ニュル量産車最速タイムを叩き出した「Nismo N AttackPackage」を試す
2013年9月、ドイツ・ニュルブルクリンク(以下ニュル)で当時の量産車最速タイム”7分8秒679″を記録した日産R35型 GT-R NISMO。その車両とまったく同一仕様となるNISMO『N Attack Package』を纏ったデモカーに群馬サイクルスポーツセンターで試乗することができた。
「NISMO」が初期型R35GT-Rのアップグレードメニューを公表
毎年「ニスモ」をはじめとするメーカー直系ワークス(TRD/STI/無限)による「メディア向け合同試乗会」が開催されている。今年は、昨年に引き続き”和製ニュル”の異名を持つ「群馬サイクルスポーツセンター」がそのステージに選ばれた。 アップダウン・荒れた路面・ランオフエリアなしという過酷なクローズドコースでは、クルマが持つ”真の実力”が露わになる。今回ニスモが試乗車に用意したのは、R35型GT-Rのフラッグシップと言えるGT-Rニスモ専用のオプションパッケージ『ニスモ Nアタックパッケージ Aキット』を装着した車両だ。 オーリンズ社製の4WAY減衰力調整機構付き車高調整式サスペンション、カーボン製の専用インタークーラーパイピング、ECM&TCM、フロント&リヤLSDなど、ニュルでタイムアタックした際の性能をそのまま再現した仕様だ。 これまではチョイ乗りの経験はあるものの、心置きなく全開にできるクローズドコースでのドライブは初。果たして、初期型のR35型GT-Rよりニュルで30秒もタイムを削った”Nアタック”はどんなポテンシャルを秘めているのか?
堂々としたリヤビュー。ドライカーボン製のフロントフェンダーやカーボンリヤウイングは「N Attack Package」のみの専用品となっており、単品での販売はない。
まずは昨年同様、ニュルでタイムを出した張本人”ミハエル・クルム氏”の運転を助手席で体感。コースを完璧に熟知していることもあるが、いきなり最初のブラインドコーナーに恐ろしい勢いで飛び込んで行く。 だが、まったく恐怖感はない。ステア操作の初期からスパッとノーズをインに向け、尋常ではない旋回速度を保ったままタイヤは路面を鷲掴み。そこから破綻することなく、次のコーナーまでの短い直線をワープする。暫し、放心状態……。
NアタックはMY14 GT-R NISMO用に設定されたオプションだが、MY17以降のGT-R NISMOでもマッチングを確認。富士での比較テストも実施している。
ちなみに「ニュルアタックと同仕様の”N Attack Package A kit”は、後席レスの2シーター仕様。一部装備を省いた4シータ-仕様のB kit(500万円)も選択可能だ。
至極マイルドなのに激速!! 究極のGT-Rは懐が深い
次は自分がステアリングを握る番だ。まずは様子見の慣熟走行。ここで驚いたのが、信じられないほどに乗り心地が良いということ。比較で乗ったノーマルGT-Rニスモのほうが断然硬く、Nアタックはニスモと標準車の間くらいのイメージだ。 足を動かさないとニュルを制すことができない、ということだろう。ペースを上げると、ターンインの鋭さに圧倒される。それでいて、リヤはドシッと安定しており、オーバーステアに陥ることもない。
あっという間の周回だったが、この狭いフィールドでは自分の手に余る性能であると同時に、攻めずともその懐の深さが十二分に堪能できた。 ちなみに、試乗車はニスモ専用のダンロップ(浅溝ハイグリップ)ではなく、耐久性を考えて標準車用のダンロップタイヤを装着。乗り心地の良さはその影響も少なからずあるだろう。また、鍛造アルミホイール「BBS RI-Aエンジニアードバイ・ニスモ」の剛性バランスも、マイルドな乗り味に効いていると予想できる。
限定100セットの「BBS RI-A Engineererd by NISMO」。NISMO純正品と同サイズ(10J×20 IN41/10.5J×20 IN25)でカラーは、SUPER GTと同一のブラック。マシニング加工のNISMO/BBSのロゴ入りで77万2000円/4本。
なお、パッケージオプションの価格は900万円(税別)。原則として新車でGT-Rニスモを購入したオーナーのみが享受できるエクストラという敷居の高さはあるが、そのポテンシャルの凄まじさや奥行きの深さを知ってしまった今、「いつか新車のニスモを手にした暁には……」という、淡い期待を抱いてしまう。
これぞ、メーカーワークスだからこそなし得る珠玉の一台。恐れ入った。
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