車検に必要なもの、その手順とは?【意外と知らないクルマのこと】
前回、「ディーラー?整備工場?スタンド?自分に合った車検の選び方」について解説したが、では、実際に車検を受ける際に必要なものや手順などはどうしたらいいのか?その流れとともに説明しよう。
ディーラー?整備工場?スタンド?自分に合った車検の選び方【意外と知らないクルマのこと】
ただし、ここでは点検整備から検査までを完了できる指定工場を持つディーラーや整備工場などを基本として、自身で車両を陸運局に持ち込んで検査を受けるユーザー車検などは、必要な書類や流れが違ってくるので別としたい。
車検の見積もり
車検の見積りには、「概算見積り」と「実車見積り」のふたつがある。
「概算見積り」とは、クルマの種類やサイズなどの情報をもとに算出した最低限の金額で、電話やネットなどでも依頼することができる。
一方、「実車見積り」は、実際にクルマを点検した上で算出するため、ほぼ確定となる金額。
従って、いくつかの車検業者から見積りをとって比較したい場合などは、「実車見積り」を行うのだが、その都度クルマを持ち込む必要があり、さらに実際の車検にも足を運ばないといけないため、手間と時間がかかってしまう。
なお、車検にかかる時間が、60分~90分、1日などといったスピーディーさを売りにした業者の場合は、あらかじめ電話やネットで「概算見積り」をしておけば、車検当日にクルマを持ち込んで、何の問題なく完了すれば、そのまま乗って帰ることができるので手間はかからない。
もちろん、クルマを持ち込んだ際に、まずは点検をするので、「実車見積り」も提示してくれる。
車検当日に必要なもの
さて、車検を受ける際に必要な書類などは以下の通りだが、もし忘れてしまうと2度手間になってしまうので、注意していただきたい。
(1)自動車検査証(車検証)
その自動車に関する情報が記載され、保安基準に適合していることを証明する書類。
(2)自動車損害賠償保険証明書(自賠責)
もし紛失した場合の再発行は、その自賠責を請け負った保険会社や保険代理店に再発行を依頼することが可能。ただし、発行までに日数がかかるため余裕が必要。
(3)自動車税納税証明書
平成27年4月から、国土交通省(運輸支局等)と都道府県のシステムを連携(オンライン化)させることにより、納税証明書を省略できるようになった。
ただし、一部地域や条件によって省略ができない場合があるので要確認。また、軽自動車や小型二輪自動車については、これまでどおり納税証明書が必要となる。
(4)車検証の使用者の印鑑(認印可)
手続きの際に必要になる場合がある。
(5)車検費用
クルマの状態によって追加料金がかかる場合があるため、余裕をもって準備したい。
支払い方法については、前払いや後払い、さらにクレジットカード払いができる場合もあるので、事前に確認しておくといいだろう。
(6)その他
タイヤのホイールに盗難防止用のホイールナットを使用している場合は、「ロックナット」を忘れずに。また、「自動車任意保険 保険証券」は、代車を借りる場合に必要になることもあるので、あらかじめ業者に確認。
車検の流れ
それでは、実際の車検が完了するまでの流れを説明しよう。もちろん、クルマの状態や業者によって、数時間~1日で完了するものから1週間程度かかる場合もあるが、大まかな流れは同じなので、把握しておくといいだろう。
STEP 1 入庫・受付
あらかじめ、電話やネットで予約した日時に、必要書類などとともにクルマを入庫。
STEP 2 点検・検査
受付をしている間に国家資格を持ったメカニックが、国の点検基準に基づいた検査項目に従って、クルマを分解・点検。
STEP 3 説明・見積り
分解・点検が終わったら、車検に不合格となるため修理や交換が必要な箇所、さらには、交換時期が迫っている消耗品などの説明を受け、整備内容を決めていき、必要であれば「実車見積り」をもらうことができる。
なお、この整備内容が決まった段階で、ディーラーなどの車検の期間がかかる業者の場合は、クルマを一旦、預けて帰ることになる。その際に、予約の時に申し込んでおけば、代車(無料or有料)をお願いできる場合もある。
STEP 4 整備
法定24か月点検と、あらかじめ相談して決めた整備を実施。この時、どうしても取り寄せに時間がかかる部品などがある場合は、1日車検でも日数がかかる場合がある。
STEP 5 完成検査
工場内の検査ラインで、国家指定検査員が最終の測定・検査を実施。併せて必要書類の作成と保安基準適合標章(仮車検証、2週間有効)をフロントガラスに貼付。
STEP 6 説明・清算
検査が完了したら、整備・検査内容の説明とともに車検費用を精算。同時に、次回の点検案内や消耗部品などの交換時期をアドバイスしてくれる。これで、クルマを引き取って終了。
車検の完了
なお、ディーラーや整備工場などの指定工場の場合、検査までは完了できるのだが、その後、必要書類を業者が陸運局に持ち込む必要があるため、新しい車検証や車検ステッカーは、後日、届くことになる。
その車検証は、クルマに常備(携帯)させ、車検ステッカーのほうは、フロントガラスに貼付された保安基準適合標章(仮車検証)と貼り換えて、本当の意味での車検の完了となる。
まとめ
正直、車検なんて、ディーラーや整備工場などに任せておけば、何にもしなくても完了してしまうもの。
中には、自宅のクルマの引き取りから完了して届けるまで、全てやってくれるような手厚いサービスもあるほど。
ただ、車検の流れや整備内容を把握していれば、次回は「もっと大容量のバッテリーに換えてみよう」とか「グリップのあるタイヤを履かせてみよう」などと、計画する楽しみができるのではないだろうか。
協力:杉並モータース
https://www.suginami-motors.co.jp/
文・撮影/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)
クルマは走らせてナンボ!をモットーに、どんな仕事にも愛車で駆けまわる日々。クルマのほかにもグルメやファッション情報、また小学館Men’s Beautyでは、男性に向けた美容・健康法、化粧品情報なども発信。
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