンはいずれも高回転型で、RX-Rもその例にもれず高回転型。ライバルがターボを採用する中、構造上は高回転に不向きなスーパーチャージド過給ながら9000回転まで回るエンジンは、前期型では自主規制の64馬力をはるかに超えており、FFで全開加速をすると3速に入れてもなおホイールスピンが止まらないほどパワフルだった。ここ2~3年の間に高騰したので、比較的安く手に入れるなら今しかない!
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